表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/58

自分を売る能力はなくても。

こんばんは。

こっちのシリーズも書き始めました。


挿絵が描けてない。

人って、時間上できないことを言い訳にするな。

花粉症の私は思います。

「鼻詰まるんだよ!」


        ※


 和木から真実を聞かされてからは、僕の心の片隅には、いつもバスの事故のことがひっかかっている。


 それでも日々、時間は経っていって。

 樫木とリオナは別れてしまった。


 いや、最初から付き合ってたのかどうか、僕には不明だ。


 リオナはリーインリーズ伯爵の家を出て、呪術の修行の旅に出ていった。


         ※


 僕達はまだ迷える子羊だ。


 現代社会で存在していれば、高校二年生になって、次のインターハイを目指しているようなひよっこなのだ。


 でも異世界転生して僕たちは、急に自分の食うものを自分で得なければならない、つまり学生じゃなく、大人になった。


 行かなきゃならない学校はなくなった。

 元不登校時の僕にとっては、学校に行くことは僕の人生の最重要任務だった。


 でも異世界に来たら、学校なんてどうでもいいんだ。

 大人になったら、学校が基軸ではなくて、どうやって食べるためのモノ、生活を安定させる暮らしを形成させるかってことが大事なんだな。

 それを知った。


 学生生活は、現代でも単に、社会に出て生きていくための力をつけるための場所だった。


 そんな学校って場所を人間関係で怖がったり、さらに社会に出ることを怖がっていた僕は。

 たぶん親という、森家の小さな家庭に守られすぎていた。


 価値観が変わっていく僕は、

 その有り難みを嫌というほど知っている。


 父マキちゃんに感謝していなかったかといえば、違う。

 僕は父マキちゃんや、母ルイさんに食わせてもらった。

 育ててもらった。


 心理学でいうところ、人間ほど無防備に生まれてくる生物はいないらしい。

 生まれてきた仔馬は、すぐに立ち上がろうとするのに、人間は脳ばかりが発達して、親がいなければ世の中に適応できないんだ。


 そんでもって人間が考えた義務教育。

 義務教育どことか、成人するまで親にその子を育て、その子の行動に責任を持たせる。


 子供はしてもらうばっかりなのに。

 他の家庭と比べて自分の親を評価して。


 賢い頭で親を値踏みまでして。


 感謝することを忘れているんだ。


 死んでから僕はわかった。

 産んでくれてありがとう。

 育ててくれてありがとう。


 僕の家庭環境は人とは違っていたけど、マキちゃんは書きたい純文学ではなくて、家族のためにお金が稼げるエロ系小説家になってくれた。


 ルイさんはさ。料理なんて作ってくれなかったけど、綺麗な容姿を活用してAV女優として金を稼いでいた。


 僕には二人のような才能がない。

 今でこそ両親の有り難みと才能に感謝したかった。


 他の家庭の子が、母親の手料理で夕食を囲むことが羨ましくて。

 自分の家庭はダメなんだなって思っていたことがあった。


 CMに出てくるような、シチューを囲む家族に憧れていた。

 青春真っ盛りみたいな、友達付き合いに憧れていた。


 でも大事なのは、そんなことじゃないんだよ。


 どんだけ文明が発達しても。

 生きるってことが大事なんだ。

 生かされているってことへの感謝が大切なんだ。


 一回死んで、現世との繋がりのほとんどを絶ってしまって、自分は感謝を知った。


「和木君、僕ほんと今自分たちの力で、家を建てたい。生活力つけたいよ」

 和木は僕の方をチラと見る。


「だって樫木はクエストとか、呪術力で自活できるだろ? でも僕はまだ自活できるほどの特技がないからーー」

「あ、そう」


 僕が真剣に言っているのに、最近惰性だせいで料理している和木は、惰性だせいで相槌を打ってきた。


 なんだよ、もう。

 本気で言ってるのに。


 あまりにも反応が薄くて、肩を落とした僕に、和木はいう。

「お前、そんな力まなくてもお前は自分のプロデュース能力がないだけだろ? 能力俺たちより高いし。そんなの俺がやってやるよ。お前を金にしてやる」

 それが役割分担だと、和木は当然のように言ってきた。


 いい言葉のような気がしたけれど、和木くんに言われると、微妙だった。

「売り飛ばさないでね……」

 


 偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

シリーズの7‘作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