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異変

「早く職員室へ行こうぜ。近藤がいたとしても、うまくやって早く済ませて、旧校舎行こうぜ」

優はノリノリだ。ひとまず、翔と優は職員室へと向かった。

職員室へ着き、中を覗いたが近藤の姿はない。

「やっぱり昼休みは近藤いないんだよ」

「本当だな。でも、一応確認しておこう」

翔は近くにいた先生に、近藤がいないか聞いたが、やはり今は職員室にはいないとのことだった。翔は自分が来たと言う痕跡を残す為に、メモ書きをその先生に託し、近藤のデスクに置いてもらうようにお願いした。無視をしたと思われたくないので、お昼休みに職員室へ来た、という証拠を残した。

「とりあえず、これでOKかな。また後で来てみるよ」

翔がそう言うと、優は目をキラキラさせながら

「よしっ、じゃあ行こう」

と興奮気味に言った。

2人は旧校舎へ向かって歩き出した。旧校舎が古くなり、老朽化が進んでいるということが理由で、新校舎が建てられた。その為、安全が確保できないので、本当なら旧校舎への立ち入りは禁止されている。旧校舎は解体する予定なのだが、未だに解体されず、そのまま放置されている。学校のOBを中心に結成されている、学校の歴史保全委員会という組織が反対をしていて、解体の話が進んでいない。2人は人目を気にしつつ、旧校舎の裏側へ入った。

「翔、どこから入れるんだ?」

「もう少し行ったところの、鉄でできた扉だよ。その扉だけ、少しズレてて、開いてたんだ。おかげで漏らさずに済んだよ。あ、そこそこ」

2人は扉の前へと着いた。静かに扉を開けて、中へと入る。

ずっと落ち着きのない優を見ていて、翔は不安になり、優に言った。

「誰もいないとは思うけど、騒いで見つかったら大変だから、静かな」

「あ、うん、そうだな。お互いちょっと落ち着こう」

『お前のことだよ』と翔は心の中で思いつつ、またそこも突っ込まずに流すことにした。そこで翔は一人で来た時と違う雰囲気を感じた。

「優ちょっと待って」

さっきと何が違うのかと聞かれたら、うまく説明することはできないが、何か引っかかった。

「さっきとはなんかちょっと違う感じがする‥‥」

「えっ?何が違うんだ?」

「何が違うのかは俺にも説明できないけど、何か違和感を感じるんだ。やっぱりやめたほうがいい気がしてきた‥‥‥」

「おい翔、せっかく来たのにやめるのかよ?例の教室は1階なんだろ?ちょっと行けば着くだろ?ちょっと行って、ちょっと見るだけだから」

「うーん‥‥」

「本当に静かに行くから、一緒に付き合ってくれよ‥‥」

「うん‥‥本当に静かに、こっそり行くならいいよ。あと、何が起きても絶対に騒ぐなよ」

「うんうん、大丈夫だよ。とりあえず進もうぜ」

時折優の返事が軽く感じる時がある。今もそうだ。でも、翔は優を信じて、例の教室に向かって再び進むことにした。

あと2つ分教室を進んだら、例の教室である体育教官室へ辿り着く。と、優が何かに気づいた。

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