見えてなかった者
こんばんは。
楽しみで書いています。
来月は師走ですね。1年はあっという間。
書いているとほんとあっという間です。
米
うっわッ!!!
ジウスを目にした次の日から、僕は日常目にするものが変わった。
なんだよ、これ!?
体半分腐りかけたウォーキングデットが厨房にいた。
ありとあらゆるところに、ゾンビがいる。
僕、死んだのかな??
錯覚するほど、日常が変わってしまった。
ジウスに会ったその時から。
しばらくは無視したけれど、見えてしまうから無視するのは限界。
目合うし、普通に。
ゾンビもこっち見てきて怖いし、キモいし。
ゾンビよ、ゾンビ、ゾンビさん、君だって好きでゾンビしてるんじゃないと思うけど。
僕もできればゾンビになるのは遠慮したいんだ。
だから目が合ったとしても、襲ってこないで。
特に、バイオハザードのスピードでの動きはやめて。
ウォーキングデットのノロさで動いて。
それなら多少、体力自信のない僕でも頑張るから。
あ、でもーー。
だから、調理場で目を合わせてくるやめてってば。
僕は顔を背けながら聞いてみた。
口なんてききたくなかったよ。
でも厨房にいるんだもん、体半分くさりかけた、呪いの根源みたいな人。
三人くらい。
一人でもやばいのに、三人だよ。
僕以外の人も気づけよ。
「僕はさ、人が食べる厨房って神聖な場所で、腐りかけた者がいるってまずいと思う。ごめんね。食べ物でも腐ったら即効捨てるのに、君たち人の体腐られながらここにいるんで、どうしたらいいかなって思ってて」
体半分が厨房と同化しており、腐りかけて動けない存在が、眼球だけをぎょろぎょろさせていた。
「おまえ、最近ひとりごと多すぎるだろ?」
和木に心配される。
「腐ってるのに、みみっちくとっとくなよな。食あたりほどひどいもんないんだから」
「うんーー」
僕だって全部ゴミ箱に捨てたいよ。
人間が腐りかけてるんじゃなきゃね……。
でも僕は不可思議なことを信じないタイプの人間なんだ。
たとえこの目で見ていても。
「ああ。僕の脳壊れたのかも知れない……」
錯覚が見えるのは、脳の誤作動だと思っていたから。
「ちょっと休めよ」
和木に言われた。
「だよね。異世界にきて過酷だったから、脳が消耗しちゃったのかもね」
「そっか」
「ゾンビ見えるとか異常事態だよね……」
僕はうなだれた。
それなのに和木は、珍しく驚いたようにこちらを見る。
「あ、おまえにも見えるんだ」
えっ!!
「げえぇ!!!」
心の声がリアルな音声になると、えげつない声になった。
「見えてたの?」
「見えるだろ、普通」
「見えないよ」
先は肩をすくめた。
「おまえは絶対見えてないだろうと思ってたから話題にしなかったんだけど、最近増えたな。人間の生ゴミ」
僕は和木君に抱きついてしまった。
「いるの? 僕の脳がバカになっただけじゃなく、いるの!?」
僕はガタガタと震え上がった。
いや、二人の脳が壊れている可能性だって。
「厨房調理場、竈門の奥に一人、それから入口で地面にめり込んでるの一人、あとはおまえの後ろに一人だよなぁ」
わぁぁぁぁ!
いやだぁ。
「和木君、今日は一緒に寝て」
僕は懇願した。
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偽りの神々シリーズ紹介
1「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
2「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
3「封じられた魂」前・4「契約の代償」後
5「炎上舞台」
5と同時進行「ラーディオヌの秘宝」
6「魔女裁判後の日常」
7「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
8「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
9「脱冥府しても、また冥府」
10「歌声がつむぐ選択肢」
シリーズの10作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー