4.1人で釣りに
目が覚めると雫のような形をした水色の小さな生き物が僕の上を飛んでいた、不思議と怖さはなく物凄く安心感が湧いてくる。
「ぴゅいぴゅい!」
「君はいったい?妖精?」
「ぴゅい!」
「卵が1つ少なくなってるから、君が生まれたってことかな?」
「ぴゅーい!」
多分僕の気持ちや伝えたいことは理解しているみたい。
そんなことをしているとドンドンと今日も扉を叩かれる。
「ルイーン!聞いてよ聞いて!!私すっごいことがねって、、、なにそれー!?」
「もしかして、フリルにもこの子の事が見えるの?」
「私にも見える!やっぱりルインは嘘ついて無かったんだ!!」
「あー、それって少しは疑ってたな?」
「そ、そんな事ないよ!ってルイン!!そういえば私神様からお告げを貰ったの!」
「そうなの!?なんて言われたの?」
「えへへ!貴方には聖女の力を渡すから手が届く範囲全てを癒しなさいって言われたよ!」
「聖女?聞いた事ないけどお父さん達に話をしてみようよ!」
「その事でね、私のお父さんに話をしたらルインの家に行こうって言われてお父さん達はもう下で話してるの。」
「よくないことなのかな?僕のこともあるし下に行ってみよう!君も付いておいで!」
「ぴゅい!」
僕達が下に降りて行くと、お父さん達は険しい顔で話しあっていた。
「フリルの言う事が本当だとしたら、王都へ連れていかれるんじゃないか?」
「ルインも昨日お告げの様な事があったみたいなんだ。以前王都の神殿で神官様と話をした時には15になるまでは無理やり連れいていくことはしないと決まっているようだったが、、、」
フリルは不安に思ったのかこちらに気がつかない2人に声をかけた。
お母さんは奥で朝ごはんを作ってくれているようだ。
「お父さん達どうしたの、、、?」
「フリル!なんでもないんだよ。ルインのお父さんに少し相談をしていたんだ。」
「そうだ、お父さん!ルインは昔から本当の事を言ってたんだよ!ほら!見て!」
ルインの周りをグルグルと飛んでいる精霊を指さし言う。
「フリル何を言ってるんだい?何もいないじゃないか。」
「お父さんには見えないの?ルインのお父さんは妖精見える?」
「フリル本当に何かいるのかい?悪いが俺達には見えないみたいだ。ルイン本当なのか?」
「昔からこの事は言っちゃダメって言われてたから言わないようにしてたんだけど、多分卵が孵って妖精になったみたいなんだ。」
「ルイン、フリルこの事はあまり外では話さない方がいい。恐らくだが2人にしか見えていないのか、その理由がわからない。お告げに関わることかもしれないが自分でしっかりと理解できるまではここに居るみんなの秘密だ。」
「分かったよ、お父さん。」
「フリル朝ごはんの邪魔しちゃいけない私達も帰ろう。」
「わかった!ルインまた今度ね!秘密は守るからね!」
「フリル達もご飯食べていったら?用意も、もうすぐできるわ。」
「ありがたいが、私達も用意してきてしまったんだ、また頂くよ。」
色々解決しないまま話は終わり、僕は1人で釣りに出かけるのだった。