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ねずみ城大作戦②

「カッくん、夜のねずみ遊園地キレイだね。あ、写真撮ろう、写真」

翔の頭の中を知ることもない鈴は、相変わらずマイペースに楽しんでいる。がしかし、写真?と翔は思い、あっ、と閃いて鈴に言った。

「あ、ねずみ城の前がキレイだから、ねずみ城の前で写真撮ろうよ?」

「あ、それいいね。そうしよう」

『よしっ、とりあえずはうまく誘導できたぞ』と、翔は心の中で思った。まずは第一段階の、ねずみ城の前へ誘導する、が成功した。誘導できたらあとは思いを伝えるだけだ。次の問題は、気持ちをうまく伝えられるかだ。ねずみ城に向かって歩いてる途中でも、鈴のお喋りは止まることなく、ずっと翔に何かを話しかけている。しかし、翔の頭の中は、うまく思いを伝えられるか、という不安で頭がいっぱいになっていた。そのせいで、鈴に対しての返事が適当になってきていた。鈴も、翔の返事が適当になってきていることを感じ取り、段々と不満が募ってきた。そしてとうとう翔に言った。

「ねぇ、カッくん聞いてる?」

「あ、うんうん、そうだね。俺もそう思う」

「‥‥‥‥」

鈴は絶句した。

「カッくん、人の話を聞いてないにも、程があると思うよ」

「うん、そうだよね。人の話聞いてない人っているよね」

「私、カッくんに言ってるんだけど」

「んっ?えっ?あっ?俺?」

「うん、そう」

翔は我に返った。そして、頭の中でここ何分かの出来事を巻き戻し、鈴の話を上の空で聞いていた自分に気づいた。

「あ‥ごめん」

「ううん、もういい。カッくん他に色々考えたいことあるみたいだから、今日はもう帰ろうよ」

「えっ?ねずみ城の前で写真撮るんじゃないの?」

「写真を撮ることよりも、私の話を聞いてくれる事よりも、何か考えたいことがあるんでしょ?その邪魔をしたくないから、帰ってゆっくり考えてほしいから、今日はもう帰ろう」

一件捉え方によっては、翔のことを思って言ってい、優しい言葉にも聞こえるが、このちょっとひねくれたようなめんどくさい言い方をしている時の鈴は、怒りの絶頂の状態だ。

「あ、ごめん。俺は大丈夫だから、写真撮りに行こう?」

「ううん、行かない。大丈夫」

「鈴ちゃん怒ってる?」

「怒ってない」

「じゃあなんでふてくされたみたいな態度なの?」

「そんなことないし、ちゃんと返事してるだけマシだと思うけど」

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