「10.殺されると直感してしまった」
それからどれくらいその場に座り込んでいただろうか。
日が傾きこれ以上山の中にいては怖いと感じた為帰り支度を始める。
「そろそろ家に帰らないとお父さんに叱られちゃうね」
「帰るー!」
「初めての狩りだったけどいい成果をあげられてよかった!
これもシグレががんばってくれたおかげだね!」
シグレが勝手に攻撃したりするのは初めてでびっくりしたけど、
無事に帰れそうで良かった。
当のシグレは楽しそうに倒したイノシシの上を飛び回っている。
「ルー!これもってかえる!」
明るい茶色の毛皮を剝ぎ取れば良い値が付いたんじゃないかと感じる、大きなイノシシだった物の上をシグレが飛んでいる。
シグレの方を向くとお父さんの手のひらよりも大きい赤い石が、イノシシの内部より顔を出している。
「これは?」
「なにかにつかえるかもー!」
言われるがままに赤い石を氷の箱へしまう。
どんどん日が傾いていっているので、来た道を戻る。
辺りがオレンジ色に染まり長居してしまったことを後悔するも時間は待ってくれない。
足元も見えづらくなりこれ以上暗くなってしまうと危険だと感じる。
しばらく戻るが、山の入り口までようやく半分といったところ。
心臓の鼓動が次第に早くなるのを感じる。
「何か嫌な予感がする」
少しでも早く帰りたかったが焦る気持ちが更なる不幸を呼び込む。
あの大きなイノシシと同じ大きさのイノシシが向かう先に倒れている。
その隣には白い身体のイノシシがいた。
どうやら白いイノシシがもう一体を食べているようだ。
問題なのはその白いイノシシの大きさだ、
倒れているイノシシより2まわり以上大きい化け物だ。
あれに見つかったら殺されると直感してしまった。




