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五話

今回、何の面白みもなくたんたんと話が進みます。

いや、実際余り進まないのですが。

はやく一段落ついてかけあいが出来るくらいまで話が進んで欲しいです。


城門をくぐり、城壁の中へと馬車は進む。


「着いたらまずは部屋に案内するわ。しばらくしたら謁見に呼ばれると思うからそれまで待っててね」


「わかりました」


いきなり王に謁見か。


バレないだろうか?

宮廷魔術師長とかに正体が見破られたり、マジックボックスに手を突っ込んでオーラを調べたりしないことを切に願う。


バレたときのために早めに魔法を覚えたい。


森で使った魔法は短縮形だったらしく、長いスペルを本当ならとなえないといけないらしい。

暗記しなければならないのか。

凄く面倒だ。


あと、風の精霊たちに聞いたが彼女らが知っているのは風の魔法だけで、他の魔法は知らないらしい。


風の魔法以外を誰に教えて貰うかな。

俺は風の精霊の声しか聞こえないし。

………まずはそこから考えなくてはいけない。

先が長そうなこれからのことを思うと酷く嘆息をしたくなった。





だんだんとスピードが落ちて来ていた馬車が完璧に止まる。

どうやら着いたようだ。


扉が開かれ、サラ、ヒビキ、俺の順に馬車を降りた。

俺が地面に両足を着けたとき、俺の横に来ていた兵士に声をかけられた。


「やぁ、少年。さっきは出会い頭に剣を向けてごめんな」


おそらくこの人は森で誰何をしてきた兵士だったのだろう。

声が同じだ。

ただ残念なのは兜のせいで顔まで確認出来ないところか。

「いえ、あなたも仕事ですし仕方がないですよ。あと俺はハヤトと呼んで下さい」


俺の返答に彼は笑んだようだった。

顔が見えないのであくまでも雰囲気的に判断したのだが、多分あっているだろう。


「そう言って貰えるとありがたいね。俺は第一王女近衛団、団長のキース=アレイ。よろしくな」


「あ、俺はヒビキです。よろしく」


お互い名乗りあったところで城から誰かが走って来た。


「ありゃ伝令だな」


団長の言葉通り、彼は俺たちの前で足を止めると伝言を告げた。


「姫様、用意が出来ました」


「わかったわ。ご苦労様」


サラは伝令を労うと俺たちに向き直り、


「じゃあ今から案内するわね」


と言った。






彼女に連れられて城へと入る。


構造や外見はヨーロッパにあるものに似た造りだった。


少し歩くとサラはある部屋の前で止まった。


「左の部屋をヒビキさんが。右の部屋をハヤトさんが使って。案内の人がくるまでうろつかないでね。謁見が終わったら案内するからそれまで待っててね。絶対よ」


自分が案内したいのだろう。

彼女は必死に何度も念を押す。

薄々思っていたが彼女は言動に少し幼いところがあるようだ。

かわいいなと思い、思わず少し笑ってしまった。







部屋は一人でいるのにはずいぶんと広いものだった。

部屋に入るととりあえずベッドの上に腰をおろす。

その際思ったよりもベッドがふかふかで驚いた。

流石王城の客間。


くだらないことに感心していると風の精霊たちが教えてくれた。


〝王様王様〟

〝この部屋穴があるよ〟

〝穴がある〟


『穴、ですか?』


〝そう。穴〟

〝部屋の穴〟

〝空気の通り道〟


それってもしかして


『盗聴用の……?』


〝そうだわ〟

〝そうね〟

〝穴は人のところに繋がっているもの〟


『では魔法かなにかで覗かれていたりしませんか?』


〝ちょっと待って〟

〝見てみるわ〟

〝うん。見ている人がいる〟

〝いるわ〟

〝どうするの?〟

〝どうしようか?〟


『一応、見ている人と聞いている人、その人たちの顔を覚えていて下さい』


〝わかったわ〟

〝わかった〟


盗聴に監視か。


もしかして俺が魔王だとバレている?

いや、それはないはずだ。

それにしては警備体制が緩すぎる。

俺を危険視しての行動ではないだろう。


サラは何も知らなさそうだし、王の命令ではないのだろうか?

だとしたら、勇者を取り込みたい派閥かなにかか?

いや、まだ王の線がなくなったわけではないのだから容易に結論付けるのは危険か。


『困りましたね。魔法について練習しようと思ってましたのに』


〝なら結界を張ればいいわ〟

〝外の人には感知されない結界〟

〝スペルは私たちが教えるわ〟



けれど結界を張れば俺が魔法を使えることがバレる……遅かれ早かれ勇者補佐なんだからバレるか。

魔獣の討伐とかしないといけないだろうし。

しかし結界を張るってことは監視に気付いていると相手に伝えしまう。


俺は色々と考えたのち、


『頼みます』


結界を張ることにした。


〝じゃあ唱えてね〟

〝今回は短縮形じゃないからね〟


「集え、我らを護りし者よ。彼の力をもって今ここに外界からの遮断を。興れ、〝風陣〟(フウジン)」


風が吹き、髪の毛が煽られる。


自分を中心にしてドーム状の結界が形成された。


〝成功ね〟

〝成功したわ〟


「ん。ありがとう」


彼女たちのおかげで結界を張れたので、早速魔法を練習してみることにする。


俺にはどこかの小説のようにとある流派の跡取りなんて設定はない。

せいぜい中学の時に体育で竹刀を振り回したぐらいだ。


だからファンタジーの世界で生き残るには魔法を覚えるしかないだろう。

せっかく魔力は十分にあるのだし。


いや、剣に憧れなくもないんだけど、練習するのもちょっとな。

俺は楽したい。


というわけで、風の精霊たちに色々な魔法のスペルを教えて貰った。




その途中、前から気になっていた質問をしてみた。


「俺は風の魔法しか扱えないのですか?」


〝そんなことないわ〟

〝火、水、土。全部出来るわ〟

〝精霊たちに気に入られているもの〟


「気に入られている?どうしてですか?」


〝私たちの存在を感じられる〟

〝気付いてくれるから〟

〝そして何より───〟


コンコン。

部屋の扉が叩かれた。

謁見の時間か。

彼女たちの話を聞きたかったが仕方がない。


俺は彼女たちに詫びを入れると結界を解き、扉を開いた。




今のところ八話にヒロインが出てくる予定。

それまで長い。


掛け合いは九か十話辺りでやっと入れられる予定。

けれど予定は未定。

……期待はしないで下さいね。

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