進路に迷うし
偽りの神々シリーズ
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
シリーズの6作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
※
世界はいつまでも平和ではない。
平和ボケしている現代人にも、容赦なく降りかかる。
自然災害、テロ、戦争、そして病気ーー感染症。
人類ってどれだけ文明が発展していても、これらの災厄とイタチごっこを続けている。
ただ平和ボケ続きの現代人は、
あまり生命の危機を感じていない。
経済が暴落するとか。
仕事が無なくなるとか。
旅行に行けないとか。
どっちかっていうと金銭やレクリエーション不足に目がいっていて、
命の危険性、軽視してるかもな。
コウは1年前、インターハイ行きのバスの事故で、バスケのチームメイトの多くを失くした。
2年目のインターハイに向けて活動を始めるが、2年生は自分一人だった。
同級生のチームメイトが3人も亡くなって、バスケ部は沈み込んだ。
けれど春に新一年生を迎えて、少しは前を向いていこうとしていたんだ。
それなのに昨年の春から巻き起こっていた感染症は、
まだ猛威を振るっている。
この3月、退学者が数名いた。
コロナの影響で、飲食業、繊維業、印刷業など、多くの業種が痛手を受け、
この高校の高額な学費を、親が払えなくなったのだという。
リモート授業に切り替わり、部活も思うようにできない日々が続いていた。
姉のアイのように二次元に楽しみを求めて、切り替えて楽しめる人間がうらやましい。
「姉ちゃん、ちょっと学校行ってくるよ」
庭でバスケをしていても気が乗らないので、体育館に行きたくなった。
高校2年になったから、そろそろ進路調査表なんかも配られて。
将来何になりたい?
どんな仕事する?
っていう重たい質問が肩に乗っている。
勉強するのはあまり好きじゃない。
親父のIT会社は継ぐ気はない。
じゃあ何をしたらいい?
2年目のインターハイを追いかけようという目標くらいしか思いつかなかった。
気分転換はバスケだけだった。
「オタク家を建てるまで」:2020年1月4日