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後始末。この世界の宗教を添えて





 何度も言うようだけど、この世界の宗教は『地球』とは違い一切の権力を持たない。

 だからか宗教国家も存在しないし、少人数からなる所謂ご当地宗教? も各地に存在している。

 一番大きな宗教は創造神である光と闇の双子女神とその眷属神である火、風、水、土の四神を奉るモノである。

 過去の史料を調べても宗教戦争が起こった事は無く、少数で構成される宗教同士が小競り合いをした程度の記録しか残っていない。

 と、言うよりも一番大きな宗教である光闇教が他の宗教にも寛容であるために宗教戦争が起こりにくいとのもあると思う。

 王国は光闇教だが帝国は水神教だし、主にドワーフが中心になって形成されている国の宗教は火神教が主である。

 だからと言ってお互い他国に自国の宗教を強要したりはしないし、過去の史料にもそういった記載はない。

 そういう意味では『地球』よりも平和と言えるかもしれない。

 『地球』での宗教戦争によって引き起こされた血腥い歴史を知っている身としては宗教戦争が起こらない事に安堵と共に少し違和感があったりもするんだけどね。

 ともかく王国は光闇教を主教としているが、それは王都郊外に光の神殿と闇の神殿がある事も理由ではないかと私は思っている。

 

 光の神殿と闇の神殿は王国……下手をすればこの大陸にとって最古の建築物である。


 王都を挟んで両端に存在する二つの神殿が何時、誰によって建てられかを知る存在はいない。

 魔法ならば建造する事は可能だが、現在の魔法でさえ建物自体を造り出す事は出来ても、中の魔法陣を含めた様々な魔道具及び刻まれた魔法を創り出す事は出来ないと言われている。

 遥か昔の魔法は現在よりも強力だったと言われているが、刻まれた魔法や魔道具は本来劣化するものである。

 だと言うのに、神殿に掛けられた護りの魔法を見る限り劣化はしておらず未だに何の問題も無く発動しているらしいのだ。

 かなりの年数が経っているそれらを今に至るまでまで現存させておくことが本当に可能だろうか?

 つまり神殿とは研究者達にとっては綺麗な状態で現存する研究史料であるが、解明する事の出来ない未知のモノでもあると言う。

 所謂研究者泣かせな建物なのであるという事だ。

 過去戦火に巻き込まれても一切傷が付かなかったやら中に侵入する事が出来なかったと言えば、その魔法の凄まじさが分かるのではないかと思う。


 そんなある意味で謎だらけの光の神殿の前に私達は今居たりする。


 王国にとって光の神殿と闇の神殿は特別な場所である。

 この世界には12月の他にそれぞれ六神の力がとても強くなる月が存在する。

 つまり一年は「12+6=18」になる。――初めて聞いた時は「一年が長くない!?」と内心で突っ込んだのは良い思い出です。

 それぞれの神々の御力が強くなる月を【神護りの月】と称し民間ではお祭りを行い年間行事として祭事や神事を行う。

 特に【神の日】と呼ばれる日は神殿も最奥まで公開し、日中に参り、夜には祈りを捧げる日とされている。

 ちなみにひと月はきっちり30日である。

 そういった理由で王国人にとって二つの神殿は馴染みの深い建物であり、身近な建物であるのだ。


 そういえば帝国にある水の神殿は海中に沈んでいたわけだけど、神護りの月は一体どうしているのだろう? 案外皇都の中心にあった祠とかが代わりになってたのかな? それとも神殿が一応存在していたとか?


 帝国に行った時はそういった宗教に関してはノータッチだったから分からないけど、こんな事なら調べておいても面白かったかもしれない。

 そういった所に国の違いが出るかもしれないしね。

 当時はそこまで心の余裕も興味も無かったから思いつきもしなかったけど。

 そういえば、海中に存在していた水の神殿の造りは二つの神殿に似ていた気がする。

 あれだけの建造物を海中に留めておける。

 更に風化を防ぐ魔法陣とかも仕込まれてそうだし、きっと光や闇の神殿と同じ時期に建てられたのだろうと思う。

 水の神殿に聖獣様がおわした事を考えるとこの時期に建造された神殿は聖獣様にとっての神域なのかもしれない。

 

 その割には光の聖獣様にも闇の聖獣様にもお逢いした記述が殆どないけどねぇ。


 気難しい性質だというだけかもしれないけど。

 後、思ったけど、この調子だと他の眷属神の神殿も存在してそう。

 

