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最後には意志の強い方が勝つのかもしれませんね(4)




 部屋は不自然な程に薄暗く、空気が濁っているのかと疑いたくなるような有様でした。

 入った途端感じた気配に僕は顔を顰める。

 僅かな血臭。

 途切れそうな呼吸音と小さな呻き声。

 率直に言って「死臭」ともいえるものが漂う空間にテルミーミアス達が殿下達と令息を僕の後ろに下がらせ、見ない様に前に立ちはだかりました。

 僕も更に三人を後ろへと誘導し、改めて部屋を見回す。

 薄暗いからはっきりとは分かりませんが、敵ではなさそうです。

 むしろ人質が閉じ込められている部屋と言った方が良いのではないかと思った程です。

 そんな異様な部屋に彼は立っていました。


「おや。案外遅かったですね」


 部屋の雰囲気に不釣り合いな穏やかでいて白々しい声が部屋に木霊しました。

 こたびの主犯であろう青年――ヴァーズィン――の声に誰もが声の聞こえる方に剣先を向ける。

 そんな僕達の仕草に気づいているのでしょうか?

 ヴァーズィンはクスクスと笑い声を上げながらも部屋に灯りを付けました。

 瞬間見えてしまった光景に僕でさえ舌打ちするのを止められませんでした。

 部屋の中には凄惨な光景が広がっていました。

 床には小さな子供が倒れています。

 誰もが傷だらけで、衰弱している様子が見て取れるのです。

 血臭と呻き声の主はこの子供達だと理解し、怒りが沸きあがるのを、どうして止めることができましょうか。

 だと言うのに、青年は終始変わらず笑みを浮かべているのですから、彼だけが部屋の中で異物としか思えません。

 中央には魔法陣。

 更にこちら側の怒りを煽る光景が目の前に広がっているのです。

 奥にあるこの部屋に不釣り合いな豪華な椅子。

 そこに誘拐された令嬢が座っていたのです。

 

「ダーリエ!」「「主!!」」


 令息と獣人達が声をかけますが令嬢の目は開きませんでした。

 しっかり座っている所、生きているとは思いますが、床に放置されている子供達を見る限り無傷だと言えるか、どうか……。


「あまりに遅いので神子を救う気がないのかと思ってしまいました」


 ヴァーズィンの言葉は腹立たしい限りですが、そう揶揄われても仕方ない部分もあると冷静な部分が言ってします。

 確かに僕等は時間を取りました。

 きっと、青年の戯言に耳を傾けることなく尋問でも拷問でもしてさっさと聞き出せば良かったのです。

 ここまで時間がかかったのは、こちらの落ち度でしかありません。

 だからだと思いますがあの獣人ですら反論することなく、ただ低く唸り声を上げるだけでした。

 ヴァーズィンは令嬢が腰かけている椅子の横に立っています。

 まるで令嬢の従者のように。

 

「ああ。もしかしてツヴァイドに足止めされましたか? 彼も少しは役に立つのですね」

「友人ではなかったのか?」

「友人? そうですね。嘗ては生涯の友と思っておりました。けれど、彼は神子をあまり快く思っていませんので。……それでも足止め程度には役に立つのですね」


 場違いな程穏やかに微笑みすら浮かべて話すヴァーズィンに眉を顰める。

 僕はあの青年に興味を失いました。

 彼は一番簡単な方に逃げることを良しとしながら、それを認めませんでした。

 ある意味普通の人なのでしょう。

 普通の愚かな人間でしかなかった。

 だから僕はもはや青年に欠片の興味もありません。

 とは言え、彼がヴァーズィンを友と思い、自分が止められなかった罪悪感を抱いていたことも嘘ではなかったのだと思います。

 それがこんな破滅への道の共をした理由の一つであることも事実なのでしょう。

 ですが、どうやらそんな彼の思いは完全に一方通行だったようです。

 ヴァーズィンは彼を駒とすら思っていないのだと今の言葉で分かりました。

 僕だけではありません。

 こちら側は全員が理解してしまったが故に、それ以上青年について問いかけることはせず、別のことを問いかけました。


「神子とはキースダーリエ様のことか?」

「ええ! ええ! そうですとも!」


 嘗ては生涯の友とすら言った存在を簡単に切り捨てたヴァーズィンは令嬢の事になると途端声に熱が灯りました。


「【闇の愛し子】にして、あれ程の高き矜持を持ち、場を支配する覇気。全てが私を魅了したのです。あの御姿を拝見した時、私は心の底まで震えました。あの言葉では言い尽くす事の出来ない感動を私は生涯忘れることはないでしょう」


 キースダーリエ様の髪を一掬いし口付ける姿は敬虔な信者のような、恋焦がれる乙女のような、複雑な目をしていました。

 

