めでたいことなんだよね?
こんばんは。
オタクシリーズ、続き書いてます。
お付き合いよろしくお願いします。
日常に「よゆうっ♪」」の時は、昼休憩にUpできるんですが。
※
「ねぇねぇ和木くん、僕はさ、そんな心配することないと思うんだけど」
黒田の次に、和木が心を寄せた恋愛対象がリーインリーズ伯爵なら、僕は祝福したかった。
ジェンダーレスは未だまだ生きにくい世の中、特に異世界では特殊だと思われかねないから、和木がリーインリーズ伯爵の美ボディな女体に夢中になってくれてよかったよ。
僕は少しだけお節介になってしまった。
昨夜は初めて酒に酔う経験をして、うっかり寝過ごしそうになったけれど、僕は伯爵家の朝食を準備する和木の背中を追っていた。
「だってこんなに毎日、美味しい食事を届けてるんだもん。伯爵だって、きっと和木くんがいいよ」
「はぁ?」
ツンデレな和木は、相変わらず何食わぬ不機嫌な顔をしている。
「僕は祝福するって」
脱ジェンダーレス?
いや、どっちもいけるって人類最強かも!!
「ーーおいっ!!」
僕は和木に耳をつまみあげられて、罵声を浴びた。
「おまえはどうしてそう、妄想癖が治らない!?」
目をぱちくりさせながら、つままれている耳の痛みに和木を見つめる。
「ーーだって、リーインとか和木くんが……」
「そんなくだらない話はどうでもいいよ。おまえ、イドゥス大陸にリーインリーズ伯爵が居なくなったら、俺ら次の日にも、せっかく所有した土地と家を失うかもしれないってわかってる?」
ーーえっ??
僕は表情を馬鹿みたいにこおりつかせた。
「やっぱりな……」
和木は頭を抱えている。
「おまえ、俺らがどれだけ伯爵家に守られているか、わかってないんだ。樫木は、その庇護がなくなっても、陰陽師っての? 神官になった立場で生きていけるけど、俺は単にコックで、おまえはそのコックの補佐役だろ?」
具の根も出なかった。
「リーインが居なくなれば、俺らみたいな変わった料理人、誰が必要とするんだか?」
和木の不安な本心を聞いて、僕は悟った。
「そっか! 和木くん、僕らはチャンスを得たんだね!!」
「ーーどうしてそう言う話になる……?」
だって!
僕は顔を輝かせた。
「その偉い人、リーインリーズ伯爵の館に泊まるんだから、僕たちの料理食べてもらえるってことでしょ?」
「ーー!」
なんでか和木は黙ってしまった。
「そう言うことだよね? 他に泊まられたら、和木くんの料理食べてもらう機会がなかったけど、僕たちにチャンスがあるってことなんでしょ?」
僕は期待に胸を膨らませていた。
しばらくして和木は少しだけ視線を上げる。
「ーーそう言うことになるらしい……」
「だよね!」
僕は嬉しかった。
「和木くんはさ、僕たちの新しい家の庭で、どんな食材でも手に入るようにしたんだから、僕たちはきっと偉い人の胃袋を必ずつかむことできるよね!?」
「ーーそうだな」
いつもより低く、目力に力を入れた和木が、僕に首を縦に振った。
感想、足跡、コメント、評価、ブクマが次の活力に。
何卒反応よろしくお願いします!
偽りの神々シリーズ紹介
1「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
2「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
3「封じられた魂」前・4「契約の代償」後
5「炎上舞台」
5と同時進行「ラーディオヌの秘宝」
6「魔女裁判後の日常」
7「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
8「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
9「脱冥府しても、また冥府」
10「歌声がつむぐ選択肢」
シリーズの10作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」