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姫の虹

作者: 秋葉竹



  


虹をつくるのは

雨だというほんとう


夢を作るのは

じぶんじしんだと想いたい


罪を作るのが

じぶんじしんのせいだと云うなら


そらを作ったのは

神さまだというほんとう


みあげていると

くしゃみが出そうになるというほんとう


雪を作るのは

雨だというほんとう


孔雀が大きな羽を広げて

雪の舞う大空を飛ぶというのは嘘


姫が城で希むものは

自由だというほんとう


蒼空をみあげながら

ため息を吐いているというほんとう


まぎらわすために罪を

重ねつづけているというほんとう


小さな鳩の鳴き声を

くっくどぅうどぅうどぅと聴こえるという嘘


雨を、希ってはいけない

雨を、希わなくてはいけない


それはすなわち

姫の虹みたいなものだ


虹を、希ってはいけない

虹を、希わなくてはいけない


いちばんたいせつなのは

ほんとうも嘘も


数えきれないくらいあるという

ことを知らなくちゃいけないことだ


姫の華奢も優雅も虚飾も贅沢も

姫は要らないとほんとうに想ってる


ひとりきりで旅に出たいと

涙声で呟いてもけっして涙は流さない


姫はほんとうは

虹なんだけれど


虹はすぐに消えるって

知ってる賢い虹なんだ



虹になるのは

姫だというほんとう


夢になるのは

姫じしんだと想いたい


罪を重ねるのが

姫じしんのせいだと云うなら


姫を作ったのは

神さまだというほんとう






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― 新着の感想 ―
[一言]  嘘から出た真もあれば、真の影が嘘の姿に歪むこともある。  ほんともうそも、交互のように鎖に繋がっているのかもしれませんね。  嘘だけを断ち切って、ほんとだけの鎖で世界を囲いこめはしない。
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