表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/65

謎の女性

「あっ、未練仏だったんだね」

鈴が小声で翔の耳元で言った。翔はうんうんと頷いた。そこにいたのは20代ぐらいの女性の未練仏だった。ここ、ねずみ遊園地には未練仏はほとんど現れないので、遊びに来ている人には珍しかった。ただ、一切現れないということではなく、未練仏が現れるとすぐにお坊さんが来て、強制成仏させるのだ。公共施設やこの場所のような遊園地、また観光地やオフィスビルなど、景観や秩序を守る為に影響が出てきそうな場合は、その場所に対して許可を取っていると、強制成仏させることができるのだ。ここねずみ遊園地も、強制成仏許可を取っている遊園地なので、未練仏が現れた瞬間に強制成仏することができる。遊園地等の、人が思い入れが強くなるような場所に現れやすいので、そのまま放っておくと、すぐに未練仏だらけになってしまう。未練仏だらけになっている遊園地には、遊びに来ようという人が減ってしまう。その為の強制成仏許可だ。今現れてしまった女性も、まもなくお坊さんが来て強制成仏されてしまうだろう。この女性もそれはきっと理解しているのだと思う。しかし、その女性は、何かを訴えるわけでもなく、ただ凛として立っている。『ジムにいる時に、心臓発作か何かで亡くなったのかな‥‥』と翔は思った。その女性の服装が、運動していたような服装をしていたからだ。Tシャツの下に長袖のインナーを着ていて、下は短パンのジャージで、その短パンの下にスパッツのような物を履いている。靴は履いておらず、裸足だった。ただずっと立ったままの女性を、翔と鈴も立ったまま見ていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