「ようやく神子様をお迎えにあがることが出来ました。これで有象無象で代用する日々も終わりを告げることが出来ます」


 汚いものを見るような蔑みの目で床に倒れている子供達を見下ろすヴァーズィンに、この教団が何故【闇の貴色持ち】を密かに集めていた理由が分かった気がします。


「さぁ、神子様。御目をお覚まし下さい」


 ヴァーズィンの言葉に呼応するようにキースダーリエ様がゆっくりと目を開きました。

 ですが、その眸には何も映ってはいませんでした。

 操られているもの特有の“無”の眸に内心舌打ちする。

 ですが僕はそれと同時にヴァーズィンが僅かに顔を顰めていたことが少しだけ引っかかりました。


 今、彼は全てがうまく行っているはずなのに。一体何が不満なのでしょうか?


 現時点では分かりません。

 分かりませんが、奪還対象が操られている以上、迂闊に動く事は出来ません。

 身柄を無事保護できたとしても暴れる可能性も、最悪自害される可能性もあるからです。

 それと共に、ヴァーズィンに婆によっては僕達も操られる可能性が出てきました。

 緊張がこちら側に広がっていきます。

 せめてヴァーズィンがどうやって人を操っているかを探る必要が出て来たのです。

 テルミーミアスが慎重に口を開きました。


「教団は既に城の騎士団が包囲している。診療所もだ。貴様に逃げ場など無い」

「ふふ。神子様を手に入れた以上、教団などいくらでも作ることは出来ます。役割を果たした施設など私達には必要はありません」

「未だに貴様を慕っている教徒がいるが?」

「それが何か? 彼等とて神子様を手に入れるための手駒でしかありません。それに彼等も神子様のために犠牲となったのならば喜びこそすれ、悲しむことも怒ることもないでしょう」


 本気で言っているわけではないのは確かです。

 だと言うのに、頭の隅で「そう思う人間は出てくるでしょう」とも思いました。

 そう思わせる何かをヴァーズィンは持っているようなのです。

 ヴァーズィンという青年はきっと人心掌握に長けていたのでしょう。

 彼は自身の一挙手一投足が人にどれだけ魅力的に見えるかを知っている。

 魅せる話し方と動きを知り、それを駆使し人心を掌握していったのでしょう。


 これならば一般人ならばあっさりと騙されますね。厄介なことです。


 目を引く美形とは言えませんが端正で穏和な顔立ちは人に不審感を与えづらい。

 その顔すら人心掌握には最適です。

 好青年と言える顔や穏やかな話し方に一体どれだけの人が騙されたのでしょうか。

 今、教徒達は騎士団の人達に説明を受けているはずですが、どれだけの人間が信じてくれるのでしょうか?

