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一日目 少し落ち着こう

▼▽ 一日目 少し落ち着こう ▽▼


 あれから何もなかったし、いじけてないしー。でも、疲れたので体育座りして、鬼(先生)に渡された紙を見てるよー。それには、こんな感じで書かれている。

『一日目午前、身体能力検査』

『一日目午後、特殊能力検査』

『二日目、クラス内親睦会・班員決定』

『三日目、装備点検・親睦等・準備日』自由に過ごしても可

『四日目、各班別演習』

『※空いている時間を使って、身体測定しておくように。又、話し合いを行い、二人から六人程でまとまって班を決める事。四日目に備えて体調を整えておくように※』

 今日の午後は、未知の領域だなー。ほんとはもっと細かく書かれてるけど、どうでもよくなってきたしー。普通の授業はどこに入るのかちょっと疑問だ。

 あっそうだ。この紙、いたずらしてもばれないかな……


「ティル、うずくまってないで行くぞ」

「パルちゃんのばーか! へんはぁひ……」

 なんでいつも後ろから手が伸びて来るんだよーっ。鬼が僕の頬を挟んでいじめる。

「へんへひ、ひはひひはひ」

「早く行きなさい……」

「先生申し訳ありません。急いで連れて行きますので、その位でお願いします」

 パルちゃんが頭を下げると、鬼が頬から手を離してくれた。

「ふぅ……しっかり見張っておけ」


「わかりました」

 先生がパルちゃんの頭をなで始めたから、今のうちに逃げた方がいいと思う。

「うきゅっ……」

 こっそり立ち上がって足音を立てずに歩いたはずなのに、首をつかまえられた。

 いくらなんでも扱い酷くない! そう強く言いたいけど、後の事を思うと言えない。

「ど・こ・へ・行くつもりだ?」

 体の向きを強引に反転させられて、先生の顔が目の前にきた。怖いので、もうちょっとだけでもいいから威圧感を減らしてほしい。


「先生、僕、まだ何もしようとしてないですよう」

「いいか。先生もな、怒りたくて怒ってるわけではないのだぞ? 生きて行く上で君が困るからこそ、鬼になって怒るのだ。締める所は、きっちり締めなさい」

 先生は真面目な顔して言うけど、ほんとに怖い。あっ……なんでもない……

「わかったな」

「ふぁい」

 ちょっと涙が出てきたけど、こんな事位で負けてたまるもんか! いつか必ず正面からやり返してやる!

