埋めるなら卵産みたいよ
偽りの神々シリーズ
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
シリーズの6作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
※
このところいきなり、苦手分野の恋愛っていう話題をふられて、僕の頭は妙に疲れていた。
元々スペック高くない自分に、恋愛なんて無理だし、悩みの相談も無理だからね。
樫木とリオナがちょっとギクシャクしているのを横目にしても、僕は何もできない。
朝食の準備のために、僕は中庭で飼われている鶏の卵を取りながらぼんやりしていた。
するとやっぱり久しぶりにダチョウもどきの鳥に蹴られた。
「いでっ!」
容赦ない。
やつら、こっちが気を抜いていると、絶対蹴ってくる。
「もうっ、今日は鶏の卵取りに来たんで、君らの卵狙ってないのに」
僕はぶつぶつ言いながら、腰をさする。
『和木君は伯爵とは何回かやってるよな?』
和木がリーインリーズ伯爵と!?
あいつ否定しなかったしな。
でもって今朝。
目を覚ましたら、同室の和木はベットにいなかった。
厨房に行ってみても、いなかった。
中庭の卵とる場所にも、いない。
あとハチファミリーのとこにもいないんだ。
樫木が変なこと言うから、妄想しちゃうよ。
だって相手はあの、美ボディーなリーインリーズ伯爵だよ。
あの人、女なのに、気性は男じゃないか。
和木君て、たぶん両刀使い。
性を超越する人って、
和木君好みかもしれない。
最近僕は、ちょっとだけ和木や樫木も。
なんていうか僕と同じ高校二年生なんだって思ってた。
多分前の世界だったら、絶対友達にならなかったタイプで、僕とは別次元の人達だったんだけどさ。
最近は、ほんとちょっとだけ。
親近感持ってたのに。
こと恋愛話になると、光の速度で彼らが遠ざかっていく。
「やっぱ僕は……、くそっ!」
異性と結合し、卵を産んでるこいつらの方が偉くないか!?
じっとりと、僕を蹴ったダチョウもどきを見つめる。
僕の生殖本能どこ行っちゃったの!?
「オタク家を建てるまで」:2020年12月24日