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「ふぁっきゅー整理整頓」
「僕等は戦う運命にある」書棚に置いてある「分かる! 犯罪心理学」が言った。僕はそいつの何処から音声が出力されているのかが不思議だと思った。
独り暮らしをしている六畳のワンルーム。夜になってつけた電灯に煤けた壁と畳が照らされている。二年前からの生活で、本棚、卓袱台等のオブジェクトが配置されている。
間もなく、その僕の部屋でいろいろ始まる。
僕は二ヶ月もの間、飲食店のアルバイトをして、ゲーム用のPCを購入する事にした。けれど、六畳一間でさまざまな家具が置かれた僕の部屋に、それが造作もなく入ると思うなふぁっきゅー。
そういうわけで、僕は部屋の整理をする事になった。しかし先程からよく分からないけど卓袱台とか収納ボックスが話し出したんだ。あと、犯罪心理学についての本も。
「僕等は定めから逃れられない」犯罪心理学者のように仰々しくそいつは言う。「ゆえに、ここに狼煙を上げようではないか。塵芥と宝玉を決する戦いのな!」
僕はとりあえず犯罪心理学のそいつを捨てることにした。
ふぁっきゅー。