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一つのモノに執着した女性の願い(3)





「……私もつくづく薄情な人間のようだ」

「殿下?」


 首だけで後ろを向くと殿下が自嘲の笑みを浮かべているのが見えた。


「母上の事を私は殆ど覚えていない。母上の死はあまりにも早かったからな。だから私にとって「母」の立場にいるのは王妃なんだ。継母だと言われたのは早い時期だったが、それでも表面上とは言え「母」はあの人なんだ」


 懺悔するように話し始めた殿下の自分を嘲るような表情に私は内心眉を顰める。

 殿下が自分を蔑ろにしてしまうのは環境のせいも多分にあるだろうから代替案も無いのにやめろというのも無責任だし、私が口を挟む事でもないだろうから言えないけど。

 自分を蔑みながら話すのは自分をも傷つけるあまり良い行動とは言えない。

 吐きだしたい気持ちがあるなら吐き出せばいい。

 けど自分に刃を立てながら話す様は殿下を大切に思っている人達をも傷つけるだろうに。

 その事に気づきながらも改めない殿下に「難儀な性格の人だな、この人も」と溜息を付きたくなった。


「今、私はそんな人に母上と間違えられて、私自身など王妃の中では欠片も存在していないと分かった訳だ。流石の私も寂しいと傷つくと思っていたんだけどね?」

「然程傷を負わなかったのならば幸いではありませんか?」

「然程どころか全く寂しくない上、私はこう思ったよ「ロアがこの事を知れば深く傷つく。その前に退場させる方法はないだろうか?」とね? どうやら私は自分には「母親」が存在しない。又は死んだ母上が私にとって唯一の「母」だと思っていたらしい」


 自嘲の笑みを浮かべ、小さく呟かれる声音には暗さが帯びているのに、何処かすっきりしたモノも感じる不思議な声色だった。

 前向きと言えば前向き、だけど何処か諦観を含まれた消極的な肯定のように思えて私は僅かに眉を顰める。

 そんなあまり褒められた態度ではない私に対しても殿下は苦笑するだけで特に咎める様子は見られなかった。


「自分の薄情さに思う所はあるけれど母上のことに関してはすっきりしているんだ。……母上を忘れて王妃を母と思う必要はないんだとようやく分かった。母上恋しさに王妃をないがしろにしていると思い込んでいた。だがそれが決して私だけの問題じゃなく私と王妃の問題だった、分かった。そんな簡単なことだけど、ようやくそれを実感したんだ。だから気分は悪くない」


 そう言い切った殿下の表情から嘘は見られない。

 私を言い包めるための方便という訳でもなさそうだった。

 言っている内容に対して同意する事も否定する事も私には出来ないけど、色々無茶な事を言われていたんだろうなぁと思わなくもない。

 王妃先導の教育って人をダメにする代物だと思う。

 無駄な知識を付けさせない事や自責の念を植え込む事に苦心していそうだ。

 殿下の母君であるカトゥークス妃殿下を目の仇にしていたならば余計に。

 そんな負の教育を断ち切れたのならば重々である、としか言いようがない。


 その引き金を引いたのも王妃自身と言うのは皮肉でしかないけど。


 ある意味で王妃は殿下が吹っ切れる切欠をつくりだした事になる。

 結果として自分の進退に関して強い影響を持つ人間を生み出したのだから、遠まわしに自分の首を絞めた事になる。

 まぁ言ってしまえば自業自得でしかないとしか思えないけど。


「あんな一面を持つ人間に王族はつとまらない。ならば速やかに表舞台から引いてもらうべきだ」

「そう簡単にはいかないのでは?」


 少なくとも王妃という事はそれなりの家格の実家がバックについていて仮令陛下がその気になったとしてもそう簡単には事は進まないはず。

 陛下自身も王妃をどう思っているか分からないし。

 私の疑問も殿下には伝わっているのか殿下は私の質問に対しても特に思う所はなさそうだった。


「この状況を見せれば早いのだけれどね。王族の私的区域が近いせいか、ここら一体は人通りがあまり多くは無い上、入口を守る騎士達に声が届くには遠すぎる」

「絶妙な位置でいらっしゃったものですわね」


 図ったかのような場所に王妃がわざわざ此処で何らかの事を成すつもりがあったのだと邪推してしまう。

 殿下が来たのは偶然だけど、そうではなくとも私はここら辺で王妃と対峙させられる運命にあったようだ。


「まったくだな。……むずかしいかもしれないが一度正気に戻って頂き、私達へのしゅうげき事件の件で正式な罰、という形にしてもらうしかないだろう。そのさいにあの女性の件も調べれば全てを明らかにする事も可能だと思うよ?」

