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すれ違いの中でも、ボクはキミを見つけに行く〜自分の為に嘘をつく詐欺(ペテン)師達は〜  作者: 華御羅


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2 運命のチャラ男くん

美乃花お姉ちゃん、実は極度なブラコンで、飛鳥大好きです。ツンデレと言うか甘え下手というか……。とりあえず弟思いの優しいお姉ちゃんです。

なんでもあり世界線なので深くはツッコまないでください。

 「ううう〜! 遅刻しちゃう〜!!」


 高校が家の近くにあったことがせめてもの救いだよ…。

 元から運動が苦手なボクは、ちょっと走るだけで息が上がってしまう。急ぐことに一生懸命すぎたボクは目の前にいる人影に気づかず、突進してしまった。


「うわっ!」


「きゃっ!」


 誰にぶつかったかわからないけど、体重が軽いボクは、思いっきり尻もちをついてしまう。


 うう、痛い…。って、久しぶりに、男の子っぽい声を出しちゃった……。『うわっ!』か、ボクったら、女の子らしく『きゃっ!』とか言わないと……。


 すると、一つ疑問が浮かんでくる。



 ん……? 考えてみたら、ぶつかった時、女の子の声しなかった?



 地面に座り込んだまま、上を見上げる。するとそこには、気の真高校きのまこうこうの男子制服を着た生徒が立っていた。


「んんっ!!」



 その生徒は気まずそうに咳払いをし、ボクに向かって手を差し伸べてくれる。


 逆光のせいで顔は見えなかったけど、髪色は綺麗な水色がかった銀色。それだけはわかった。肩くらいある髪を、ハーフアップでかっこよくキメていた。



 スタイルはいいし、身長も高そう。でも、それだけで十分かっこいいけど、もっと人を惹きつけるような感じが、彼にはあった。




 瞳だ。光に当たったビー玉みたいに輝いてる。なんて言ったらいいんだろう。



 その瞳は、誰もが立ち止まって、見入ってしまいそうな感じ。夏の爽快な空みたいに青い左目と、熟した赤い右目。オッドアイだ。




 ……これが、イケメン……?



 彼の姿を見て、ヒュッと息を止めてしまう。


「……? 大丈夫?」


 さっきの女の子みたいな声じゃなくて、低い声がボクの耳に響いた。

 壊れかけのロボットのように、首をコクコク動かして、イケメンの手を取って立ち上がる。


 そのまま何も言えずに固まってると、温かい春の風が少し強めに吹いた。


「うおっ!」


 結構強い風で、イケメンとボクの髪がなびく。



 …………あ、なにか、光ってる……。……ピアス……? リング型の。左耳に……ついてる。



「……おっと」


 ボクの視線に気がついたのか、イケメンは目を細めて笑ってきた。そのまま小さく舌を出して、幼い子供のような表情になる。


「見ちゃった……?」


 髪を持ってそっと耳を隠す仕草に、ボクの鼓動はまた早くなっていった。


「オレは宮水朝陽みやみずあさひ。君は?」


「ボ、ボクの、名前は、ひ、日和……飛鳥」


 緊張と恥ずかしさで声が裏返る。


「へぇ。今どきのボクっ子なんだね〜」


  

 その言葉に、ヒヤリと冷たい感触が首に当てられた気がした。まるで、ナイフかなにかを突きつけたみたいに。



「……あ、」


 そうだ……気をつけないと……ボクは男の子だ。バレたら、また、だもんね。……、やっぱり、私とかのほうが良かったのかな? …………せっかく、気になる子を見つけられたのに……。


 心の中でめちゃくちゃ心配しまくってることを、あの人は一切気にしてないのか、再び自己紹介を始める。



「オレはオレ! まぁ、見ての通り顔立ちは百億点満点ひゃくおくてんまんてん!!!!! オレを見て惚れない女はいないんだ☆」



 さっきまで感じていたドキドキがどんどん減っていく。


 ………思ってたのと違う…………。こんな、チャラ男だったんだ……。


「君みたいな可愛い女の子、オレ、好きだよ」


 ウインクをしてカッコつけてる姿に、もうドキドキじゃなくてアホらしいっていう気持ちのほうが断然上だ。普通におバカなだけみたいじゃん。


 顔はいいけど、性格は見た目通りチャラ男……、ううん、おバカなのかな?



「飛鳥ちゃんも気の真高校の生徒?」


「え?う、うん、そうだけど…」


 急に全然違う話を振ってきたらなんて答えたらいいかわかんなくなるよ! 話題があっちにいってこっちにいってぐるぐるだよ〜。


「お! やっぱり! じゃあ、一緒に行こうか!」


「うわっ…!」



 距離感、近っ! 顔が、顔が目の前にあるよ!

 すると、右手に違和感を覚える。



「っ! 急に手なんてつながれたらどういう反応したらいいかわかんないじゃない!」



 ボクの右手にはガッシリとイケメンの手が握ってあった。

 〜〜〜!!! なんで、こんなに距離感も近いし言葉も甘いし、なんで、こんな奴に……。





ドキドキしちゃうの?




「あははははは」


 そのままイケメンはボクを引っ張って、学校の方向に走り出す。するとイケメンは急に振り向いてきた。

 なになになになに?なにかボクしちゃった?

 突然のことに頭が追いつかず、びっくりして肩がビクッと震える。

 ……あ……!


「フフッ!」


 自信満々の笑顔をボクに見せてきた。太陽みたいにまぶしい笑顔に、つい目を閉じたくなってしまう。


 なんとなく、やっぱり、と思ってしまった。


 ……やっぱり、個性的。

 何がって? それはもちろん全部が。


 水色がかった銀色の髪は、日光が当たるたび鏡のように反射して、輝く。実際の狼は見たことないけど、現実の狼の毛も反射してきれいに輝くのかな……?


 そして、髪よりももっと人の目を惹きつけるものがある。


 オッドアイ、青と赤の真反対な色の瞳は、やっぱり人を惹きつける感じがあった。


 ……この男は、変なところが多すぎるよ。


「あ! そうだ! オレのことは朝陽くんとでも呼んでよ!」


「……あ、朝陽…」


 なんとなく恥ずかしくて、少し視線を下に落としてしまう。誰かと仲良くなるなんて、久しぶりすぎてどう会話したらいいか困ってしまった。


 でも、朝陽は嬉しそうに笑ってくれる。

 ……ボクの中で、また何かが動いた。朝陽がちょっとした行動をとるたびに、ボクは頭がおかしくなりそう。



 ……ボクの性別を知っちゃったら、朝陽はどうなっちゃうんだろう……。



 そして、ボクの覚悟が決まったときでもあった。

 この性別は、……性格は、隠しきらなくちゃ……。


朝陽の立場って大変な立場なんです。お兄ちゃんがいて、妹がいるという。間の子だから女子力もあるし男子力もあるというスーパー朝陽ですw

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