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開国のプネブマ  作者: なまちゃ
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3.なにかの鳴き声が聞こえた気がした

夜遅くトイレに起きるとお父さんとお母さんが、怖い顔をして話をしていた。

扉の隙間から二人の様子を見ながら話を聞いてみた。


「このままの天候が続けば確実に例年の量には届かないな」

「今年の総量の中から6割程度では納得いただけないのかしら、、、」

「食料の収める量が少なくなると貸し与えて頂ける土地がさらに少なくされるんだ。そうなるとどんどん収穫量が少なくなって、農業では生きて行けなくなる。俺には他にできる仕事もないしせめて雨が降ってくれたら俺達だけじゃなく村全体もたすかるんだけどな。」


僕が生まれてくるよりもずっと前はよく雨の降る肥沃な土地だったみたい。

山には大きな川が流れて魚もいっぱいいて食べ物に困ることはなかったんだとか。

とあるときに魔族や亜人族との戦争の時に、魔王の攻撃で大きな川は底が見えないほど深く大きい谷になってしまい川は干上がり山には魔物が出るようになったとか。

昔の話でよくは分からないけどこの辺りの昔話としてよく聞かされていたな。

最近では雨も降らなくなり、川からも離れているから作物に水をあげるのにも物凄く大変だとお父さんが言っていた。


「私もできることはするから、子供達の為にも一緒に頑張りましょう!」

「子供達?ルインだけってお前まさか、、、?」

「そうみたいなの!だから根を上げずに2人で頑張りましょう!」

「そうだったのか!なんだもっと早く言ってくれれば仕事も減らすよう考えたのに!」

「今は私も頑張るから2人で子供たちを支えましょう。」

「ルイン達の為にも二人で頑張っていこう!」


こっそり聞いちゃったけど、どうやら家族が増えるみたいだ!

嬉しい話もあったけど、もう何ヶ月も雨が降ってないから、やっぱり作物の育ちが悪いみたい。

トイレからベッドに戻り、目が慣れてきて暗闇の中天井を見上げ考える。

僕にどうにかする力があればお父さんとお母さんを少しでも楽にしてあげられるのかな。

どうしようも出来ないことはわかっていたけど、自分が特別だったらと考えながら眠りに落ちていく、そんな時ぴゅい!となにかの鳴き声が聞こえた気がした。


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