「ティルトはくれぐれも真面目にやるように。そちらの君、頼んだぞ」

「はーい」「はい」


「では行きなさい」

 パルちゃんが僕の手をつかんで、引っ張って歩き始めた。子牛の気分であんまりやる気が出ないけど、しょうがないので手を繋いだままついていった……

 少し歩くと、横に長い机が何個か置いてあって、その後ろに制服を着てペンを持った人が何人かいた。見た感じだと、学年が上の生徒なのかなと思った。

 前にいるのは男の人だ。

「遅いね、多分君達で最後だよ? 試験用紙だしてね」


「はい。これですね、お願い致します」

 パルちゃんが頭を下げたから、僕は下げたら負けだと思った。よくわかんないけど。

「そっちの君も出してね」

「お願いしまーす」

「ティル!」

 パルちゃんが怒鳴った。


「フン」

 頭下げなかった位で、そんなに怒鳴んなくてもいいじゃんか。やる気はでないし、少しだけイライラしてるのでそっぽを向いた。

「はは。構わないよ。最初はそこにある握力計を握って、計ったら次行ってね」

 そう言って、その人は自分の横を指差した。

 横目で見ると、そこには中心に『〇』とデジタルで表示されている、良くわからない形をしたものがあった。これが握力計だと思う。


「説明ありがとうございます」

 パルちゃんはそこまで歩いて、それを右手で握った。良くわかってないかも。

 あ……デジタルが動いて五十位の所で揺れてる。そのままパルちゃんが、それを左手に持ち替えたけど、そっちも五十位の所で揺れてるのが見えた。

「はい。いいよっと」

 男の人は、パルちゃんの紙に『E』と書き込んでた。

「ありがとうございました。ティル。いいぞ」


「えーと。それ、握ればいいの?」

「そうだぞ」

「んー。んんー」

 握力系とにらめっこして悩んだ。機械っぽい物って、触ると勝手に壊れちゃう事があるから苦手なんだよね。悩むなぁ。

「どうした?」

「壊しても怒られない?」


「はは。壊れないから大丈夫だよ。むしろ壊せたら先生方は喜ぶと思うよ」

 説明の人はそう言ってくれるけど、心配だなぁ。もし壊しちゃったら、また鬼が来るかも知れないし。

「んーと……ほんとにほんと?」

「はは。ほんとだよ、頑張って」

 心配だけど、その人とパルちゃんが生暖かそうに見ているので、壊れたら僕のせいじゃないと言えば、なんとかなるといいなぁ。

 握力計がある所に移動して、パルちゃんと同じ所を両手で握ってみた。デジタルが動いて『百五十』になった。これは、どうなんだろ。


「うぇ……ははは。人は見かけによらないものだね」

「ぬぅ……ティル。片手ずつだぞ」

 パルちゃんはデジタルを凝視して頬が引きつってるけど、どうしたんだろう?

 片手で握ってみると、頑張っても、どっちの手も八十位までしかいかなかったな。

「はい、次はそっちね」

 僕が両手を終えると男の人が、僕の紙に『D』と書いていた。握力の欄の所だ。


「はーい」

「ティル、勝負はまだ始まったばかりだからな」

 勝負ってなんだろう? ちょっとなんの事だかわからなくて考えていたら、パルちゃんが先に歩いて行っちゃった。

「まってよー……」

 置いていかれるとなんとなく心細いので、パルちゃんの後ろをついて行く……

 次の場所は、金属の棒の端に重りをつけて、手で持ち上げるみたいだ。計り終わったら、パルちゃんは黙って先に行っちゃった。

 その次の場所は、金属製の大きい機械で、金属の重りに紐? がついたものを、寝て足で引っ張ったり、押したりするみたいで、面白かった。それが計り終わると、

「私は負けん」と言って、パルちゃんはやっぱり先に行っちゃった。


 その次の次は、立ったまま少し膝を曲げて、機械についてる鎖を引っ張るものだった。パルちゃんは僕が引っ張ったデジタルの所を見て「ハァ」と深く息を吐いてた。

 まだまだあるみたいだけど、どのくらいあるんだろ?

