十話
すみません。
まずは言い訳をば。
小説書こうと思ったら寝てしまって起きたら日付が変わってました。
それから書き始めたので3時になってしまいました。
ちなみに念がややこしいのでこの話から──を『』に変えました。
話は変わって……
総合pt400突破ー!!
凄く喜んでいる作者です。
入れて下さった皆さんありがとうございます!!
イリスの存在を隠しとおせたことに安堵しつつ、焦ってしまったせいで未だに心拍数が上がったままなのを無視して極めて平静を取り繕う。
「何か用がありましたか?影が薄いと感想で言われた勇者さん」
「いきなりのご挨拶だな!!そしてそれを言うな!結構気にしてるから!」
叫んでくるヒビキを無視してソファーまで移動する。
ヒビキはショックを受けたのか肩をおとして対面に座った。
「なんかお前、どんどん俺に対する言動がひどくなっていっていないか?」
「打ち解けて遠慮がなくなっていっているだけです。いい傾向じゃあないですか」
さっきのは少し焦っていたから本音が出てしまっただけなのだけど、ヒビキに対して遠慮がなくなってきているのもまた事実だ。
だってからかうと面白いんだからしょうがない。
「俺に被害がこなきゃな……」
何故かどことなく疲れているように見えるヒビキ。
気を取り直すようにひとつ咳払いをした。
「なんとなく視線を感じて見張られているんじゃないかと思ってな。お前のほうはどうなのかと思ったから来て見たんだ」
気付いたんだヒビキ。
野生のカンかなにかか?
「───お前のとこからはそんな感じはしないな」
ヒビキは部屋を見渡してそういった。
「ああ、それは───」
と説明しようとして俺は口をつぐんだ。
部屋に帰って来てから〝風陣〟を張った覚えがない。
ということはまさかイリスとのやり取りを見られていたのでは、と考えたが急いで取り消す。
先程ヒビキが監視の視線を感じないと言ったではないか。
────では、何故?
そこまで考えると聞き覚えのある声が頭に響いた。
『ハヤト、監視の奴らは全部私が倒してしまったぞ』
念でイリスが話しかけてきたのだ。
『イリス、いきなり話しかけないで下さいよ。念で話せるなんて聞いてなかったんですから驚いてしまったじゃないですか』
『……その割には顔の筋一本も動いていないが』
対面にヒビキがいるんだ。
そんな愚は犯しません。
それよりも、だ。
『姿は見られましたか?』
『おそらくは……不味かったのか?』
『いえ、何も言ってなかったので仕方ないですよ』
精霊と契約をしていることがバレてしまったか……。
そして攻撃してしまったということは相手と敵対すると言ってしまったということで────頭が痛いな。
「ハヤト?」
黙りこんだ俺を訝しく思ってかヒビキが声をかけてきた。
いけない。
思考に集中して会話していたことを忘れていた。
「すみません。えっと、監視のことですが、全員倒してしまったみたいですね」
「マジかよ。そういえばお前普通に魔法使えてたもんな」
すげー、とヒビキがこちらを見る。
そんな視線を投げかけられては居心地が悪い。
「そういうヒビキはどうなんです。勇者でしょう。普通の魔術師の10倍の魔力があると聞きましたが」
そう俺が問うとヒビキが唐突に沈んだ。
何か悪いことでも言ったかな、俺?
「ヒ、ヒビキ?どうしたんです?」
「俺はまだ魔法を使えねぇんだよ」
机に突っ伏してそう言った。
森でも使っていなかったしな、と納得。
「よし、ハヤト。今から練習に付き合え」
ヒビキがガバッと顔を上げる。
「別にいいですけどね」
俺としても勇者の力量をはかれるし、アドバイスも出来ると思うが────何やらおかしなことになってしまった。魔王が勇者の手助けなんてね、と内心で苦笑する。
ヒビキにはせめて死なない程度には強くなって貰わないと。
俺は彼を死なせたくはないから。
────だって、そのほうが面白そうでしょう?