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夢の跡1

『今日はどこへ行くの?』

『少し遠くに』



 ジャンボは元気よく笑うバニラに微笑んだ。

バニラは9歳の姿で、ジャンボも合わせるように当時の姿だ。



『チョコはいつ来るかな』

『遅くなるだろうな。いつか迎えに行こうか。また三人で暮らそう』

『俺、それまでにもっと強くなる!』

『はは、それがいいな』



 遠くに、と言ったのに二人がずっと歩いてたどり着いたのは、四合院の庭だった。

暖かい光が降り注ぐ庭で、バニラはのびのびと飛び跳ねる。

「柔軟体操は忘れるなよ」なんて何度も繰り返し言った言葉は、もうジャンボの口からは出ない。



『いつかカンフー映画に出るんだ。チョコと』



ジャンボは優しく頷いた。

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