都市・モルガン
「まずは私の家である酒場を紹介しますね。ついてきてください」
言われるがままについて行く。
案内されたのは、途中地図で見た町の中心部にある趣のある酒場。まだ昼間だというのに男たちはわんさか酒を飲み、談笑している。冒険帰りなのだろうか。
「レイズちゃん、元気そうだね。今日もいい笑顔だ」
「ありがとうございます。楽しんでいいってくださいね」
「おうよ!ところで隣にいる可愛い子ちゃんはどこの人だ?はじめてみる顔だな」
「あ~この子は森で倒れてたのを見かけたから連れてきたんです。悪い人ではないですよ」
僕の素性を明かさず、オブラートに真実を伝えてくれた。
「そうか。よう嬢ちゃん!俺はガルド。この酒屋の常連でここらでは腕っ節の冒険者だ。よろしくな!」
「よ、よろしくお願いします」
いかにも荒仕事をしてそうな、屈強な男。いい人そう。
「では二階にいきましょう、ミストさん」
円卓歩きぬけ、奥の階段から二階へ上がる。
「ありがとうございます。親切にしていただいて。」
「いいですよ。なんならここに泊まりますか?」
「い、いえ!そこまでしていただくのは流石に気が引けます」
初対面の僕に優しくされてる分、恩返しがしたい。
「そうですか…」
明らかにしょんぼりしてる。僕といてそんなに楽しいのか。
「わ、わかりました。お言葉に甘えて泊まらせていただきます!」
「ぜひぜひ!この酒屋で働いてるので、男性と話すことは多くても同年代の女子と話す機会あまりないんで楽しいです」
「そうなんですか…ええと、お礼といっては何ですがなにか僕にできることはありませんか?といってもこの国は分からないことだらけですが…」
「そうですね…発酵酒を造るのに麦が不足しそうなので採ってきてもらえますか?クエストとして発注してるんですが誰も手を出してなくて…」
「わかりました。では早速ギルドにいってきます」
ギルドの場所はここに来る途中地図で確認したから大丈夫。
「あっ、クエストを受けるにはギルドで冒険者として登録しないといけませんね。でもすぐ済みますよ」
「わかりました。いってきます」
「いってらっしゃい!」
なんだか新婚夫婦みたいだ。て変なことは考えずに。ギルドへ直進直進。
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