 次は寝転んで、腕を伸ばして金属の重りをつかんで起き上がるのだった。パルちゃんは重そうなのに挑戦して、起き上がれなかったみたい。


 おかしかったけど、笑ったら危険な気がしたから反対側を向いてた。

 その次は目を瞑って、片足でいろんなポーズをとって適当に立っているだけだった。これは楽ちんだ! 何も言われないのでそのまま寝ちゃいそうだったのは秘密だ。

 その次の次は、ぁ……これはわかる。視力検査だ! 目を隠してCの向きを当てるんだよね。でも、計る人が反対側の端まで行ったらそこで終わりだった。


 パルちゃんは「ふっ」って息を吐いた後、良くわからないけど壁を見詰めていた。

 次の場所は人が集まってて、並んでいるみたいだ。ようやく試験の最後尾に追いついて、お昼ごはんに間に合いそうだったので少し安心した。

 次の試験はちょっとさっきまでの試験と少し違うように見えた。

 計っている人の周囲に上級生らしき人が数人いて、その数人が色々な色のボールを試験を受ける人に投げつけているのが見える。なんだか痛そうだ。


 すぐ側の机の上に紙があったので、見てみた。

『白色の玉は体で受け止めて、赤色の玉は避けて、青色の玉は投げ返せ』って、紙に書かれてる。痛そうだしパスしたいなー。

 パルちゃんが急に振り返って、僕の肩をつかんだ。なんだろうと思って顔を見返してみると、目に力が入っているように見えた。

「ティル。今までは調子が悪かっただけなのだ。勝負はこれからだ!」

 さっきまでパルちゃんは深呼吸したり壁を見つめてたりしてたし、やっぱり具合が悪かったんだとすぐにわかった。

 勝負って言うくらいだから、良くなったのかもしれないけど心配だ。


「パルちゃん。気付けなくてごめんね。大丈夫なの?」

「ぬぅっ。勝者の情けなどいらぬ、私は負けん! ここからが本気の勝負だ!」

 心配して声を掛けると、良くわからないけどパルちゃんが急に睨んできたんだ。

「だけど勝負って……パルちゃん、大丈夫なの?」


「ティル、覚悟はいいな」

 何の覚悟だよう、と思ったけど、ドスの聞いた声が怖かったので言わないでおいた。

 パルちゃんは振り返って、前に人がいるのにも構わないで前に歩き始めちゃった。

「場所を譲ってくれないかな?」「何だ……どうぞ」

 パルちゃんが並んでる人を押しのけてまで前に進み始めて、急にどうしたんだろうか気になった。

「通してくれないかな?」「何よ……はい」

 パルちゃんに押しのけられた生徒は、最初に声をかけた時は文句を言おうとしてたけど、パルちゃんがジッと見詰めると、すぐに場所を譲ってた。

「道を開けて……」「わかりました」

 男の人は腰を引きながらその場から避けて、女の人は頬を赤く染めて俯いちゃった。僕が真似しても頭をなでられるだけなので、これがカリスマって言うやつなんだろう。


「来ないよね?」

 おかしくなったわけじゃないよね? と少し酷いことを思いながら、僕は鬼が来るかもしれないと思って、ビクビクしながら辺りを見回して警戒してた。

 鬼は来なかったので、なんだかパルちゃんだけ怒られないでズルイ気がする。

「ティル! そこで私の勇姿を見ているがいい!」


「うん。パルちゃん頑張ってね」

 やだよ、と言おうと思ったのに、口が勝手に動いちゃった。

 なんか心臓がドキドキするし、顔が火照ってるかも? パルちゃんが王子様みたいでカッコイイ。なんだかおかしいぞと思ったけど、おかしくてもいいやと思ってしまった。

「はじめ!」

 パルちゃんの周囲にいる人達が、ボールを投げつけ始めた。白いボールと青いボールは吸い込まれるように、赤いボールは避けてくように見える。

 投げてる人達は普通に投げてるみたいなのに、なんでなのか不思議だ……


「ふははは、見える! 止まって見えるぞ!」

 パルちゃんは楽しそうに、ダンスを踊るみたいに、華麗にボールをさばいていく。まとまってボールが来ても、一度もミスしてない。

 投げている人達も、見ている人達も、パルちゃんから目が離せないみたいだ。

「ティル、見ているか! これが私の実力だ! ははははっ……」

