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迫り来る事件の匂い
「そうだ、多田。 お前昨日学校の近くで事件があったの知ってる?」
「? いや、聞いてないが……」
「どうもな、死体が見つかったらしいんだ」
「なに? それって自殺でもしたの?」
「いや、自殺なのか殺されたのかは分からないが、この近くにある砥部川ってあるじゃん。 そこの川沿いに転がってたって噂だぜ」
「本当に近くじゃないか。 でも、噂だけなら最近そういうのよく聞くけど……」
「ああ、街に変死体が連続して発見されてるってやつだろ? なんか、ここいらも物騒になってきたな」
「ああ、そんな話があったんじゃ放課後も行動しづらくてしょうがない」
「早く平和になってくれることを祈るしかないな」
そこで始業時刻のチャイムが鳴った。
担任が入ってきて、朝のHRで先ほど話していた近くで死体が見つかったことを話して、くれぐれも放課後は夜遅くまで出歩いたりせず、速やかに家に帰るようにという説明がされた。