その気遣いって間違ってない!?
こんばんは。
書き始めると、こっちのシリーズはウワァァって書ける。
書きたいことというか、日頃思っていることを要所要所で書いているからだなぁ。
たぶん。
※
「熟成装置できるまで、こっち手伝わなくて大丈夫だから」
和木にそう言われた僕は、結局新居の研究室にこもることになった。
引きこもりって、任務とかないから気楽なんだよね。
こんな重大なミッションがあったら、悠長に引きこもってられないって。
僕は熟成を早める装置のついての知識を、頭の中の書庫から引き出していた。
マイクロ波、磁気、それと冷却装置。
磁気と冷却装置は以前研究したから、そう難しくない。
でもマイクロ波……。
レンジがないこの世の中だと、これが厄介な代物だった。
「おまえならできる」
無茶振りがひどい。
僕はこっから三日、徹夜することを覚悟した。
原理は頭の中にあるから、できると思うよ。
でも熟成期間を二日取りたかったから、1日で完成しないといけない。
うぉぉぉーー。
初めてチャレンジしたバスケよりも過酷だった。
久々に寝食を忘れてっての、やってしまったよ。
ゲームの発売日でもないのに。
オンラインのイベント中でもないのに。
「ちゃんと食べろよ」
「誰のせいだよ!?」
差し入れを持ってきた和木に、僕は言った。
あっ、いつもの心の中の声がダダもれになってしまった。
ふん、と和木は鼻を鳴らす。
「あ、いや……。僕が偉いさんに料理食べさせようって言ったんだから……」
僕のせいだと慌てていると、和木に言われた。
「おまえさ、いっつもそうやって本心でしゃべりゃいいのにな」
そういって海苔で巻いたおにぎりを置いていく。
「こんな時は片手で食べられるもんがいいんだろ?」
なんだ、なんだ!?
和木が優しい。
追い詰められていた僕は、思わずウルっと涙腺をゆるませそうになった。
「だから寿司ネタの方は、刺身で俺と樫木で試食しといたからな、がんばれ!」
おいっ!!
僕にも刺身置いといてよ!
「心配するな」
やっぱり優しいとは言えないチーム異世界転生だった。
感想、足跡、コメント、評価、ブクマが次の活力に。
何卒反応よろしくお願いします!
偽りの神々シリーズ紹介
1「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
2「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
3「封じられた魂」前・4「契約の代償」後
5「炎上舞台」
5と同時進行「ラーディオヌの秘宝」
6「魔女裁判後の日常」
7「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
8「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
9「脱冥府しても、また冥府」
10「歌声がつむぐ選択肢」
シリーズの10作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー