プロローグ
何処だ、ここ。
こんなところに来る前は、3月だったはずなのに。
春だったはずなのに、真夏のように暑い。快晴、と言いたいところだが空には雨雲が広がっている。
汗が額から落ちてくる。なのに、なんで…
「なんでこんなに暑いの…」と愚痴をこぼすが、誰も返事などしてくれない。
私は無心で、訳も分からず歩いている。
すると、随分ボロボロな廃村のような場所に辿り着いた。
その村は異様に静かで、不気味だった。
その上、空気が重く薄い。
酸素が思うように肺に入ってこない。
周りを見渡すと、窓ガラスの破片が落ちている。
変な匂いがする。鉄のような、嫌な匂い。
足元をよく見ると血溜まりがあった。
まるで誰かが襲撃してきたかのようで、刃物の跡が古い家の壁についている。
なんでだろう、授業を一緒に受けていたはずの皆がいない。
猛暑の中、私たった1人。
此処が何処かも分からず歩いているだけだ。
何処につくかもわからない、皆がここにいるのかもわからない。
それにしても、動物の1匹くらい、いてもいいのにそれすらいない。
変だ。人の声も、風の音も、一切しない。
するのは、少し遅れて聞こえてくる自分の足音だけ。
でも不思議と、数秒前まで人が居たかのような雰囲気がするのだ。
でも、誰もいない。私はまた、ひとりぼっちだ。
嫌だ。嫌だよ。
一人ここでずっと歩き続けるなんて嫌だ。
ねぇ、……誰も、いないの、?
もうこの際、誰でもいいから。
もうひとりぼっちは嫌だよ。
ねぇ、誰か
「助けてよ。」
処女作なのでお見苦しいかと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました