かちかち山（昭和版）
むかしむかし、あるところに・・・・
かちかち山を題材にした寓話風。本来の童話は多少の毒があるはず。
むかしむかし、あるところに、ある童話がありました。
その童話は、妻を殺された夫が、騙されて妻の肉を食べ、同情され、同情した人が代わりに犯人に仇討ちをして、復讐するお話でした。
あるとき、ある人が思いました。
「人肉食は残虐だ。仇討ちなど時代錯誤だ。人殺しも。そんなシーンは子供の教育によくない。」
妻は死なず、ちょっとしたケガをしたことになり、しかし犯人が過大な復讐をされる部分はそのまま、かろうじて生き延びるお話になりました。
因果応報。人を殺すような奴は、いつか逆に殺される。
そういう教訓を数百年にわたって伝えてきた童話は、
少しでも悪いことをした奴は、正義の代行者であれば、いくらでも、何でもやっていい。
そういう童話になりました。
そして、それを読み聞かされて育った子らが、成長して大人になりました。
どこかで落ち度のある人、あるように見える人をみつけると、非難してボコボコにします。正義のためなら何でも許されます。twitterや掲示板で「炎上」「ネットイナゴ」と呼ばれます。
直接関わらなくても、「メシウマ」と眺めて楽しみます。
なにしろ、それが正しいと読み聞かされて育ったんですから。
とっぴんぱらりのぷう。
古代のある国には「目には目を、歯には歯を」という法律がありました。
復讐は許すが、やられた以上の復讐は処罰します。
現代は「倍返し」が流行りのようです。
