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鈴と春

一方、時間は5分ほど遡り、翔と別れた鈴と春。

「鈴、翔ヤキモチ妬いたかな?」

「うん、妬いてるよ」

「でもさ、鈴達毎日一緒にいるんだから、離れてる時ぐらい、私が鈴を独り占めしてもいいよねぇ」

「うんうん。私も春のこと好きよ」

「鈴ー。ありがとう。私達こそ本当に愛し合ってる仲だよね」

そう言い合いながら、2人で笑い合った。

「でもさ、本当に鈴達仲良しだよね。いいよなぁ。しかもなんだかんだ翔も優しいし。もちろん、鈴も優しいよ。本当に2人の関係が羨ましいよ」

「えっ?春こそ優しいし、カワイイし、凄い友達想いだし、私にはないものたくさん持ってるじゃん。そんな春に彼氏ができないことが、私には不思議でならないよ。誰かいい人いないの?」

「うーん、確かに彼氏はほしいと思う。ただ、なんだかこう、この人って思える人と出会えてないんだよ。なんか、直感?みたいなものを感じられる人がさ」

「そっかぁ。でも、噂で聞いたんだけど、春って結構告白されてるんでしょ?あんまり話したくないのかなぁって思って、今まで何も聞かずにいたけど‥‥‥本当のところはどうなの?」

「あぁ‥‥うん‥‥告白‥‥‥されたことある‥‥‥」

「あっ、噂は本当だったんだ。ちなみにその噂だと、何人も春に告白してるって話なんだけど、そこはどうなのですか?」

鈴は興味津々の無邪気な笑顔で、春に詰めよって聞いた。

「それも本当です」

「えぇっ、凄い。本当に凄い。春モテモテじゃん」

「イヤイヤ、全然凄いとかないよ。私からしたら、モテてるのか何なのかもわからないし」

「ちなみに高校入ってから何人に告白されたの?」

「‥‥‥‥3人‥‥‥‥」

「さ、さんにん!やっぱり凄いな。本当にモテモテだな」

「モテるとかそういうの気にしたことないし、異性の気を引こうとかも考えてないよ。ただただ毎日普通に生活しているだけだよ」

「普通に生活しててそれだけ告白されるって、春の普通が恐ろしい」

そう言うと、鈴は再び無邪気な笑顔を春に向けた。

「ちょっとちょっと、鈴、本当に誤解しないでよ。彼氏はほしいと思うけど、男子の気を引くようなことなんて、本当にしてないから」

「うん。そういうのはいつも春の一番近くにいる、このお鈴様が一番よくわかっております」

「ありがとう。お鈴様って、時代劇かい」

そう言いながら2人で笑い合った。続けて春が言った。

「鈴は私のこと本当にわかってくれてるからいいけど、人によっては軽い女だとか、男子にいつもいい顔してるとか、そういうこと言う人がいるじゃん。だから告白された話を、誰にもしたくなかったんだ。でも、やっぱり鈴は私のことわかってくれてるって思って、安心した。ありがとう。何かあったら相談のってね」

「もちろんだよ。私はずっと春の親友であり、春のよき理解者でいるからね。私にはなんでも話してね」

「うん、ありがとう。この話は本当に内緒にしといてほしいんだ。絶対誰にも言わないでほしい。もちろん、翔にも言わないでほしい」

「うん、わかった。誰にも話さない。約束する」

キーンコーンカーンコーン

鈴達の教室前の廊下を、校庭へと向かう翔と優が走って行った。

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