「……そうなる事を祈っております。なれどこの状態からどうやってお戻り頂くつもりなんですか?」


 王妃が黒幕であると殿下が明言した事に驚きつつ私はチラっと王妃の方を見やる。

 王妃は未だにブツブツとカトゥークス妃やキルシュバリューテ様に対して何かの文句を言っている。

 時折「陛下」とも言っているから現代と過去がごちゃまぜになっている感じがするけど。


 正直私から声を掛けると不敬と言われかねない。

 基本的に下の者から上の者に声を掛ける事は良くは思われない。

 実際「恐れながら」とか「危急の件により歓談中失礼する」など付けないと罰せられる可能性も無きしもあらずだ。

 お互いの関係性や場所によるとはいえ、王妃相手に、しかも相手が毛嫌いしている存在を重ねている私が声を掛ければ「不敬だ!」と騒ぐ事必至だろう。

 キルシュバリューテ嬢は下級貴族だったようだしね。


 後、王妃と全く接点が無く噂でしか王妃の事を知らない私はこういう時王妃を強く揺り動かす言葉が分からない。

 打つ手の無い私は殿下にお任せする事しか出来ない。

 その事が少しだけ不安だった。

 自分の出来る事が無く、見ているだけという状況に置かれると私は不安に思うらしい。

 そんな事知りたくなかったなぁと思ってしまう。

 ……まぁ私が殿下を「守らないといけない相手」や「交流のある知人」程度にしか思っていないがための不安なような気もするけどね。

 

「王妃には今が何時なのか思い出していただくしかないと思っている。母上はもう亡くなり私は母上ではない。キースダーリエ嬢はキルシュバリューテ様と面識は無いんだろう?」

「はい。お名前もお聞きした事は御座いませんわ」

「ならば重ねられるだけ迷惑としか言いようが無いな。何が理由かは知らないが迷惑な話だな」


 殿下の疑問には流石に応えられない私は苦笑するだけに留める。

 殿下は自分が答えにくい事を言ったと分かって下さったのか答えを求めはしなかった。


「どうするか、だけど……正面突破しかないだろう」

「……一か八かになりますが?」

「仕方ないだろう、と言うしかないな」

「分かりました。全て殿下にお任せいたします」


 軽く頭を下げた私に殿下は笑みを浮かべると私の背を追い越し隣に並んだ。


「王妃」


 殿下の呼びかけに王妃は一瞬焦点があった気がしたけど、直ぐにまた亡羊とした眼差しに戻ってしまう。


「王妃」


 殿下が再び王妃に呼びかける。

 今度は聊かの変化も無い。

 それを認識した殿下は眉根を寄せてしかめっ面になる。


「リートアリス王妃殿下!!」


 恫喝とまではいかないが、殿下にしては大きな声に王妃がようやく此方を向いた。


「……かとぅークす? ヴぁいでぃーうす?」

「王妃殿下。私はヴァイディーウスでありカトゥークス母上ではありません。王妃としてのプライドがあるのならば過去では無く現在をお選び下さい」


 殿下、それはキツイ。

 王族なら正気に戻れって暗に言ってませんかね?

 いやまぁ殿下って王族としての矜持が高い人っぽいもんなぁ。

 ここら辺は教育が上手くいっていると言っていいモノやら、意見が割れる所じゃないかと思うけど。


 殿下の皮肉が通じたのか、違う理由からか王妃の眸に正気の光がチラつきだした。

 

「ヴァイディーウス? いえアレはカトゥークスのはずよ。だってキルシュバリューテが一緒に居るのですもの」

「王妃殿下。良くごらん下さい。その方とは外見からして違うはずです!」


 殿下の言葉に王妃の眸が「私」を捉えた。

 初めて真っすぐ王妃と“目が合った”気がした。

 驚愕に移り変わる王妃に私はキルシュバリューテ様が【闇の愛し子】ではない事を知った。


「違う。髪の色が違うわ。眸の色が違うわ。愛し子はカトゥークスの方でありキルシュバリューテは魔法の一つも碌に使えない落ちこぼれだった。決してあの娘は愛し子にはなり得なかったわ。けど、なら先程のそっくりな光景は一体何? カトゥークスに寄り添い笑いあうキルシュバリューテは一体何処に行ったの?」


 支離滅裂な王妃の言葉を聞く限り私と殿下の何かしらの言動にかの二人が被ったらしい。

 対した事はしていないけど、キルシュバリューテという方が魔法が不得手であり騎士の真似事をする程武芸に長けていたのならば軽い怪我など日常茶飯事だったんだろう。

 そんな怪我を心配しカトゥークス妃殿下が寄り添っていた、という事ならば重ねられても致し方ない、とは思えないんだけどねぇ。

 性別や年齢など様々な事を気にしなさすぎである。

 それらを些細な事扱いしてしまう程私とキルシュバリューテ様の雰囲気は似ていたのだろうか?


