zoomミーティングみたいな
こんばんは。
本日は芸術の秋を楽しみ、フキギュアづくりをしておりました。
サナレスの胸像フィギュアを作って、完成半ばで、キングダムのエイセイを作っていると
「あ、アセスになっていく」
と自分の小説好きっぷりに、うなだれました。
好きで書いている人間は、やっぱちょっとやばいんだ……。
※
「なんだ? アポロ」
会議は異空間に浮かぶ冥府の歪みで行われている。
この異空間を自分たちはバグだと言っていた。
あらゆる世界のバクが集まる場所は、ヨアズが元いた世界では天空に浮かぶ大きな黒い球体だった。
だから長くは滞在できない。
冥府の王とはいえ、自分たちは世界の中で発生したバグなのだ。
バクは異世界を行き来して、バグ同士、こうして会話することを覚えている。
「お前が、異世界転生者を懸念したことなんてなかったから、なんか気になってね」
「ーー」
「ソフィアと言ったか? お前があのやせっぽっちの少女を気にしていたのは知っていたから、私はお前が冥府にとどめ、転生すらしないことを容認したが、逃したのか?」
ヨアズは黙っていた。
「お茶でもするか?」
「そんな時間はありません」
「愛も変わらず、お前は優雅さのカケラもない」
ヨアズは用心深い性格だった。
「バク同士集まり、数値が高くなった時、我々は処分される。ソフィアが勝手をして、数値が高くなっている今、我々はなるべく集合しない方がいい」
「私たちのように生きた時代に縛られた者は、この世のバグとして始末される。無念、再生されてゼロクリアされても残った記憶は全部バグだからな……」
ヨアズは吐息をつく。
「本当はバグという言い方自体、私は好みではありません。感情とか意志ってのは、生命である最後の砦なのだと思います」
「闇の統治者のお前の方が、はるかに前向きなのがムカつくーー!」
人の国では太陽神といわれた朗らか(ほがらか)なアポロは、宙にでも浮くような身軽さで、テーブルの上に座ってヨアズを見ていた。
「機会を頂きましたので、こちらからも最後の質問をしてよろしいか?」
「なぁに?」
ヨアズは一千年以上自分の身なりを構わなかったので、伸び放題の漆黒の髪が自分の足元でとぐろを巻いていた。
会合に向かうたびに踏みつける邪魔さを感じていたので、そろそろ切らなければ、となぜかこの時アポロに聞きたいこととは別のことを頭におもい浮かべていた。
「太陽神アポロ、あなたも後継が必要な年齢になっていると思いますが、どうでしょう? 私の読みが間違っていなければ、闇と光の後継は同時に引き継がれないといけないのでは?」
アポロは笑う。
「お前は相変わらず堅実だけどさぁ。僕は後継なんて考えていないよ。僕が死んだら、ずっと光がささなくてもいいかなって思ってるし、僕、自分の寿命なんて考えたことないんだよねぇ」
アポロらしい回答だった。
それは是が非かで考えた時に、肯定を意味している。
「わかりました、あなたってけっこう横着ですものね。私の方で考えておきます」
次の闇と光を継ぐバグはどこにいる?
ヨアズは意識を冥府に向けた。
一瞬で玉座に移動できる。これは自分が完全に魂でしかないという証だった。
感想、足跡、コメント、評価、ブクマが次の活力に。
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偽りの神々シリーズ紹介
1「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
2「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
3「封じられた魂」前・4「契約の代償」後
5「炎上舞台」
5と同時進行「ラーディオヌの秘宝」
6「魔女裁判後の日常」
7「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
8「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
9「脱冥府しても、また冥府」
10「歌声がつむぐ選択肢」
シリーズの10作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー