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『見るモノ』 其の三

「・・・は??」

「いやいやいや・・・妖精ってそんな馬鹿な・・・」


堂島刑事はあきれたような表情をする。

あ、あれ??私、変な事言った??

首をかしげる私に花子さんは言う。


「香奈ちゃん・・・普通の人に妖精の仕業って考えはないから。」


ああ、そう言う事ね・・・私の感覚は、すっかり感化されていたって訳。

華音さんと出会ったあの日から。


「香奈様は、民間の『サイキック・インベスティゲーター』なのかと思ってましたが・・・」


「サイキック・・・何ですか?」


「ああ、超能力捜査官の事ですよ。海外にはいる・・・らしいですね。」


「たまにバラエティ番組でやってるヤツですか。」


あ〜そうか、堂島刑事は”地元”じゃないんだ。

”様”付けで呼んでくるから、地元かと思っていたけど・・・

この辺り・・・てうし市・・・では、不思議な事は度々起こる。

その主たる原因が、華音さん・・・いや、『黒狼叉音こくろうさね』の瘴気の影響。

封印されて尚、この地に影響を与えるほどのチカラと瘴気は、てうしに不思議な出来事を起こす。

この前の『コインの悪魔』だって今回の『妖精』(確認してないけど)もソレに引き寄せられた可能性が高い。

そんな不思議な事を解決するのが、このお店『霧島華音』そして私の役目。

あ、そう言う意味じゃサイキック何とかってのと同じなのかな??超能力っぽいモノで解決するし。

私は、堂島刑事に「そんな感じで合ってますよ」と言って、公園に向かう支度を始める。衣装も替えた方がいいだろう。


「堂島刑事は先に公園に行って、待っていて貰えますか?」


「いえ、車で来ていますので、お送りします。」


「・・・もう!、今から着替えるんです!」


「おっと、それは失礼しました。」


堂島刑事は、いそいそと店を出て行った。

私は花子さんに言って、衣装部屋に”繋げて”もらう。

まあ、着替えるのは衣装部屋なので、居てもらっても良かったんだけどね。


(香奈。姫薙ひめなぎだな?)


「はい。妖精が居るって事は、何処かに妖精が出入りする場所が出来たって事ですよね?」


(うむ。恐らくはこの前に散歩で見かけたアレだろう。)


「・・・ですよね。なら、精霊に特化した姫薙が適切です。」


「はいどうぞ、香奈ちゃん。」


花子さんに衣装を手渡される。

一見巫女装束に見える・・・いや、巫女装束そのものなんだけど・・・

何故か袴じゃなくて、ミニスカート。前に華音さんが着た時に「邪道だと思います!」って言った気がする。

まあ、それは良いとして・・・私は花子さんに手伝って貰い、早速着替える。

何というか、足がスースーする。

店に戻り、準備を進めていると、香織ちゃんが来た。


「香奈居る?」


勝手知ったる何とやら、香織ちゃんは扉をがちゃっと開けて入ってくる。


「いらっしゃい、香織ちゃん。」


香織ちゃんは高校からの親友の一人。私やかのんさん、花子さんの秘密(と言っても、あんまり秘密にはしてない気もするけど)を知っている一人。


「どうかしたの?あ、また、かのんさんとレイドの打ち合わせ??」


ちなみに香織ちゃんは重度??のオンラインゲーマー。かのんさんと共にトッププレイヤーとして君臨している。

それよりも、猫の手でマウスを操作してまで、ゲームをするかのんさんの方が凄い気がするけど。

あ、私もこのゲームはまってます♪


「いや、そうじゃ無いんだけどさ。今って時間ある?」


「あーごめん。今仕事で人を待たせているんだよ。」


「あ、・・・だよね。」

「服着替えてるし、確か大学でも放送で呼び出し掛かってたわよね。」


言って、香織ちゃんは私をじーっと見る。


「な、何??」


「いやーミニスカートだなーって思ってさ。」

「・・・見えるわよ?」


「もーー香織ちゃん!」


その辺は数ヶ月前まで女子高生だった経験上、スカートの中が見えないようガードするスキルは・・・

・・・すみません。あまりはいたことが無いので知識だけです。


「いい?跳んだりはねたりしたら駄目よ?」


「しないよーーー」

「・・・多分。」


って言うか、香織ちゃんの用事の方は??


「あ、で、香織ちゃん。用事があったんじゃ無いの?」


「あーそれなんだけど、後で良いわ。」

「・・・多分、大丈夫だと思うし。」


煮え切らない香織ちゃん。

うーん、どうしたんだろう??


「それより、人を待たせてるんでしょう?私の方は後でも大丈夫だから、早く行った方が良いわよ。」


「あ、うん、そうだね。」


「じゃあ。」と言って私は、かのんさんを抱きかかえて公園に向かう。


「いってらっしゃい〜」


と、花子さんはお留守番。かのんさんと花子さん。二人を連れ出す程のチカラは私には無い。

それにしても・・・香織ちゃんどうしたんだろう??

改めて相談されたのって、前の『黒歴史ノート』の時以来かも・・・

いろいろと考えながらも、公園に到着する。

うん、気持ちを切り替えないと。

今は目の前の事を解決する。

香織ちゃんは大丈夫って言ってたし・・・

私とかのんさんは、堂島刑事の待つミドリ公園へと入る。






−−−−−−−−−−




基本的に1週間に1回の更新になります。

次回更新は 6月 5日の14時30分頃になります。



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