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『霧島華音』 ~不思議の依頼お受け致します。~  作者: hermina
第1章 『願いを叶えてくれるコイン』
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『願いを叶えてくれるコイン』 序

この世に不思議な事は結構ある。

例えば魔術だってあるし、願いを叶えてくれるコインだってある。

そんな不思議な出来事を取り扱う何でも屋があるのは、不思議じゃないのかも知れない。




「ねぇ、頼子。願いを叶えてくれるってコインがあるんだけど、買わない?」


「・・・何それ?」


親しくも無いクラスメートから、話しかけられた。

内容も胡散臭い。新手のいじめか何かだろうか?

何にせよ、要らぬトラブルは回避したい。

私は静かに本でも読んで過ごしたいんだ。


「遠慮しておくわ。」


私は其れだけ言うと、目線を文庫本に戻す。


「ちょ、ちょっと!話だけでも聞いてよ!!」


「そうよ、話くらい聞きなさいよ!」


さらに親しくも無いクラスメートが増えた。

わいのわいのと騒ぎ出す。

正直面倒くさい。願いを叶えてくれるコインがあるのならば、こいつ等を黙らせて欲しい。

そう、私、瀬川依子せがわよりこは友達が少ない。

このクラスに居る唯一の友達と言ったら、入間志保いるましほ位なものだ。

そりゃあ友達がもっと欲しいと思った事だってある。

それこそ、神頼みと神社でお願いだってした事がある。

でも、多い少ないじゃないと気が付いた。

気付かせてくれた友達がいる。

だから・・・


「ちょっと、無視しないでよ!」


あ〜もう、五月蝿い。


「聞くだけよ。」


そして、聞きたくも無い話を聞かされる事になる。

やれ、彼氏が出来ただの何だの・・・


「これが、その願いを叶えてくれるコインよ。」


クラスメートは、一枚の古いコインを取り出す。

私の知識の範疇でだが見た事が無いコインだ。


「それでね。願いを叶えて貰うには、このコインを誰かに売らないといけないのよ。」


つまり、願いを言ってコインを売るっていう、おまじないみたいなモノだそうだ。

最初からそういえばいい。それならこんな面倒くさい事にならなくて済んだのだ。


「ね?1円でいいからさ。」


何処の激安セールよ・・・

正直このクラスメートにこれ以上付き合って、貴重な昼休みを消費したくない私は、「・・・はい。」と1円を置いた。

クラスメートは、コインを置くと1円を掻っ攫うかの様に取る。


「いい?売ったからね?文句は一切受け付けないからね!」


そう言い残すと、足早に席に戻っていった。


「・・・何あれ?」


ちょうどその時、教室に戻った志保が私の元にやってくる。


「さあ?」


この後、私は後悔する事となる。

何故、親しくも無いクラスメートが私にコインを売りつけたのか、その意味を知った後で・・・

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