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新星機動のアサルトフレーム―タケミカヅチ・クロニクル―  作者: 河原 机宏
第2章 始動、新生アマツ部隊

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コンビネーションアタック②

「シールドで防御が厚くなっている場所からじゃフィールドを抜くのは難しいな。それなら……!」


 地面を蹴りブースターを最大出力で噴射して一瞬で相手の後ろに回り込む。

 <チャリオット>は元々重装甲のため運動性が低い。爺ちゃん達によって魔改造されていたとしても防御力を更に伸ばすという仕様である以上<タケミカヅチ>の動きに対応できない。

 そこにつけ込んで最大火力をぶち込んでいくしかない。


「思った通り動きが鈍い! それならばっ!!」


 二刀のライキリをビームブレードにして交差させてハサミの要領で挟みこむ。

 ビーム刃はシールドのD(ディバイン)フィールドに阻まれて本体には届かなかったが、相手の動きを封じることに成功した。


「フィオナ!!」


『こちらの準備は完了しています。バスターマグナムを最大出力で発射します。カウント開始、三……二……一……カナタ!!』


 合図と同時に<チャリオット>から離れると間髪入れずに<クラミツハ>が高出力のビーム砲を発射した。

 ビームブレードでDフィールドの耐久力をかなり削ったはずだ。――これでどうなる?


 動きが鈍重な<チャリオット>は回避が間に合わずバスターマグナムが直撃した。強力なDフィールドを貫通しシールドが半壊した。

 相手の動きを見るとバスターマグナムを食らった影響で体勢を崩している。ここが狙い目だ。


「たたみ掛ける!」


 瞬間的なハイマニューバモードで一瞬で間合いに入りビームブレードの斬撃をたたみ込む。

 Dフィールドの出力と耐久力が低下したシールドを二枚とも斬り裂いて防御力を低下させる。

 武器を装備していない<チャリオット>が腕を振り回して反撃してきたので上空に飛んで回避した。

 すると敵の周囲を高速飛行しながら<クラミツハ>がヘヴィマシンガンを撃ち続ける。

 爺ちゃん達が開発した追加装甲には対ビームコーティング処理が施されているらしく、最初はビームが弾かれていたが連続で受け続けたことでコーティングが剥がされて徐々にダメージが通っていくのが見えた。


 あの機体を破壊するにはエネルギーを一点に集中した兵装が効果的だ。

 左手に装備していたライキリをサイドアーマーのホルダーに戻し左腕に内蔵されているヤサカニのエネルギーをいつでも開放できるように準備に取りかかる。

 左腕の装甲が展開しヤサカニとラジエータープレートが露出すると放熱が始まり発光する。これで攻撃準備が整った。後は接近して攻撃を打ち込むだけだ。


「<チャリオット>は<クラミツハ>の包囲攻撃を受けて動けなくなっている。今ならやれる!」


 <タケミカヅチ>を敵目がけて急降下させるとフェザーセルが僕を守るように機体の周りを囲んでいた。

 フィオナの細かなアシストに感謝しつつ接近するとフェザーセルが先行して<チャリオット>に次々と突撃、動きを麻痺させる。

 その隙を突いて落下と同時にライキリでV字を描くように斬撃を浴びせ、右腕と胸部装甲の一部を斬り飛ばすとエネルギーを集中させた左手を敵機の胸部に打ち込んだ。


「お前のお陰で良い試験が出来たよ。――ありがとう」


 そう言うと左腕ヤサカニのエネルギーを開放しナルカミを発動した。

 掌からプラズマを帯びたエネルギーが放たれ防御力が低下していた<チャリオット>の上半身を内部から壊していき最後は爆散させた。

 残った下半身は脱力したように大地に倒れ目標は完全に沈黙した。


「標的の破壊完了」

 

 赤熱化していた左腕のラジエータープレートの放熱が終了し装甲を元に戻した。こうして標的の<チャリオット>が破壊されたことで戦闘態勢が解除された。


『やりましたね。最後の連続攻撃凄かったです』


 <クラミツハ>が近くにやってきてフィオナが褒めてくれた。でもあそこまで上手くやれたのは彼女のアシストがあってこそだ。


「フィオナが<チャリオット>の動きを封じてくれたお陰だよ。それにフェザーセルが突撃して隙を作ってくれたから深く踏み込めたんだ。ありがとう」


『そんな事無いですよ』


「そんな事あるよ」


 お互いに褒め合っているとセルティ大尉が通信に入ってきた。胸焼けしたようなげっそりした表情をしている。


『はいはい二人ともご馳走様。皆、あんたらのイチャイチャを見せられてお腹いっぱいよ。近くのハッチを開放するからそこから戻りなさい。――それと、二人とも見事だったわ。今後うちのチームのオフェンスはあんたら二人を中心にしていくつもりだから頼んだわよ』


 通信が切れるとコックピットが静かになる。モニター越しにフィオナと顔を合わせると気恥ずかしさから視線を逸らしてしまう。

 それから二人とも格納庫に戻るまで無言だったが、実力を認めて貰えたという確かな手応えをお互い感じていた。

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