「(多分王妃は『異端』を見分ける感覚をお持ちなんだろう)」


 とは言え磨かなければある種勘が鋭いだけの只人である。

 実際それだけで重ねられた私は大迷惑である。

 

 もう分かっている。

 私に対する恨み辛みともとれる深い憎しみは正確には「私」が対象ではない。

 憎しみを抱いている夫婦の子供である私、【闇の愛し子】である私、キルシュバリューテ様の『同類』である私。

 全て「私」を通して違う誰かを憎んでいた。

 だからこそ私は王妃の憎しみに空虚なモノを感じた。

 最初から王妃は正気でありながら正気では無かったのだ。


 そこまで分かってしまえばもう未知のモノへの恐怖などは感じない。

 ただあるのは僅かながらの憐憫と大分部は理不尽への怒りである。

 

 私を見ていない存在などに恐怖を感じる必要などないのだ。


「母上は既に亡くなり、キルシュバリューテ様ももはや居ないのでしょう。他でもない貴女の手によって! その張本人が過去に逃げる事など断じて許される事ではありません!」


 殿下が毅然とした態度で王妃を弾劾する。

 声が大きい訳ではない。

 だが目を逸らす事を戸惑う気迫のような覇気を感じた。

 王妃が目を見開き表情が驚愕に歪む。


「王族として陛下の隣に立つ者として生きたいと願っていたのなら、そのプライドを忘れ夢に逃げ込むなど無様な姿をさらさないでいただきたい! 貴方はこのティルアマート王国の王妃なのですから!」


 誰に怯む事無く、相手を見据えて立つ殿下の姿に私は思わず目を細めてしまう。

 何故か私は殿下に陛下が重なった。

 纏う色彩や顔立ち、持ちうる性質すら違う。

 だけど王族としての矜持の上に立つ姿がこの国の頂に立つ「王」の姿を彷彿とさせたのだ。

 そしてそれは私だけでは無かったようだった。


 王妃の眸が限界まで見開かれる。

 驚愕、畏怖、疑心。

 見ている全てに驚き疑い恐怖する、感情の全てを詰め込んだような眸は、だけれど一つだけ、さっきまで色濃くへばりついていた「逃避」だけは消えているようだった。

 

「へい、か?」


 喘ぐように呟かれた名はやはり「陛下」だった。

 コートアストーネ様-カコ-ではなく陛下-ゲンザイ-の呼称に一時的にだが王妃が今この場に戻って来たという事を示していた。

 

「ヴァイディーウス? けれど確かに陛下が其処に……どうして? あれだけカトゥークスに似ているのに。どうして陛下のようだと思ってしまったの? あぁ。けれどヴァイディーウスも又陛下の血を引く者だわ。愛しい人の血を引く忌々しい女の息子。どうして? 今まで重ねた事なんて一度もないというのに。今更どうして? ――陛下の子だと思い出せなければ殺してしまえたのに」


 最後の言葉は慟哭のようだと思った。

 完全なる正気とは言いづらい。

 さっきまで正気でありながら正気では無かった姿を見ているから余計に。

 言葉は支離滅裂、言っている事に一貫性が無い。

 けど、けれど最後の方の王妃は年齢に見合わない程無垢な表情だと思った。


 王妃の視線が彷徨い私を定めると羨むような顔に変化する。


「あぁ精霊に愛されし証。魔力高く試練と引き換えに高い能力を得る事を可能とする世界に認められし者。王族に嫁ぐ事の出来る証を持つ者。何度その色彩に憧れたか。身分すら凌駕しあの人の隣に立つ事を許される愛し子。どうして? どうして私では無かったの? あの人を愛しているのに。あの人の愛だけで良かったのに。愛し子ではない私は結局同情すら与えられなかった」


 嘆く王妃の言葉は悲しみと恨み辛みに彩られた愛の言葉だった。

 世界を恨み、人を羨み、それでも陛下に捧げられた愛の言葉。

 怖いと思った。

 此処まで狂気に塗れる程一途に誰かを愛した事など無い私は王妃の“愛”が怖い。


「愛しています。貴方だけを。愛しています。私を見る目には一度も炎が灯る事はなかったけれど。貴方だけを愛していますの。貴方から向けられる強い感情なら何でも受け入れたのに。貴方は結局私を憎んですらくれなかった。お父様の言う事を聞く事しか出来ない私の唯一。愛していますの、陛下。私を見て下さいませ、コートアストーネ様」


 怖いくらいの熱情。

 恐ろしいくらいの執着心。

 壊れたレコーダーように「愛している」と愛の言葉を囁き続ける王妃。

 だと言うのに、言葉を重ねるごとに私達への憎しみを増幅していくのが見ていて分かった。

 ドロリと重苦しい緑の眸。

 無機質なガラスのような眸ではなく、一つの熱情に全てを燃やす狂女。


 それが人形の仮面をはぎ取った王妃の本性だった。


「愛していますわ。愛していますの。何処までも貴方だけを愛していますわ。――――だから私を愛して」


 近くにいた元侍女の悲鳴が聞こえて来た。

 自分を超える狂いっぷりに一時的に正気に戻っているのだろう。

 腰が抜けて動けない彼女に構っている暇は無い。

 

