4話 杖を取り返せ!
「よし、じゃあ、出発だな。そういえば君の名前は?」
「私?私は『クロエ・イザベラ』だよ。」
「クロエね。おっけー。じゃあ、おんぶしていくよ?」
「え?うん」
そして、クロエをおんぶする。
「よし、じゃあ、しっかりつかまっててね」
「ん?え?う?うん」
クロエの頭は ? だ。そりゃそうだ。まあ、そのうち分かるからさ、
そして、全速力で西にいく。
「うわぁぁーーーー!!!!」
ふっふっふっふ。なんと!走る速さがとんでもなくなっているのだ!たぶん時速50㎞くらい。軽く言ったけど、これはめちゃくちゃ速いのだ。地球にいたあの人よりも比べ物にならないくらい速いのだ。
十分後
洞窟らしきものが見えてきた。そこまで長くなかった。たぶん、8㎞くらい走ったかな?←結構狂ってる。
あんま、疲れてないのが不思議なんだよな。
「う……………ついた…?」
クロエのほうがくたくただった。
とりあえず、持ってきた水を一口飲んだ。クロエはがぶがぶ飲む。
「ぷはー。速すぎでしょ。」
「まーね。」
自慢げに言う。
「でさ、この洞窟で会ってんの?」
「うん…情報によれば、この辺らしいよ」
「まあ、とりあえず、突撃ぃー!!!」
「あ!まってよ」
洞窟の奥にいくと、大きな扉があった。
「たのもー!!!!」
といってドアをけ飛ばす。
「ああああああん????んだ?お前は?」
「ちょっと用があってな。お前の名前はなんていうんだ?」
「俺はシーフだ。」
よし、じゃあ、成敗しますか。
「あ!お前は!杖を取り返しにでも来たのか?」
クロエのほうを見ていった。
「ふ、ふん!私にはボディーガードがついてるもん!」
ん?うん。なんか勝手にボディーガードにされてるけど
「げはははははははは!!!!その女がボディーガードだ?笑わせてくれるな!」
めちゃくちゃなめられてるな。まあ、いいや後々後悔するのはあっちだし。
「杖を返してもらうよ。」
「ふん。威勢がいいだけだろ?そんなに杖が欲しいなら力尽くで、取り返してみな!」
そういって、巨大な斧をぶん投げてきた。もちろん当たるはずもなく、シーフのほうに歩いて近づく。
そして、シーフが反撃する前に、目の前で側転をした。足をシーフの頭にあて、地面に突き落とす。
「ぐ……………」
「どう?返す気になった?」
「な………………なるわけ…ねぇーだろぉ!!!」
そして、飛び起きて拳を突き出してきて、腹にあたったが、まったく痛くない。どうやら、防御力も上がっているようだ。まさに最強。
「どうした?それで終わりか?まったく………………………腹パンってのはな………………………こうやるんだよ!!!」
軽く、腹パンをシーフにくらわす。
ドオオオオオ!!!!!!!
シーフは吹っ飛んで行って壁に激突した。
「う……………げほっ、げほっ」
「もう一発行くか?」
「ひぃ…………勘弁してくだせぇ。これですこれです。お返しします。」
そうして差し出してきた杖をクロエのほうにもっていく。
「これであってるか?」
「うん!ありがとう!……………………………………あの………………ルークスちゃんって、なんか修行とか、旅とかしてるの?」
「え?別にしてないけど……………」
「じゃあ、なんでそんなに強いの?」
「えーっと、生まれつき?」
「へぇー。これから旅に出る予定とかあるの?」
「うーん。しばらくメドウの町に滞在して、しばらくしてまたどこかに行こうかと思ってるんだけど。」
「目的とかは?」
「別に決まってない。僕、生まれたてだから。前は、違う世界にいたんだけど」
「え?は?」
「ん?」
まさか、異世界転生者って、この世界ではものすごく珍しいのか?
「ああ、異世界転生者か。」
ちがった。
「じゃあ、私がいろいろこの世界のことを教えてあげるよ!」
「ほんと?ありがとう。じゃあ、シーフ、もう盗んだりしないようにね」
「あ、は、はい」
「よし、じゃあ、帰ろうか。」
「まって!魔法で瞬間移動できるよ。」
「マジすか?」
「マジです!いくよ、『テレポーテーション』!」
フッ
と音がして、気づけばクロエの家にいた。これはすごい。
「よし、じゃあ、この世界について教えてもらうよ。」
「うん。まずこの世界は、戦士、魔法使い、超能力者、悪魔召喚者、この、四つの職業で成り立っている。多分だけど、ルークスちゃんは魔法使い。なんかしらんけど、めちゃくちゃ魔力が溢れ出てるもん。」
適当だな。でも、素質ないって言われたの悲しいなぁ。
「で、人口のほとんどが、冒険者。それ以外はニートって言われてる。」
いや、かなし。でも、それほど冒険者が多いってことかな?
「私はニートだね。」
自分からニート名乗る人初めて見たわ!
「で、冒険者で一番大切なのは、冒険ランク!低い順から、旅立ち冒険者→初心者冒険者→そこそこ冒険者→中級冒険者→中級冒険者Z→上級冒険者→上級冒険者Z→プロ級冒険者→プロ級冒険者Z→チート級冒険者→チート級冒険者Z→すべてをつかさどる者→すべてをつかさどる者Z
の、13種類で分けられるの。すべてをつかさどる者は二人、すべてをつかさどる者Zは一人しかいないんだって。」
「へぇー。」
結構ややこしい話になってきた。
「つまり今僕たちは、旅立ち冒険者ってこと?」
「ん?うん。旅立つ前提ならね。」
「なるほど。」
「クロエも来る?僕と一緒に旅。」
「ほんと!?いきたい!ずっと夢見てたんだ。でも、一緒に旅立つ人がいなくてさ、困ってたんだよね。一人で旅立つのも怖いし。」
「じゃあ、決まりだね!まずは、二週間くらいここに滞在して、この世界になれるのと、冒険の支度をする。」
「おっけー。じゃあ、さっそく、街を案内するよ!」