 そう考えてしまう程にはここの教徒達はヴァーズィンという青年に心酔しているのです。

 だと言うのに、その全てがキースダーリエ様を手に入れるために使い、切り捨てることを厭わない。

 いえ、元々持ってすらいないのでしょう。

 彼にとっては全ては令嬢を手に入れるために必要な道具でしかなかった。

 確かに、彼は狂人に違いありません。

 しかも至極厄介な類の。

 ヴァーズィンが喋る度に獣人達の纏う気配が重く苦しいものに変化していってします。

 同時に令息の纏う空気が段々冷え込んでいくのも感じます。

 このまま彼を喋らせていると三人がなりふり構わずヴァーズィンを攻撃しそうです。

 彼の生きの根を止めるのは罪を考えれば問題無いかもしれませんが、出来れば生きて捕縛したいところです。

 まだ解明されていないことばかりなのですから。

 全員がヴァーズィンに注目している中、僕は令嬢を観察していました。

 一体どういった方法で操られているのか、それが知りたいのです。

 勿論見ただけで分かるスキルなどを保有しているわけではないので見るだけ無駄かもしれませんが。

 けれど、そんな好奇心も孕んだ僕の行動は今回は良い方向に向かったようです。

 令嬢の眸に一瞬光が差し、瞬きをしたのを確認することが出来たのです。

 操られているには少しばかりおかしな行動に僕は気配を消し令息に近づきました。

 ヴァーズィンがテルミーミアスや殿下達に意識が向いていることを確認すると僕は令息に囁く。……「令嬢が僅かですが正気を取り戻しているかもしれません」と。

 驚いた令息が咄嗟に出そうな声をかみ殺したのは素晴らしい自制心だと思いました。

 獣人達ですら耳がこちらを向いたのです。

 当然と言えば当然かもしれません。

 これは活路となる可能性のある言葉だったのですから。

 表情は一切変わることなく、ですが僕を見上げた眸だけは驚愕と希望に煌いていました。

 ゆっくりと頷く僕に令息はヴァーズィンから令嬢へと意識を移行させました。

 そして僕の気のせいではないのだと分かる出来事が起きました。

 令息が令嬢を見るのと同時に令嬢もまた僅かだが行動にでたのです。

 ゆっくりと瞬きをし、僕達……いえ、令息を見たのです。

 完全に主導権は取り戻していないのかもしれません。

 ですが、目には光が宿り、そして腕が僅かな持ち上がったのも確認することが出来ました。

 その後、何故か令嬢はゆっくりと片足を持ち上げました。

 小さな音と共に足首を飾っている輪が見えます。

 その装飾品に傷が入っていることも分かりました。

 僕にはそれがどういうことが理解できません。

 ですが、令息達にはそれだけで充分だったのでしょう。

 明らかに安堵した表情になった令息達に魔道具か? とあたりを付ける。

 それを確認することは出来ませんが。


「それにしても魔力源までやってくるなんて、あの男も偶にはまともなことを言うのですね」

「魔力源が、なにを指しているかは分からないが……あの男とは貴様の護衛をしていた男のことか?」


 ヴァーズィンが令嬢から離れ両手を広げて数歩前に出てくる。

 その際左手に付けられた装いには不釣り合いな腕輪がやけに目に付きました。


「ええ。あの男は神子を疎み憎んでいた。本当に困った男でしたが、腕だけは立ちましたので。契約を交わしました。私は神子を得るまでは身を損なうわけにはいきませんでしたから」


 最後は始末できたので良いとしておきましょう、とあっさりと言うヴァーズィンにテルミーミアスが苛立ちを表す様に鼻を鳴らした。

 テルミーミアスにとってナルーディアスは決して許すことの出来る相手ではないはずです。

 それでもヴァーズィンの言いぐさには思う所があるのでしょう。


「ナルーディアスのことは良い。魔力源が必要とは、一体何をしでかすつもりだったんだ?」

「あの男はナルーディアスと言うのですね。初めて聞きました。彼の功績は後々書に残しておきましょう。――“その死をもって神子の偉大さを知らしめた”と」


 それは、きっとナルーディアスにとって最大の屈辱でしょうに。

 それをヴァーズィンは分かって言っているのでしょうか? ……いえ、分かってやっているのですね。

 証拠に笑みがいびつに歪んでいます。

 ヴァーズィンの令嬢に対する思いは“異常”の一言です。

 少しでも令嬢に負の感情を抱けば長年の友だとしても簡単に切り捨て、契約を交わした男を殺す。

 執着と盲信と崇拝がごちゃ混ぜになった、とてもじゃないが直視してはいけない感情の塊に成長してしまっているのでしょう。

 元々素養はあったのでしょうが、何とも物騒な方向に成長したものですね。


「ああ、魔力源は神子様の御力を知らしめるために必要なのですよ。そう、高濃度な光属性の魔力が」


 ヴァーズィンの視線はロアベーツィア殿下に向いていました。

 インテッセレーノが視線を遮りますが、見られたロアベーツィア殿下は嫌そうな顔で「人を人を思わぬ目だな。よく似ている」と吐き捨てた。

 ロアベーツィア殿下の反応を何故か楽し気に見た後、ヴァーズィンの御高説が再び始まりました。

 僕は右から左に聞き流しながらも再び令嬢へと目を向ける。

 すると令嬢が物凄く嫌そうな顔をしていたので吹き出す所でした。

 表情が出る程傀儡状態から抜け出したのは喜ばしいことなのですが、随分顔にでているものだなとも思ってしまいます。

 僅かな音に下を見ると足を飾る装飾品は傷が大きくなっていました。

 大丈夫なのでしょうか? と思い令息を見たのですが、平然としているところをみると大丈夫、と判断しても良いのでしょう。

 

 そういえば、いつの間にか僕はキースダーリエ様やアールホルン様が何をするのか見ているだけになってしまっていたけれど。お二人はまだ子供なんですよね。


 大人顔負けの姿ばかり見ていたが故に忘れていましたが、本来ならば、このような場面に出くわせば震え助けを待っていても誰も責めはしませんし、この場で泣きわめいても仕方ないと言われる年齢なのです。

 殿下達とは違い二人はまだ子供であることが許されているのですから余計に。

 だと言うのに、僕はいつの間にか子供二人が自力で抜け出すと疑わず、しかもそのために自分も二人に合わせて動こうとしています。

 引きずられていると言えば良いのでしょうか?

