三匹の子豚
偽りの神々シリーズ
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
シリーズの6作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
※
実際僕たちは、市民権を得ていないので、家を建てることは簡単ではなかった。
でもリーインリーズが火の低級精霊と交換で、彼女の領地の幾らかを僕たちの所有地にしてくれた。
うわー。
異世界で土地持ちになっちゃったよ。
普通の高校生だったころは考えもしなかった。
坪数にすると、どうかな軽く300坪くらいあるかもしれない。
「猫の額ほどの土地だがな」
どんな金銭感覚ですか、和木君。
その横で同意している樫木も、家が神社じゃなぁ。
こいつら相手じゃ有り難みが薄れてくる。
あのね、すごいことだよ。
無一文で、食糧難。
ほとんど裸一貫でこっちの世界に来たんだから、もっと感動しようよ。
僕は目を輝かせた。
それから。
「ここに小屋くらいなら建てていいかな?」
「いいやんいいやん、それくらい」
なんか隠れ家みたいで楽しそうだ。
僕は小学校の時からアクティブなことは二次元の中でしか体験していない。
木の上に住んでみる主人公の話も見た。
自分達の力で小屋を建てたりするなんて、ワクワクするよ。
この世界に来て感じたことは、二次元で想像ばかりしていたことだった。
それを現実で体験するのは、めちゃくちゃ大変だってことだ。
しかも自分たちが暮らしてきたみたいな文明社会はここにはない。
お金を出せば何でも揃うっていうルールは、通用しないのだ。
「小屋なんで作る?」
僕が聞くと樫木が答えた。
「木でいいんじゃない? 簡単そうだし」
「いや、寸法合わせて木を切るの大変そうだから、煉瓦造ってのは?」
和木がいう。
「でも煉瓦積むの結構大変なんちゃうか?」
確かにレンガなら、焼けば同じ形のいっぱい作れそうだけど。
このノリはなんだか……。
僕はニヤニヤと笑ってしまった。
「このノリで誰が1番いい小屋を建てられるか競争したら面白そう」
三匹の子豚みたいだ。
ジロリ。
僕の考えを察したように、和木に睨まれた。
「お前の頭は、ーーいつもいつも、どこへ旅行に行くんだ!? 現実見ろよ」
気ままに投稿しています。
お付き合いよろしくお願いします。