 『ゲーム』にそんな描写あったっけ? うーん。思い出せないけど、聖獣様に会わないといけないイベントあったはずだから神殿もあった……はず。


 記憶も薄れている事もあるけど、なにより興味が無かったからもうはっきりと思い出せない。

 まぁ必要ならば史料ぐらい残っているだろう……多分。


 つらつらとそんな事を考えつつ光の神殿を見上げる。

 光の神殿を前にして一言いうならば「何度見ても眩しいくらい白いなぁ」である。

 不謹慎という事無かれ。

 光の神殿は本当に光輝く程白一色なのだ。

 水の神殿も白かったけど、まぁ彼方は所々青色に染まっていたし、水中だから光が反射して目に痛い事も無かった。

 けど光の神殿は本当に真っ白なのだ。

 一点の曇り無く「白!」と主張してくる。

 ある意味異常な程真っ白である。

 信徒の方々が日々清めてるとは思うけど、流石に毎日天井などは清められないだろう。

 だと言うのに、天井まで汚れ一つ存在しない。

 これはもうそういった魔法陣が組み込まれているとしか思えない。

 じゃあ闇の神殿はどうなんだ? と疑問に感じると思う。

 答えは「闇の神殿は黒一色」です。

 本当に彼方は真っ黒も良い処です。

 夜になったら灯りを灯さない限り見えなくなるぐらい真っ黒です。

 闇の神殿も汚れ一つないけどね。

 そんな色彩的に真逆な二つの神殿だけど、造りは全く一緒だったりする。

 水の神殿は同じ時期に同じ製作者が建造したと分かる造りでよくよく見ると類似性が見られるって感じ。

 けど光と闇の神殿に関しては一切合切が同じなのだ。

 色彩さえ逆だからいいけど、これで似たような色彩だったらどっちがどっちか分からなくなると思う。

 それぐらい二つの神殿は造りなのである。

 多分同一の造りである理由は創造神である光闇の神々が双子の女神だからじゃないかと思う。

 個人的にはだからと言って神殿まで同じ造形にしなくても良いと思うんだけどね。


 光の神殿には陽の光が降り注ぎ、反射している。

 目に眩しい程の光の癖に柔らかく降り注ぎ私達を焼く事無く温めるのだから訳が分からない。

 これも仕込まれた魔法陣の作用なのか、それとも私達の神殿に対する感じ方なのか。

 この世界は神々が身近な分、神々の存在を基本的には信じているし、神殿に対しても一定の敬意を称している。

 少なくとも神殿を壊そうとする暴挙に出る人間なんて早々いない。

 宗教に権威は無くとも、神々は常に私達を見守って下さっているという教えは広く知られているためではないかと思う。

 序でに言えば魔法という神々に与えられしモノや【愛し子】や【恵み子】という存在がいるためか、この世界で神を信じない存在はいない。

 あ、居るかもしれないけど、それを表に出す馬鹿はいない。

 『地球の記憶』を持つ私達だってこの世界の神の存在を否定しない。

 好き嫌いは別として、この世界にとって神とはとても近しい存在なのだ。

 その使徒である聖獣様方達が崇められ、決して手出し出来ない高位の存在となっているように。


 そう。だからこそあのサイコな狂人のような存在は本当に珍しい。転生したけど記憶が無いだけなのかと疑ったぐらいだし。


 実際はこの世界産で頭が可笑しいだけなんだと思うけど。

 例のサイコの存在が頭を過り私は溜息をつく。

 私達がこうして光の神殿にいるのもあの狂人の後始末のためなのだ。

 事件が一応の解決を見せたと言うのに存在を主張してくる狂人に何とも言えない気分になる。

 さっさと片付けば存在ごと忘れる事ができると言うのに。

 私は手元にある魔石を周囲に気づかれないように睨みつけた。

 この複数の魔石は共犯者? の青年が診療所の患者などから奪った光属性を帯びた魔力が宿っている。

 塵も積もれば山となる、と言えば良いのか。

 一人一人から奪った量は少ないながらも集めればかなりの魔力量になる。

 しかも、無造作に魔力が込められているために、解放すると何が起こるか分からない。

 辺り一帯で暫く夜がやってこない……なんて仰天な事が起こりかねないのだ。

 此処までくると害しかない。

 光属性を得意とする人達がちまちま使う事も出来なくはないと思うけど、安全量になるまでどれだけかかるか分からない。

 なら元々の人達に返せば? と思うのだが、膨大過ぎるし、この雑多な魔力から自分の魔力だけを抜き出すのは至難の業だ。

 結局、回数を分けて大量に使うしかないのだ。

 と、言う理由で私達はこの魔石を光の神殿に寄付する事にした。

 神殿自体は多分自然から魔力を補給していると思うけど、その神殿で生活している神官の人達は魔道具を使っているし、最奥にある祭壇に供える事で神殿の魔法陣へ供給される……らしい。

 詳しい事は知らない。

 機密な訳じゃないけど、私は特に興味がわかなかったから聞いてない。

 

 それにしても、魔力の込め方こそ雑だけど、少量の魔力を奪い取ったり、あの黒い空間を構築したり……あのサイコよりもよっぽど優秀だと思うんだけど。


 共犯者? の青年の多彩さに私は眉を顰める。

 【呪術】の才を持っていた事は知っている。

 けど、もしかしたら魔術の才能もあったのではないだろうか?

