『雷光のケモノ』 序
この世に不思議な事は結構ある。
例えば魔術だってあるし、雷光と共に現れると言われるケモノだっている。
そんな不思議な出来事を取り扱う何でも屋があるのは、不思議じゃないのかも知れない。
ザァァァァァァ・・・・
雨が滝のように降りしきる。
「雨の予報なんて無かったと思うのだけれど」
何時も鞄に入れてある折りたたみ傘をさして帰路についている。
学校終わりに図書館に行ったまでは良かったのだが、本を返却している10分程の時間で天候は急変した。
「ゲリラ豪雨ってヤツかしらね。」
寮・・・学校の隣にあるのだけれど・・・までは、15分は掛かる。
正直、この傘では心許ないとも思ったのだけれど、タクシーなんて使える身分でも無し、結局歩いて帰ることにしたのだ。
商店街を抜け、やがて長い坂道が待っている。この坂を上り終えた上に『霧華高等学校』、そしてその寮がある。
あと少し、帰ったらお風呂に入るのよ。等と考えながら坂を上る。
雨が滝のように流れている。遠くで雷も鳴っているようだ。
ピシャーーーーンッッ!!
「キャッ」
私は、思わず声を上げる。
近くに雷が落ちたよう。思わず似合わない声を上げてしまった。
バチバチ・・・
よくは分からないが、電気的な音に辺りを見回す。
「電線は・・・切れてないみたいね・・・」
ザァァァァァァ・・・
雨は変わらず降りしきる。
キュィーキュィー
何かの鳴き声がわずかながら聞こえる。
・・・反対側の林の方みたいね。
見ると、小動物のよう。
見たことが無い動物だけど・・・犬みたいな・・・狐みたいな・・・
あ、多分だけど、ハクビシンってヤツかもしれない。
「よく、害獣って言われてるのよね。」
キュィー・・・
あら、よく見ると怪我をしているみたい。
キュィ?
・・・
・・・
・・・
「ああ、もう分かったわよ。流石にこんな雨の中で、怪我をした小動物を放っておくなんて良心が痛むわ。」
私は小動物を抱きかかえると・・・
ピリッ
「痛ッ!」
静電気?こんな雨で?・・・何か刺さったのかしら?
気を取り直して抱え直すと今度は痛みは無い。
「まったく・・・寮に帰って治療だけはしてあげるわ。治ったら森へ帰るのよ。」
「まちがっても、屋根裏とかでバタバタしないよーに。」
キュィ!
私は片手で小動物を抱え、傘をさし直して帰る。
「あれ?寮って・・・多分動物とか駄目よ・・・ね?」
「・・・まあ、何とかなるか・・・な??」
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これは4章の導入部になります。次回更新は本日の16時30分頃になります。




