明るいクラスメイト
ドタバタした朝を過ごし、俺と未久は学校へと向かうことにした。
家から学校は徒歩で行ける距離にあり、片道でも20分とかからない。
まあ、それもこの学校を選んだ要因の一つなんだが…
校門を抜け、学年の違う妹とは昇降口で別れ、自分の教室へ入ろうとしたところで、
「よう、多田!」
背中をばし、と叩きながら俺の友人ーー遊佐武雄が声を掛けてきた。
こいつとは小学校からずっと一緒だったため、付き合いは長く、こんな感じに気楽に話せる友人である。
「おはよう、遊佐。 あと叩くな、地味に痛い」
「おお、すまんすまん。 なんか叩きやすそうな背中が見えたからな!」
「ほう、丁度こちらにも叩きやすそうな側頭部が見えるが?」
「待った待った! 悪かったから怒るなよ」
「反省してるなら良し」
まあ、こんな軽い感じのノリで話せる奴だ。
ちょっと、いや大分お調子者ではあるが、明るく社交性なために交友関係は広いんだよな……
「む、お前今失礼なこと考えなかったか?」
「いや、なんにも」
「そうか、おかしいな……」
バカだが、なかなか鋭いやつなので侮れない。
そんなとき、遊佐はある話題を話してきた。