表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

キケケケ(参考作品:フィンセント・ファン・ゴッホ 作 夜のカフェテラス)

ショートショートです。フィンセント・ファン・ゴッホ 作の 夜のカフェテラスを元に着想を経て描きました。

一八八八年冬の中頃の話だ。当時私は名も無い画家として活動していた。

確か、その日はいつものように露店に置いた私の作品達をまとめアトリエに向かっていたきがする。

途中、腕が弱弱しく私の肩を叩く。振り向くと老人が立っていた。左右反対を見ている目、ボロボロな服好き放題に生えたひげ、耳には悪魔のような首が付いたピアスがギラリと光っていたはずだ。『なにかください』と書いた紙を笑顔で私に見せてくる。

何かとはどういうことだ?そう思いながらも私は与える物を探すために持ち物を漁った。

しかしことに渡せるものは無かった。絵でも渡したらよいのかもしれないがこれは私にとって大事な商売道具だ。渡すことができない。

「すまない、渡せるものが無くてな」

私は申し訳なさそうに両手を開き見せた。

老人は甲高くキケケケと不気味に笑うとどこかへといってしまった。

私もまた歩き出した。少し歩いたくと香ばしい肉とハーブの匂いが私の鼻孔に入る。

私は臭いに釣られ匂いの元を追いかけた。すると一つのレストランが目に入る。

昔ながらの建物が多いこの町の景観沿わないほどにきらびやかだった。

「こんなところに店があっただろうか?」

衝動的に店のカフェテラスに座る。店主からメニュー表受け取りアリゴを注文する。

空気に酔いしれているとおなかが鳴る。今日は何も食べていなかった。

そうこうしていると店主が皿をもってこっちにやってくる。私は待ちきれずテーブルにある皿に顔を除く。


しかし、皿の上にあったのはあの老人の首だった。

首は、キケケケと甲高く笑ったままこちらを見ている。

「うわぁっ⁉」

思わず椅子から転げ落ちる。

「キケケケケ」

私は、思わず後ずさりをした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