 大げさだと思う、だけど……

「すごい」

 ボールを受け止めて、避けて、投げ返す。それだけなのに、とても洗練された動きに見える。でも、なんだかおかしい……


「そうだ、もっとだ。もっとこい!」

 パルちゃんは楽しんでるのかな? そう不思議に思って顔をジッと見詰めてみた。顔が歪んでる事に気付いて、少しだけ怖いと思った。

 言葉にすると、狂った喜び、かな。

「よしっ……そこまで、止め!」

 係の計る人の声が聞こえて、周囲の人達がボールを投げるのを止めたみたいだ。でも、パルちゃんの表情は変わらない。綺麗だけど、どこかおかしい歪んだ顔のままだ。

「ティル、どうだ」


「パルちゃん……」

 パルちゃんがこっちに向かってゆっくり歩いてくる、

 僕は怖くて自然と後ろに下がりそうになった。でも、下がったらパルちゃんがどこかにいっちゃうような気がしたので、その場に踏みとどまった。

「ティル……」


「パルちゃん。少し、深呼吸してみようよ」

 顔を歪めて、手を広げて、パルちゃんがどんどん迫ってくる……

 体が思わず震えて、逃げ出したいと思った。

「怖いのか? 怯えているのか? 逃げてもいいんだぞ?」

 確かに怖くて震えているし、怯えているのかもしれない。でも、もっと怖がっているのはパルちゃんのような感じがした。

 自分の感を信じてパルちゃんの良く表情を観察してみると、狂っているわけじゃなくて、抑えれない自分が悲しくて泣いているように見えた。

 そんなパルちゃんを放っておけなかった。


「パルちゃん!」

 パンッと音が周囲に聞こえる位強く自分の両頬を叩いて、気合を入れた。

 前に一歩踏み出して、更に一歩踏み出した。動けなくするために抱きついてから話しかけようと思ったけど、パルちゃんが後ろに下がった。

 よてー変更してパルちゃんが攻撃してこない事を信じて、駆け寄ってパルちゃんの胸元に飛び込んだ。


 さけるような動きに見えたので、目隠しするように右手を開いて突き出した。

 その手はあっさりとよけられてしまったけど、でも、ボールを避けるあんな動きを見た後じゃ元より当たると思ってないし、当てようとも思っていない。

 そのまますぐに左手を伸ばし、パルちゃんの制服をつかんだ。

 パルちゃんが目を細めて、冷たい目で僕を見詰める。

「お前もなのか」


「パルちゃん。何のことかわからないよ」

 体が震えて逃げ出したい。でも、今逃げたら、パルちゃんはもう話をしてくれないと思う。そっちの方が僕には怖かった。

「わからない? ハッ、そうだな。お前たちはいつもそう言う」

「僕とパルちゃんは友達だよね。お前じゃなくてティルだよ」

「皆、最初はそういうのだ、友達だと。だが、皆逃げていく……」

 パルちゃんの言葉が冷たい。声が出ない、何か言わないといけないのに。


「ティル。お前もそうなのだろう?」

 背筋に汗が流れて、良くわからないけど、ここにいてはいけないと思った。すぐに右横に転がったら、体の上の方からフォンと風切り音が聞こえた。

「避けられるとは思わなかったぞ」

「パルちゃん、どうしちゃったんだよ!」

 剣は抜いていないし、剣が入ったままの鞘を持っているので、腰に吊ってあった鞘をそのまま振ったんだとわかった。

 周囲に視線を配っても、誰もこの事をおかしいと思ってないみたいだ。絶対おかしい。


「どうせ別れるなら、早い方がいい」

「別れるって何だよ!」

「わかっている。わかっているのだ!」

 僕の声が聞こえていないのか、意味不明な言葉を発して、鞘ごと剣を振ってきた。少し離れているので、その一撃は後ろに動けばかわせた。

「何をわかってるんだよ!」

 どうすればいいのかわからなくて、周囲に誰か気付いてくれる人はいないかと思って大きな声を出した。でも、誰の反応も無かった。


 パルちゃんが何度も剣を振ってきて、僕は必死に避け続けてるけど、振り返す速度が早すぎて何も出来ない。パルちゃんを正気に戻す方法なんて考えられる状況じゃない。

 そのうち避けられなくなると思った。悔しいけど、僕じゃ反撃して剣を弾くほどの隙が見えない。後ろに下がりながら避け続けるしか思いつかない……

