相談2-②
学校へ着くと、優と春が廊下で話していた。
「お、翔おはよう」
優が言った。翔は
「2人ともおはよう」
と返した。
「翔、朝から鈴ちゃんのところへ行ったんだろ」
いつもの調子で優が茶化すように言った。
「あ、うん‥‥なんか鈴ちゃんに会わないといまいち調子が出ないというか‥‥」
「翔にとって、鈴は元気の源だもんね」
春がそう言うと、翔は恥ずかしそうにうなずいた。また続けて春が言った。
「今日も3人で鈴のところへ行ってみる?」
「うん‥‥そうだな。昨日の勝くんて子の話も、何か進展があるか気になるしな」
優が答えた。
「俺は‥‥一人でも行くけど‥‥」
そう翔が言うと
「あぁー、そういうのは聞いてないから。じゃあとりあえず3人でまた放課後に行こう」
と、春が笑いながら言って締めくくった。今日も3人は放課後に鈴達の元へ行くことにした。学校から鈴はいなくなったが、学校自体はいつもと変わることはなかった。先生、生徒、何も変わらない。鈴は事故に遭ったわけでもなく、犯罪に巻き込まれたわけでもない。人が亡くなってしまった事実だけを切り取れば、とても大きな出来事なのだが、世間はそれよりも、『なぜ亡くなったのか』ということのほうが、大切なようだ。世間体、学校のメンツ、そこに問題がないのなら、これ以上亡くなった話を掘り下げる必要はなく、『残念だった』の一言で話は終わり、時間とともに鈴の存在もみんなの頭の中、心の中からは消え去っていく。人の死というものは、他人から見たらとても儚いものである‥‥‥。