 しかも領地持ちの貴族であり、問題無く領地経営もしていたみたいだし。

 あの口が巧いだけで、特に突出した才能が見えなかったサイコ青年よりも余程有能だったのでは? と思うのだ。

 

 いやまぁ、才能だけで友人関係を結ぶわけじゃないけどさぁ。


 何とも読めない関係だなと思ってしまう。

 まぁそれを言うとあの元隊長さんも含めて妙な関係だった訳だけどね。

 と色々考えてはみたが、実の所其処までかの青年に興味がある訳でもない。

 どんな経緯だとしても結局敵として対峙した。

 その事実だけあれば私には充分なのである。

 ただ、【呪い】を視る事しか出来ない私には羨ましい才能を持っていたんですね、と思うだけで。

 あの時の機械音は私が新しい能力を習得した音だった。

 習得したのは【呪術眼】と言って呪術師は皆習得している能力らしい。

 どうも【精霊眼】の派生であり特化型らしいが、修練を積む事で【呪術】を視ただけで内容を看破出来るようになるらしい。

 ただし【呪術眼】を持っていても呪術師にはなれない。

 【呪術】の才能も必要とするらしい。

 私はあくまで“視る”事が出来るだけで【解呪】は出来ない。

 前のように力づくで吹き飛ばす事は可能だが、それで解決する事象ばかりではない。

 何方が欠けていても【呪術師】になる事は出来ないのだ。


 どーも、私は【魔眼】は習得できるみたいだけど、それだけみたいなんだよねぇ。


 視覚特化と言えばよいのか、私は【魔眼】を含めた視覚による能力は習得しやすいのではないかとお母様に言われた。

 なんだかなぁと思う。

 それすらも習得に苦労する人達には決して言えないが、正直“視る”だけというのは微妙だと思う。

 何方かと言えば策を弄するより力で押し通りたい私には勿体ない体質である。

 いや、錬金術師としてはもっと知的にいかなければいけないのかもしれないけど。


「<そういえば、この魔石ってお父様ならどうにかできたんじゃ?>」

「<いきなりなんだよ>」


 おっと、思わず【念話】を使って独り言が漏れた。


「<あ、ごめん。いや錬金術師ならこの魔石に何かしらの使い道を見出せるんじゃないかなぁと思っただけ>」

「<え。んなこと出来るのか?>」

「<出来そうな気はするんだけど。けどまぁこれだけの魔力だし、個人的に所有すると角が立つとかって理由もあるのかな?>」


 今回私が元凶であると言う声が無かった訳では無い。

 大抵お父様の政敵、または殿下達と交流を持つ私が気に食わない連中の戯言だけど。

 そもそも私が謁見したのでさえ、そこに私の意志は欠片も含まれていないのだ。

 だってのに、それが原因とか言われてもねぇ。

 あの時子供らしく失敗したら、それはそれで攻撃してくるくせにね。

 声も大きくはないし、誰もまとも取り合っていないからその内鎮火するだろう。

 完全に警戒を解くのは早いけど、問題ないとお父様も言っていた。


 うん。私に対する口さがない言葉の数々に暗黒の笑みを浮かべていたけど。自業自得だよね!


 私はあの時のお父様の笑顔を思い出して苦笑する。

 私達を愛して下さっているお父様だけど、その分敵には容赦がない。

 ま、お父様に全うな意見をぶつける事もせずに陰口やら足を引っ張る行動しか出来ないような小者なんだから仕方ないよね。

 私には一切関係ありません。

 恨むなら真正面からやり合わない自分の浅はかさを恨んで下さい。

 

