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ドラゴン  作者: タルミ
7/8

ドラゴン外伝

感想などあればください。

坂口を打ち取ってベンチにもどった龍応ナインは騒いでいた。

「なんだよあの遅い球はよ太郎先輩。」とタイチ


「あれは超スローボールだ。球速は40キロのな。」とルリ

「マジかよそんな遅いのかよ。ある意味魔球だな。うーん超スローボールって名前は格好よくないなぁ。そうだ!"鈍亀ボール"って名前はどうだ?」とタイチ。


「なんで"鈍亀ボール"なんだタイチ?」とイチル

「太郎先輩はいつも亀みたいに遅いボール投げるから、それがもっと遅くなって、鈍足な亀並みの遅いボールだから"鈍亀ボール"だ。」


そりゃあいいなと全員が笑って話している中一人浮かない顔をしている男がいた。


その男は山田次郎"鈍亀ボール"を投げた張本人である。

(鈍亀かそういわれると昔を思い出すな。)と山田は昔のことを思い出していた。


ここからは山田次郎の過去の話しになります。


〜〜ドラゴン外伝〜〜

亀と言われた男山田次郎ものがたり

これは山田が中学生のころの話しになります。


ここは長野松方中学校(まつかたちゅうがくこう)

通称松中

この学校は中高一貫となった学校で野球部などの部活も強い。


そのグランドで今練習試合が行われている中一人だけ不機嫌な顔をしている。この男の名は、山田次郎。松中野球部のお荷物的存在で、部員から亀と呼ばれている。なぜ亀と言われているかと言うと、中三にもなって、ストレートのMAX90キロとめちゃくちゃ遅いので、まるで亀だなと言われ、それ以来野球部全員に亀と言われている。


(なんで俺だけ練習試合に出れないんだ。今日はダブルヘッダーだから全員出れるはずだろ)


「か、監

「監督なんで山田君を出さないんですか?」とマネージャーである高田美和(たかだ みわ)が言った。

「フン、そんな球の遅い奴を出して何になる。打たれて名門松方中学校の名に傷がつく。」と監督は言った。


「なんでそんな風に次郎のことを言うんですか?ひどす

「いいよ。美和」と山田は言った。そして監督に

「体調が悪いので帰ります」と言って足早に帰っていった。


場所は移り山田の家

(やっぱり、もう野球部辞めようかな、俺の中学三年間は、何だったんだ。1日も休まず部活には出たし、家でも的を自分で作って練習してきた。どんなに努力しても誰も俺を認めてくれなかった。よし明日にでも監督に話して野球部辞めよう。)と心に決めた。すると、部屋のドアがノックされた。

「入るよ次郎」と言って、美和が入ってきた。そう俺と高田美和は、家が隣の幼なじみだ。学校ではあまり馴れ馴れしくしていない。だから学校では高田と呼んでいる。

「なんだよ?美和」


「なんだよじゃないわよ。なんで途中で帰ったりしたの。試合でれたかもしれないのに?」と怒っていた。


「でれねぇよ監督に嫌われてんだ。それにもういんだ。野球部辞めるから。」


「本気なの。本気で辞めようって思ってるの?」

「当たり前だ。三年間頑張ったけど、誰も俺のことなんか見ちゃいねぇし、俺には才能もない。だからもう辞める。」


「私、次郎が頑張ってる所見てきたよ。部活が終わっても残って練習してたし、家でも練習してた。なのになんで、辞めるとか言うの。辞めないでよ次郎。大好き何でしょ野球」と言い終えた美和は泣いていた。


「な、泣くなよ美和。それに野球部辞めるだけだから。野球は高校でもやり続ける」


「えっそうなの。な〜んだ次郎大好きな野球辞めるのかと思った。泣いて損した気分よ。でも高校って言っても、松中はエスカレーターだから、松方高校でやるの?」


「いや東京に母さんのいとこがいてな、その近くに龍応高校って学校があるから、そこに行こうと思ってる。」


「えっ、東京の学校に行くのなんでどうして?長野の松高じゃない所に行けばいいじゃない。」


「違うんだよ。ここにいたら俺は強くなれないと思うだ。だから松高でもなく長野の高校でもない東京に行って俺は強くなるんだ。」


「わかったわよ。勝手に行けばいいじゃない。東京に。もう知らないわよ。」


「なに怒ってんだよ?もしかして、俺と離れるのが寂しいのかよ」


「なっ、なに言ってんのよ。さっ、寂しいなんて思わないわよ。バカじゃないの。」


「俺は寂しいよ。美和と離れるの。」


「なっ、なに言って

「冗談だよ。冗談。うるせー幼なじみと離れるぐらい寂しくねぇよ」


「このバカー」と赤面して美和は出て行った。


それから俺は野球部を辞め、卒業式を終え、東京に行く日がやって来た。東京に行く新幹線に乗るため駅にいた。見送りは家族と美和だけだった。

「頑張ってきなさいよ次郎。メールぐらいしてよね。」と美和。

「わかったよ。メールするよ。じゃ行ってくるよ。」


「じゃあね次郎、元気でね」と言う美和は泣いていた。


「美和も元気でな。じゃ。」と言って次郎は東京に旅立って行った。


(あれから二年がたった。そして今、俺はクソ生意気な一年生キャッチャールリと練習試合前の最後の練習をしている。)


「やっと完成したな。超スローボール。これで明日は完璧に勝てる。」とルリ。


「おい、本当に勝てるのか?こんなボールで?俺は中学の時一回も試合でてないから不安なんだよ。」


「愚問だな、俺がリードするんだ負けるわけないだろう。だからお前も自信を持って投げろ。お前はいいピッチャーだ。それにたかが練習試合で、緊張していたら、甲子園にいった時、どうするんだお前は?」


「甲子園って、また大きくでたな。本気かよ。」

「ふん、また愚問なことを言うなお前は。俺がいる、スザクもリクもイチルもいる。それにタイチとその他もな。このメンツで甲子園に行けないほうがおかしいだろ。そしてお前を俺が甲子園で勝たせてやるよ。それで、お前を日本一のピッチャーにしてやる。」


(こいつなんて夢みたいなことを言ってるんだ。俺が甲子園で勝つ。日本一のピッチャーになる。そんなことは有り得ないと思う。けどコイツが言うと、なんか信じられる。信じてみるか、この生意気な相棒を、そしてチームメイトを)


「しゃー明日は勝とうぜ黒崎!」


「なんだいきなりやる気をだしてるんだ?」


「甲子園に行くんだろ。だったらこんな練習試合前に悩んでるのは馬鹿らしいだろ。だから気合い入れてこうと思ったんだよ。」


(そう俺は甲子園に行ってみせる、この生意気な相棒とこのチームのメンバーで。見ててくれ美和は、俺は亀は亀でも"日本一の亀になるから"。 )

と昔のことを思い出していると、 「太郎先輩?太郎先輩?打順回ってきたぜ。なにぼうっとしてんだよ。」とタイチ。


「うるせーよ!集中してたんだよ。」といい打席に向かう。(こんな練習試合負けるかよ。なんせ俺は日本一の亀になるのだから。)


ストライクバッターアウッ。と審判の声が響いた。

山田が三振になってもまだ試合は始まったばかりなので、まだまだ続きます。

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