9.その場に座り込んでしまった
シグレと二人でどんどん山の中を進んでいく。
あれから追加で2匹のウサギを狩り氷でできた箱へ入れてある。
その氷の箱もシグレが浮かせてくれているからあまり色々考えず探索ができる。
入口と比べて山菜や珍しい薬草も沢山生えている為採取しながら進んで行く。
「シグレ!狩りもうまく行ってるし結構奥の方まで進んできたね!」
「ルー、そろそろ帰らない?」
「まだ大丈夫だよ!もう少し探索してみよう」
もう少し奥へ進んで行くと大きなイノシシが目に入る。
おおよそ僕が二人分くらいの体の大きさだ。
こんなに大きなイノシシを見たことがなかったので、
きっとこの山の主だろうと想像した。
今までのウサギの戦法ではうまくいかないだろうことは簡単に予想できる。
しばらく木や草の影に隠れながら追いかけて休憩しているのか横たわったのでシグレに指示をする。
「シグレ、ウォーターボールを5個出して大きく鋭く尖らせて凍らせて」
「わかった!」
氷の塊は鋭く尖り宙に浮いている。
「シグレ、これを思いっきりイノシシにぶつけて!」
「わかった、飛ばすよ!」
「シグレ、アイスランス!!」
イノシシ目掛けてアイスランスが飛んでいく。
命中するも大きな体からは血も流れていないが、ダメージは少し入っているようだ。
「ブオオオオオオオオオオ!!!!」
「やばい、効いてないみたい早く逃げよう!!」
「ルー、私やってみたい!任せて!」
「シグレ!?ダメだ逃げよう!」
シグレは僕のいう事を無視して高く飛び上がる。
久しぶりの脱力感と共に辺り一面霧に覆われる。
更なる脱力感で僕は驚く事になる。
「こ、これは・・・!?」
さっきのアイスランスが100個はあるだろうか、更にサイズも大きくなり辺り一面に浮いている。
イノシシは訳も分からない様子で辺りを見回すももう遅い。
「いけえええ!!」
無数のアイスランスは瞬く間にイノシシに迫る。
数回のアイスランスでは大きなダメージにならなかったみたいだが、
次々に放たれるアイスランスの前にイノシシはなすすべなく息絶えている。
だがしかしアイスランスの雨が止まることなく降り注ぐ。
「こ、これはとても食べられないね・・・」
「ルー、倒せた!」
初めて見る大きな敵、かなりの脱力感から、霧を解除し僕はその場に座り込んでしまった。




