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異変②

「翔、何か聞こえないか?」

「えっ?何かって何?」

「なんか、人の話し声みたいな‥‥」

そう言われ、翔も耳を澄ませてみた。すると、優の言う通り何か聞こえる。ハッキリとは聞こえないが、人がモニョモニョと何か言っているような感じの音だ。

2人は顔を見合せて、さらにゆっくりと、さらに静かに、教室へと歩いた。教室への距離が近付くと同時に、その音の大きさも大きくなる。

残り5メートルぐらいだろうか。その時にその音がはっきりと聞こえた。それは人の声だった。翔と優は再び顔を見合せた。例の教室で、誰かが話をしているようなのだ。2人は状況が全くつかめずに、しばらく立ち往生してしまった。耳に入ってくる人の話し声だけに、2人の意識が向いていた。

「なんか‥‥聞いたことある声じゃないか?」

優が小声で言った。

「んっ?そうかな?」

翔は人がいるということばかりに気を取られて、その声が誰なのかを考えていなかった。優に言われてさらにその声に注目してみた。そして翔は『あっ』という顔をし、優に言った。

「近藤の声と似てないか?」

「‥‥確かに‥‥近藤‥‥なのかな‥‥」

まさかとは思ったが、声が近藤に似ている。優が、翔に向けて止まれ、の合図をした。翔は動きを止めた。そして優はその声の主を確認する為に、さらに例の教室へと近付く。教室の入口手前へと辿り着くと、優は廊下に伏せた。そして、ゆっくりと顔だけを教室の方へ出して、中の様子を確認した。『あ、やっぱり近藤だ。近藤が誰かと話してるんだ。誰と話してるんだ‥‥‥』そう思い近藤の向いてる先を見ると、女子高生の未練仏が目に入ってきた。『あ、この子が翔が言ってた子だ。おぉ、カワイイ。でも、なんで近藤が女子高生の未練仏と話してるんだ?何がなんだかさっぱり読めないな‥‥とりあえず戻って翔に近藤だったことを伝えるか』優は顔を引っ込めると、ゆっくりと立ち上がり、静かに静かに翔の元へと戻る。

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