羊飼いの詩が心を吹き抜けて
人の心は闇を孕んでいるから
なおのこと 光に憧れる
悪欲を捨ててしまえと思うけど
女の肌の温もりに
すべてをゆだねる夜もあり
それだけしか
慰めのない夜もある
己の闇を見つめて
聖なる者を仰ぎみて
羊飼いの詩に耳をすませば
これではいけないと身に沁みる
ただ頭を垂れる
祈りになりたい
頭のてっぺんから
足のつま先まで
この身のすべてを捨てて
祈りになりたい
隣に眠る見知らぬ女の幸せを祈り
裏切った家族の幸せを祈り
友の幸せを祈り
ありとあらゆる人々の幸せを祈り
泥沼に蓮の花を咲かせるように
祈りを咲かせたい
人の心は闇を孕んでいる
だからこそ 光に憧れてしまう