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3話 メドウの町

無限に続く草原を歩き続ける。その時はじめて気づいた。疲れないのだ。一時間は休まずに歩いているのに全く疲れないのだ。やはり、特別な体に生まれたのだろうか?っていうか、それなら走っても疲れないんじゃね?よし、走ってみよう。


それから十分。これまでは全く疲れずに走れていたが、さすがに疲れてきた。だが、十分も全力で走ってちょっと疲れた。相当スタミナがあるようだ。この調子でぐんぐん進もう。


三十分後。ちょっと休憩をはさみつつ走り続けていたら、ついに町らしきものが見えてきた。

「お!!」

町が見えて必死に駆け出す。

「はぁ、はぁ、ついたー」

中に入ると意外と人がいっぱいいた。そして、気づいてしまった。この世界は………………………ファンタジーだ!!!!

ごっつい剣持ってる奴いるし!!!

なんか魔導書みたいな本持ってるやついるし!!!

杖持ってる奴いるし!!!!

当たり前のように生活で魔法使ってる奴いるし!!!


これぞ、ファンタジーだ。だが、この場合、僕は何なんだ? 体操選手 なんて職業はないしなー。

「おい!おまえ!!」

ん?なんかごつい男が声をかけてきたぞ?

「おまえ、子供で女のくせに魔力が溢れ出てんぞ!生意気な奴が!!」

え?魔力?じゃあ、僕『魔法使い』?

「死ねぇーーー!!!!」

と叫びながら、いかつい斧を振り下ろしてきたが、全く問題ない。低姿勢で転がってよける。そこに足払い炸裂!!

「ぐわぁ!!!」

ドシーンとしりもちをついた。まったく、これだから男は………………………←中身おっさん。

「おい!!!」

遠くで声が聞こえた。

「ん?」

そっちを見るとごつい男が十人くらいいた。ずんずん歩み寄ってくる。

「そいつは俺の弟子だ。よくもやってくれたなぁ………………………しねぇ!!」

一番強そうなやつが斧を振り下ろしてきたが華麗にかわす。

「はぁ!!」

足払いをかける。

どすーんと!!!

「お………………おまえら!いけぇ!!」

「「「うおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」

一斉に襲い掛かってきたが、かわしながらキックやパンチを入れる。

無傷で全員をぼこぼこにしてやった。

「おい……………………おまえ…………………なんで魔法を使わない?」

ボスみたいなやつが聞いてきた。

「だって出し方わかんないし」

「「「え?」」」

その場の全員固まった。

「い、いや、、、、え?じゃあ、魔法使ったことない?」

「あったりまえじゃん」

「………………………」

「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ。なかなか面白い奴じゃな」

いかにも魔法使いっぽいじいさんがやってきた。

「おぬし、魔法はイメージが大事なのじゃ。その魔力量。イメージするとすぐに魔法を出せるじゃろう?」

イメージか………………………よし、でろでろでろでろでろ………………………

「呪文は『ルーイン』じゃ!」

あ、呪文あるのね。

「ルーイン!」

シーーーーーーーーーーーーーーーン。


「え、え?」

「うむ、おぬしは魔法の才能なしじゃ!!」

「え~~!?」

「いいじゃろう。おぬしは強いんじゃから。」

たしかに。でもなー。魔法使いたかったなー。

そのとき、男の声が聞こえた。

「メドウ王の 御成~」

兵士たちに囲まれて太ったおじさんが出てきた。たぶんこの人がメドウ王かな?

「おぬし、名は何という?」

急に名前聞かれたぞ?こういう怪しい人が来たときは大声で叫びながら逃げろって習ったけど、それは前世のはなしだ。王らしいし。

「えーっと。こは………………………」

い、いや、やめておけ。ここはかっこいい名前でいこう!えっとえっと。どうするどうするどうするどうする?

「ルークス・ダークネスです!」

とっさに出たのは中二病すぎる名前。まあ、かっこいいからいっか!

「ルークスよ。まことに感謝する。その暴れん坊どもは、最近街を騒がしていた集団でな。助かったわい。」

「あ、はい。」

「それにしてもそれほども魔力をもってしても才能がないとは………………………」

いや王までも才能ないって言いだした!まったく………………………

「この町はメドウの町じゃ。ゆっくりするといい。ではわしはこれで」

あ、はーい。さいならー。って、何しに来たんだ?この王は?

「ねぇ」

次から次へと声を掛けられる。今度はなんだ?

「ルークスちゃんだっけ?お願いがあるんだけど。」

一人の女の子が声をかけてきた。

髪は緑で、服は僕と同じボロボロだ。

「お願い?なに?」

「あの………………………ルークスちゃん。めちゃくちゃ強いじゃん?それでお願いがあって。」

「あー。内容によるけど」

「討伐してほしい魔物がいるの!」

討伐……………?魔物だと?

「え、えーっと………………………」

「詳しい話は私の家でするよ。こっちにきて」

うっひょー!人生で初めて異性の家に行くぞー!


そしてついた家……………………えーっとー………………親はいないのですかね?

「じ、実は私………………親がいなくて、生活は魔法で何とかなってるけど…………………最近、とある魔物に杖を奪われたの。私、杖がないと魔法使えなくて、いままでいろいろな人に頼んだんだけどみんな拒否したり大けがして帰ってきたりして………………………でも!ルークスちゃんみたいな強い人がいて頼んでみたんだけど………………………」

「あー、なるほどなるほど。ちなみにその魔物の名前は?

「名前?たしか………………『シーフ』とか言ってたような………………………」

シ、シーフ…………………泥棒ですね。魔物って、トロルとかスライムとか想像してたけど…………………

「うん!いいよ。」

泥棒は許せないしね。

「ありがとう!!!私もいっしょに行くよ!」

「おっけー!で、場所は?」

「場所はここから西にある洞窟だよ。」

「西だねいこう!」

「ちょっと待って!結構遠いんだよ?疲れるよ…………………」

「問題なしだよ!レッツゴー!!」

問題ない。だって、一般人より何倍も疲れにくいもん!!!さっさと泥棒を成敗してやる!!

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