 しばらくそのままの状態が続いてから、パルちゃんが急に剣を振るのを止めた。正気に戻ったかなと思ったけど、顔を見ると違う。

 視線の端で灰色の物が動いたような気がした。


「ティル……避け続けるだけで、どうにかなると思っているのか?」

「思ってない! 謝るから、もう止めようよ」

「っ……謝る必要などない! 戦え、抵抗しろ! もう後ろはないぞ!」

 そう言われて、少し後ろに目をやると壁がすぐそこだった。ちょっとまずいかも。

「パルちゃんにもないっ」

 パルちゃんの目が赤く燃え上がったような気がして、体が動かなくなった。言葉を続けようとしても、声が出なくなったので中途半端になってしまった。

 どうにかしないと。そう思ってもどうにも出来ない。でも、僕が何も出来なても、視線の端に写った物が予想通りだったらなんとかなる。


 パルちゃんの剣がゆっくりと上にあがっていく。少しヤバイと思って焦ったけど、パルちゃんの後ろにあれが出現したのが確認出来て気が抜けた。

「楽しかったぞ」

 パルちゃんの言葉であれが鬼に進化してしまった! 鬼がいるけど、僕が怒られるわけじゃないから大丈夫だ。多分。僕の時だけ連帯責任とかイワナイヨネ?

「実に楽しくない」

 鬼はすぐにパルちゃんの体を、腕と足で固めて動けなくした。これからパルちゃんに起こる事を思って、僕は目を逸らそうと思ったんだ。

 だけど、体が動かなくて目を離せなかった。パルちゃんはもがいているけど、間接が決まってて動けないみたいだ。


「何だ貴様は、離せ!」

「いいぞ、やれ!」

 先生の声で体が動くようになったみたいだ。なので、周りを見回してみたけど誰もいない。もしかして、僕かな? そう思って自分を指差してみた。

「そうだ、そこのお漏らしをしたティルトだ!」

 先生に言われてちょっと、もうそれは、折角忘れそうだったのにと、涙があふれそうだったけど、なんとかこらえれた。


「今こそ復讐のときだ!」

「ふくしゅう?」

 先生に言われて少し考えたけど、僕は別にパルちゃんに復讐しようなんて思ってない。

「あの指導室での仕打ちを忘れたのか!」

「指導室って……」

 指導室でパルちゃんにされた事……あっ。思い出した直後だったからより鮮明に思い出しちゃった……あの黒歴史を!


「パルちゃん、ごめんね!」

 僕は駆け寄って、全力でマシュマロをつかんで、さくらんぼをつまんで、シェイクだ!

「ぬぅ、何をする! 止めろ!」

「やっぱり、僕」「構わん、やれ!」「止めろ!」

「これは復讐じゃない! パルちゃんのためなんだ!」

「ぬぁぁぁっ、何を言っている! 戦え、卑怯だぞ!」

「僕だけじゃ勝てない! だから卑怯でも構わない!」

 僕はパルちゃんが正気に戻るまで止めないっ。


「ぬぅぅぅっ、あっ、離せっ!」

「正気に戻ってパルちゃ――――――んっ!」

「うぁぁぁあっ――――――――――――――アッ」

 パルちゃんが叫んだ後、体が震えて力が抜けたみたいだ。先生が手を離すと、地面に崩れ落ちそうになったので、僕が支えてあげた。

 僕も多少混乱して、あらゆる意味でヤバそーなので、今の出来事は心の片隅に見れないように処理して置いた。誰も見ていない事になっているのでアウトじゃない。


「はぁ、後は任せたぞ」

「ふぁい。何度もごめんなさい」

「ティルトもしっかりやるように。もう私の手を煩わすんじゃないぞ。いいな!」

「はーい」

 念を押すように言われたので、一応覚えておこうと思った。

 先生はパルちゃんの顔を見た後、うなずいて、どこかに歩いていった。

 パルちゃんは気を失ってるみたいだし、膝枕してあげて起きるまで待ってよう……

 暇なので、パルちゃんの顔を見てみたら、少し間抜けな顔してるかも。でも、さっきまでに比べたらよっぽどましだね!

 疲れたし、僕も少しやすもっと……


▲△ 一日目 少し落ち着こう △▲

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