 王妃が私達を見る目に宿る憎しみは既に憎悪の域に達している。

 何時何かしらの行動に出てもおかしくない。

 正気のようでいて正気では無かった時でさえ何をするのか予想が付かなかった。

 今度は僅かな正気すら失っているのだから王妃としての矜持など何のストッパーにもならない。


「私は正気に戻り下さいと言ったはずなのですが?」


 殿下が一歩だけ前に出ると再び毅然とした態度で王妃を迎え撃つ。

 だけどあそこまでの狂気に触れた事は無いのだろう。

 顔色が少し悪いように見えた。

 殿下の呼びかけに王妃の表情がストンと消え、口を噤むと殿下を真っすぐを見据えた。

 静かな緊張が二人の間に横たわっている、と感じた。


「この国の王妃として相応しい姿でいたらいかがですか、リートアリス妃?」

「……もはやその事になんの意味があると言うのかしら? 私をその地位から落とそうとしているというのに」


 先程までの狂気が嘘のように理性的な物言いに変化した王妃。

 だけど眸に宿る絶望と憎悪は薄れていない。

 正気と狂気の狭間に居る姿はそれだけで気圧される程の威圧感を感じざるを得なかった。


「王妃として間違ったことをしていなければなんら問題はありませんでした。そうでなかったことが悔やまれるとおもいます」

「ふふ。あの人が振り向くためにした事はこの国に認められない事だった。なら致し方ありませんでしょう? けれど、そうですわね。後私に出来る事は殆どありませんわね」


 笑い声すら混じっているのに何処か底冷えする声に私の警戒心は一層高まるだけだった。


「ふふ。ですがもう繕う事も必要ありませんのね。だから――私がこんな行動に出ても問題ないという事ですわ」


 王妃の言葉が遠くに聞こえる。

 言葉を終えるのとほぼ同時に殿下に飛び掛かっていく王妃の姿に私は反射的に体が動き、殿下と王妃の直線上に体をねじり込むと振り被ってくる何かをナイフで受け止めた。

 甲高い音の発生源に視線を向けると扇がナイフとぶつかり合いギリギリと嫌な音を立てていた。

 ナイフと扇越しに王妃と目が合う。

 「貴女でもかまいませんわ。あの人と言葉を交わす最後の機会が得られるならば」と小さく呟くと腕に掛かる負担が倍増した。

 扇なのに切れない所を見ると鉄板でも仕込んでいるのか、魔法でもかかっているのか。

 ナイフは切り結ぶのに向いているとは言い切れない。

 ただでさえこんな小さな体で力が弱いとは言え成人女性の力を捌ききれるかは少しばかり自信がなかった。

 相手のリミッターが外れているのならなおの事。


 普通の扇ではない以上、此処で力負けしてしまえば最悪私の頭がかち割られてしまうだろう。

 自暴自棄にも似た荒んだ雰囲気を纏った「王妃」という地位に執着の無い彼女ならばその程度はしてしまう、という不安が拭えなかった。


「――――」


 腕に込められた力は増していくのに、王妃の目は私を見ず、意識は何処か違う所に飛んでいた。

 これだけ至近距離にいるのに王妃が何を言っているか聞こえない。

 けど、もしかしたら、王妃は陛下に対して何かを言っていたのかもしれない。――だって憎しみの中に羨望と何処か甘やかな感情が見えたから。


 静かな攻防戦が終わるのも一瞬であった。


「其処までです、王妃殿下!!」


 私の後ろから鋭い制止の言葉が掛かった途端、この時王妃の表情を見たのは多分私だけだろう。

 今までの憎しみすらも掻き消え、何処か諦観を滲ませた疲れた笑み。

 まるで全てが燃え尽きてしまったかのような笑みに私は息を呑んだ。

 一瞬の隙だった。

 けどそれは王妃が私を突き飛ばすには充分の時間だった。


 突き飛ばされ尻もちをついた私が顔を上げた時には既に先程までの王妃の笑みは消えていて、だからこそ私はアレが王妃にとって本音である事に気づいてしまう。

 

 陛下を愛し、陛下に愛される事を願い狂った女性の最後の願いはきっと……――


「(――……陛下と直接対峙し陛下に罪を裁かれる事)」


 憎しみでも何でも良いから陛下から「関心」が欲しかった。

 ネジくれ曲がり、踏み込んではならない一線を越えてしまった彼女が行きついた“願い”

 それは私には到底理解出来ない、狂った彼女にとっての「愛」だったのかもしれない。




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