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『霧島華音』 ~不思議の依頼お受け致します。~  作者: hermina
第4章 『雷光のケモノ』
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32/38

『雷光のケモノ』 序

この世に不思議な事は結構ある。

例えば魔術だってあるし、雷光と共に現れると言われるケモノだっている。

そんな不思議な出来事を取り扱う何でも屋があるのは、不思議じゃないのかも知れない。



ザァァァァァァ・・・・


雨が滝のように降りしきる。


「雨の予報なんて無かったと思うのだけれど」


何時も鞄に入れてある折りたたみ傘をさして帰路についている。

学校終わりに図書館に行ったまでは良かったのだが、本を返却している10分程の時間で天候は急変した。


「ゲリラ豪雨ってヤツかしらね。」


寮・・・学校の隣にあるのだけれど・・・までは、15分は掛かる。

正直、この傘では心許ないとも思ったのだけれど、タクシーなんて使える身分でも無し、結局歩いて帰ることにしたのだ。


商店街を抜け、やがて長い坂道が待っている。この坂を上り終えた上に『霧華高等学校』、そしてその寮がある。

あと少し、帰ったらお風呂に入るのよ。等と考えながら坂を上る。

雨が滝のように流れている。遠くで雷も鳴っているようだ。


ピシャーーーーンッッ!!


「キャッ」


私は、思わず声を上げる。

近くに雷が落ちたよう。思わず似合わない声を上げてしまった。


バチバチ・・・


よくは分からないが、電気的な音に辺りを見回す。


「電線は・・・切れてないみたいね・・・」


ザァァァァァァ・・・


雨は変わらず降りしきる。


キュィーキュィー


何かの鳴き声がわずかながら聞こえる。

・・・反対側の林の方みたいね。

見ると、小動物のよう。

見たことが無い動物だけど・・・犬みたいな・・・狐みたいな・・・

あ、多分だけど、ハクビシンってヤツかもしれない。


「よく、害獣って言われてるのよね。」


キュィー・・・

あら、よく見ると怪我をしているみたい。


キュィ?


・・・

・・・

・・・


「ああ、もう分かったわよ。流石にこんな雨の中で、怪我をした小動物を放っておくなんて良心が痛むわ。」


私は小動物を抱きかかえると・・・


ピリッ


「痛ッ!」


静電気?こんな雨で?・・・何か刺さったのかしら?

気を取り直して抱え直すと今度は痛みは無い。


「まったく・・・寮に帰って治療だけはしてあげるわ。治ったら森へ帰るのよ。」

「まちがっても、屋根裏とかでバタバタしないよーに。」


キュィ!


私は片手で小動物を抱え、傘をさし直して帰る。


「あれ?寮って・・・多分動物とか駄目よ・・・ね?」

「・・・まあ、何とかなるか・・・な??」




−−−−−−−−−−




これは4章の導入部になります。次回更新は本日の16時30分頃になります。



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