ステ振りの時間①
そこは草木生い茂る森だった
ここが僕のいた世界とは別の世界なのか...あんまり変わらないな。
まあ町や村がもしあるとしたら、そこは別世界観のする所だろうな。
「ごめーん。忘れ物してた」
「どわっ!」
目の前にまた突然神様が現れた。
「急になんですか。まさか異世界に送り込んでおいて『上からの許可勘違いだったみたい。てへぺろ♡』とか言わないでしょうね」
「言わない言わない。この世界での君のステータスについて教えるのを忘れていたんだ」
ステータス?RPGとかにあるキャラの情報だっけ。
「この世界では君の元いた世界と違ってステータスというものがあるんだ。生きているものすべてに存在して、自分自身のステータスは確認することが出来る。意識すれば目の前に情報が浮かんでくるよ。確認してごらん」
言われるがままにゲームで見かけるステータスの絵を想像する。
ふむふむ、僕のステータスはオール1か...RGPみたいに冒険で育てるのかな。
「それで君に私から些細な贈り物として、ポイントをあげようと思ってね」
「そんな簡単にあげちゃっていいですか?」
「これは使用していい神の特権だからね!」
なぜか自慢げだけど...でももらえるものはもらっておきたい。転生先でモンスターと出会って即死なんて洒落にならないし。
「この世界にもモンスター的な存在っているんですか?」
「うん。君の世界の娯楽、RPGと似た世界だよ。冒険者やギルド、魔法やモンスターといった存在がある。存分に楽しめると思うよ。で、本題のステータス割り振りだけど希望はあるかい?」
「希望...幸運値最大とかできます?」
「出来るけどまだまだ割り振れるよ?」
「ええー!そんなに善行を積んだ覚えはないですよ!」
「これは私のおせっかいだから気にしないでくれ」
神様は笑いながら空中なにか文字を描いているみたいだ。
「では俊敏性...すばやさと視力を上げてください」
「身体的強化ね...完了だ。次は?」
「ええと、言語理解・読解力を」
「それはここに転生した際に自動的に身についてるよ」
...ありがたいオプション付きだ。
「あとどのくらい割り振れます?」
「スキル20個を最大に出来るくらいかな」
「多い!おせっかいにしても過ぎるものがあるよ!...もしかして僕の存在消滅という不始末を帳消しにしようとしてません?」
「まっさか~機嫌をとってなかったことにしようだなんて、微塵も考えてないよ」
あからさまに震えた声で神様は本心を漏らす。
「...はぁ...別に上の人に報告なんてしませんよ。転生させてくれたしむしろ感謝したいくらいです。」
「いやぁ~ほんとにすまないと思ってるよ。だからこそ君には充実した異世界ライフを満喫して欲しくてね」
「神様だから悪気とかないでしょうし、許しますよ」
「君、私のこと神の中で下のほうだと思ってない?」
少なからずそう思ってます。
「ではこの世界に存在する全ての属性に対する耐性を上げてください」
「了解。先に説明しておくべきだったけど、属性は全部で7種類ある。火・水・雷・闇・光・風の5種類の魔法属性。切断、打撃の4つの物理属性。君のステータスはどれも最大にしておいた」
始める前からステータス最大なんてゲームならつまらないけど、この世界で平穏に平和に生きていけるなら願ってもない。