「<雑多な魔力過ぎて面倒とかじゃねーのか?>」

「<んん? あー、それもあるかも>」


 確かにこれだけ雑多だと一律に均す工程が必要なるかも。

 それは確かに面倒だよね。

 お父様は錬金術師だけど宰相でもあるのだから。


「<結局、こうして後始末に翻弄されるのはどうしようもないって事か>」

「<ごしゅうしょーさま>」

「<少しは労わって下さい。一応誘拐被害者なんだからね?>」

「<その事で少しでも傷ついてんならともかく、全く気にしてねーヤツをどうやって慰めんだよ>」

「<むむ。確かに欠片も傷ついてはいないけどさぁ。色々後始末は面倒なんだよ?>」


 アズィンケインも戻ってきちゃったしさぁ。

 もう一つの後始末というか問題を思い出して私は小さくため息をつく。

 私はあの時その場で彼を解雇した。

 一応後でお父様にも了承を得たけど、特に文句を言われる事も無かった。

 越権行為と咎められるかなぁとはちょっと思ったんだけど、思ったよりも彼についての権利は私が持っていたらしい。

 と、いう訳でその後彼がどうなろうと私には関係無い……はずだったんだけどねぇ。

 何故か彼はもう一度ラーズシュタイン家に士官を願い出て来たのだ。

 流石に「は?」と思った。

 あれだけ言われてまだラーズシュタイン……しかも私に仕えたいとか「マゾですか?」と言う言葉が喉元まで出かかった。

 どーも、詳しく聞く限りノギアギーツさんに誘導されたっぽいんだけど、思い込みが激しいのか何なのか。

 言葉を尽くして断りを入れたのだけれど、諦めず、結局私が根負けした形で彼はもう一度ラーズシュタインに士官する事になってしまった。

 「今度何か問題を起こしたら即解雇」「一兵卒から仕切り直しで前のように場を設ける事はしない」「最終的に私付きを目指すらしいが、私からの信用はともかく信頼は一生得られないかもしれない事を承知の上での契約」などと幾つか、少しばかり脅しも含めて条件を付けたってのに、彼はそれを全部呑んだ。

 えぇ断りやすいように無茶ぶりしたつもりなんだけど、と言ってクロイツに突っ込まれたのは良い思い出なのだろうか?

 正直ノギアギーツさんが私の元へ彼を戻した理由は分からなくも無いのだ。

 今回の一件は聊か大きな事件へと発展してしまっている。

 その中であの男のかつての部下であった彼は渦中の人と言っても過言ではない。

 情報をどれほど持っているか――と、言っても然程情報を持ってない様に思うけど――不透明な上、事実は彼と接した事のある人間しか分からない。

 つまり彼を放逐すると後から面倒がやってくる可能性があるのだ。

 彼に見切りをつけて解雇した身としては、別にラーズシュタイン家に迷惑が掛からなければどうでも良い事ではあるのだが。

 今後厄介事に巻き込まれる可能性を鑑みれば、手元に置いておいた方が面倒は少ない……と言えなくもない。

 言えないのだけれど。

 幾ら何でも誘導して私に忠誠? を植え付けなくともいいと思うのだ。

 ノギアギーツさんにとっても想定外だったのか、それとも想定内なのか。

 何方にしろノギアギーツさんが曲者であるという事はもはや確定である。

 今後は気を付けなければいけないだろう。

 曲者の相手は面倒なのでゴメンです。

 どうしてこう、曲者というのは何処にでもいるのだろうか?


 ちなみに彼は今の所真面目である。

 流石近衛騎士まで登りつめたというべきか。

 このまま精進すれば本当に私付きになってしまうかもしれない。

 いや、何で?

 このままだと私が信頼していないのに私の側付きになる人ばかりになってしまう気がする。

 まぁルビーン達と彼では信頼しない方向性が違うけど。

 ああ、このままだと私の癒しがリアだけになってしまう。

 これって結構由々しき事態では?


「<もう癒しと信頼はリアに求めて、残りは仕事と割り切るしかないのかなぁ>」

「<それ、言ってて虚しくねぇーか?>」

「<うっさい。あ、癒しはクロイツもかな? という事で家帰ったらモフるから>」

「<……はぁ?! なんでそーなんだよ!>」

「<広義的に言えばクロイツも私付きでしょうが。今の状態だと側仕えで信頼できるのがリアとアンタだけなんだけど? このままだと私可哀想すぎない?>」

「<オマエの基準が厳しいのが問題なんじゃねーか。いや、犬っコロが側仕えであのモトキシサマが候補ってのには同情するけどよ>」


 だよねぇ。

 私の性格の問題もあると思うよ?

 私が懐に入れるまでには高い壁があるのは事実ですし?

 線引きがシビアだからこそ、信頼できる側仕えがいないのも事実だ。

 けどね?

 ルビーン達は元々私を殺そうとした暗殺者だし、彼は思いこみで暴走して、挙句あの発言でしょ?

 そんな側仕えや候補しかいない私も大分運が無いと思うの。

 

「<何処かに有能な女性騎士いないかなぁ>」

「<ソイツをオマエが信頼するかは別の話だけどな>」

「<うぅ。自分の性格が今だけは恨めしい>」


 もう仕事は仕事と割り切るべきだろう。

 今までそうしてきたわけだし。

 それでも問題無かったわけだし。

 ただ現状を振り返ると切なくなるだけで。

 悔やんでも悩んでも現状が変わる事はないけれど。


「<うん。仕方ないよね。割り切ろう>」

「<そこでさっさと切り替えられるのも大概だと思うけどなー>」

「<これは良い所って事にしておこう>」


 私は呆れるクロイツに内心苦笑すると、再び目の前の光の神殿に眼をやる。

 取り敢えず今は目の前の問題は解決しよう。

 そうすれば、少しは平穏が戻ってくるだろうから。




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