 少なくとも普通の子供ではないのですね、と改めて思いました。


 この場合、こちらとしては不甲斐なさと心強さを感じるばかりですが。


 これは後でテルミーミアスに怒られますね、と思いました。

 彼は理想の騎士の姿を持ち、そうなれるように日々過ごしています。

 更に言えば、キースダーリエ様に多大な恩を感じています。

 そんな彼に今、令嬢と令息が無茶をしようとしていて、それを僕は止めようとさえしていないと判明すれば、彼の怒りが僕に向くことでしょう。

 ここまで来てしまえば、止めようとしても無駄だと思いますが、そういって聞くような性格ではありませんしね。

 仕方ないので、お怒りは甘んじましょう。

 令嬢は何かを振り払うかのように瞬きを繰り返しています。

 流石にここまで動きがあれば他にも気づく人間が出て来てますね。

 獣人達も二人が何かをしようとしていることに気づいたのでしょう。

 静かにヴァーズィンの視界から消え、何時でも飛び出せる体勢を取っているようです。

 僕は暫く令嬢が何かと戦っているのを静かに見ていました。

 瞬きを繰り返し、表情を動かし、そして腕を動かす。

 まるで人形が意志を持ち、初めて自分の意志で動き出したかのような光景に思わず見入ってしまう。

 ある時、令嬢はぱっと手を上げたかと思うと、鮮やかに微笑みました。

 

 それは令嬢が主導権を完全に取り戻した証でした。


 令嬢の合図を受けて令息も小さく微笑むと自分の存在を表すかのように音を立ててテルミーミアスの前に立ちました。


「では僕に呪術を掛けた理由をお教えいただけますか?」


 突然前に出て来た護衛対象にテルミーミアスが固まってしまいますが、その隙を見逃すような令息ではありません。

 更に一歩出るとヴァーズィンと対峙しました。

 話を遮られ、少しばかり顔を顰めたヴァーズィンでしたが、すぐに出来の悪い子を見るような目で令息を見下ろします。


「特に貴方でなければいけない理由はありませんでした。ですが、そうですね。……神子様をお迎えする際、邪魔になりそうでしたので」

「ああ。それは当たっていますね。目的がダーリエだと分かっていたら、既に貴方方など潰していたでしょうから」


 輝くような笑みを浮かべて非道な事を言い出す令息にテルミーミアスとインテッセレーノが驚いていますよ?

 

 令嬢に比べれば大人しく感じますが令息も中々規格外なのですが、気づいてなかったのですね。


 僕は驚く二人に心の中で呟きました。


「ダーリエに害が及ぶことが分かっていて放置する程、僕たちは楽観的ではありません。貴方程度ならあっさり潰れたでしょうし」


 毒に塗れた言葉にヴァーズィンがはっきりと不快を表しています。

 ですが、それをすぐに治めると、今度ははっきりと蔑みの笑みを浮かべました。


「神子様をあっさりと攫われた子供が何を言おうとも意味が無いのでは? 神子様は私と共にいることを選んだのですから」


 ヴァーズィンは大きく手を広げ、笑みを浮かべた。

 その時、椅子に座っている令嬢の手が真っすぐヴァーズィンの左手に向けられました。

 ヴァーズィンの大きな声に紛れるように令嬢が何かを囁いている。

 同時に足の装飾品の罅が大きくなり、今にも崩れ落ちそうになっていた。


「もはや貴様等に出来ることなどない」


 獣人達が腰を落とした。

 アールホルン様が挑発するように笑みを浮かべる。

 その時、殿下達もキースダーリエ様が正気になられていることに気づきました。


「それも分からないのですが? では仕方ありませんね」


 ヴァーズィンの笑みが嗜虐的に歪む。

 装飾品が小さく音を立てて崩れ落ちるのが僕の目にはやけにゆっくりした動きに見えました。

 キースダーリエ様の口元が笑みを象る。

 同時に魔力が右手に集まっているのを感じた。


「貴様等には神子様の手で贄となってもらいましょう」

「そんな事絶対に致しませんわ」

「え?」


 後ろから突然かけられた声にヴァーズィンが振り向こうとした瞬間「【Wasser-ヴァッサァ-!】」と声と共に槍の様に鋭い水が腕輪を貫く。


「っ!?」


 痛みに蹲るヴァーズィンを飛び越えて赤と青の影が舞飛ぶ。

 ヴァーズィンを見下ろしていた意志強き光を宿したキースダーリエ様を軽々と持ち上げ奪還した赤の獣人はアールホルン様の横に彼女を下ろすと片割れと共に後ろにつく。

 まるでそこが定位置だと言うように。

 アールホルン様の横に立ったキースダーリエ様はこちらを向くと「ご迷惑をおかけいたしました」と言って軽く頭を下げました。

 それに対してあたふたするテルミーミアスを見て小さく吹き出し、殿下達からかけられた労りと謝罪に対して柔らかい笑みを浮かべ対応したキースダーリエ様は、その笑みを完全に消すと振り返り元凶であるヴァーズィンを見据えた。


「これで形勢逆転かしら? そろそろ観念の時のようよ?」


 口元を歪めて笑んだ姿にまるでこちらが悪役のようですね。――と思ったことは一番テルミーミアスに言えない秘密、ですかね?



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