第七話
「で、俺達は何をすればいいのでしょうか?」
現在、いわゆる謁見の間、です。目の前には国王のバーソロミューさんが。
王様はやっぱり金髪で、意外と若い方でした。といっても、40ぐらいはいってそうですが・・・。
本来ならプレッジ全員で会う様な展開|(ってリーディとティファは言いました)ですが、さすがに40人で行くのも大変、ということで、代表と言うことになっているリーディ、ティファ、それにさっきたくさん話した私が行くことになりました。
「簡単に言ってしまうと、魔王をどうにかして欲しいのだ」
「どうにか・・・とは?」
絶妙な返し。向こうにいたときも、こんな感じでしたね。大勢の前でも物怖じしない二人。
部屋の壁際には、たくさんのお偉いさん方がいますのに・・・。
「始めは、もう1000年も前の話なのだが・・・長いので、飛ばそう。魔王を名乗る輩が、魔族共をまとめ、人里に軍をよこすのだよ。
始めは辺境の村などが被害にあっていたのだが、最近ではある程度の規模のある街にまで勢力を伸ばしてきていてな。
ここから西へずっと行ったところにあるとある洞窟・・・洞窟と言うには大きい穴に、魔王が居ることは判るのだが、用心深いやつなのか、その近くも内部もトラップだらけ。
どんな大軍を送っても、誰ひとりとして戻って来なかった。
そこで、周囲にどのような罠が仕掛けてあるのか調べたところ、魔力に反応して動く罠が縦横無尽に張り巡らされておった。
今までの兵は、ほぼ全員これにかかっていた事も解ったのだよ。
この罠がまた厄介な代物で、魔力の質と量が一定値を超さないと、誰でも一瞬にして塵と化す。
魔族にとっては少し低めの値だが、人間であったならば、大魔導師と呼ばれるような者しか突破できん。
そこで、異界より勇者を呼び寄せ、その洞窟を突破しようというわけだ」
・・・省略しても長いんですけど? というか、そんなところ行ったら死んじゃうのでは。
それに、最後の『そこで』と『異界より』、が繋がっていないような気がするのですが。
「召還魔法を使えるのは五十年に一度、そしてその魔法陣を所有している国は5つ。なので、十年ごとにそれぞれの国で勇者を喚ぶ決まりになっている。
毎回その勇者は洞窟へ行き、惜しいところまで行くのだが、異界の住人を死なせてしまうわけにもいかず、止めまではいけずにいたのだ。
1年以内に返還の間にて魔法を使わないと、勇者は元の世界に帰れなくなるのだが、勇者の活躍により減衰した魔族軍が元の勢力を取り戻すのも、9年ほどかかる。
なので、今までは一進一退、あまり進歩が無かったわけだ。
・・・しかし! 今回の勇者は今までに例を見ない大人数。たとえ止めを刺すところまではいかずとも、次の勇者召喚までに魔族共が回復出来ない程度には痛手を与えられるはず!
どうか、どうか勇者様、魔王を倒して下さい! 今年を、魔王の最後として下さい!」
王様が頭を下げると、まわりの人達も一斉に頭をたれました。
・・・なんだか、いきなり怖くなってきてしまいました。私達で、大丈夫なのでしょうか?
心配になってちょっと前の二人を見ると・・・なんとまあ、笑ってます。
「ええ、ええ。約束しますよ、国王陛下。私達が、終わらせてみせます」
「次なんて、もう考えなくてもいいように。誓いますよ、陛下。俺達、プレッジの名に賭けて」
自信満々に、言い切った二人。・・・ええ、そんなふうに言っちゃっていいんですか?
・・・まあ、私も当然、最善を尽くしますけど。
気がついたら、私も笑っていたのでした。