理由
「どうしよう?」
「……」
「……ごんちゃん。」
「……うん。」
「明日はどうする?」
「……うん。」
いくら話しても解決方法は見つからなかった。
結局は振出しに戻ってしまう。私達とみゆは向き合って頭を悩ませ続けていた。
「……ごんちゃん。」
「なに?」
「なんでごんちゃんはてるちゃんに描いてもらおうと思ったの。」
「……え?」
「てっきり美術部の人とか漫研の人とか誘うのかと思ったんだけど。」
そう言われて、私自身違和感を感じた。何故私は八巻さんの事にこだわっているのだろうか。
真っ先に思いつか居たのは”他に友達がいないから”という事だった。
しかし、よく考えてみるとそれも違うような気がする。
私と八巻さんの関係は友達かどうかと聞かれると口ごもてしまうが、仲が悪いかと聞かれると否定するような関係だ。
だからこそ、今日の昼間に怒られたのかもしれないが。
「あ。」
「どうしたの?」
思わず声が出て、みゆが反応した。
「絵をかくのが好きだからだと思う。」
「てるちゃんが?」
「そう、私に初めて絵を見せてくれた時、絵を描いているとき。普段とは違う嬉しそうな顔をしていたんだ。」
「そうなんだ。」
「うん。目とか全身から楽しそうな感じが伝わってきたんだ。」
「いつもの雰囲気からは想像できなかったから。」
「そっか、みゆも八巻さんの事知ってたんだっけ。」
「うん。絵とか描くの知らなかったけど。」
ーリリリリリリリリ
普段鳴らないはずの私の携帯が鳴った。
咄嗟に画面を見ると母親の名前が映っている。一種運迷ったがそのままポケットに入れた。
しばらく鳴っていたがやがて着信は切れた。その様子を見ていたみゆが話しかけてきた。
「大丈夫。」
「うん、親からだから。」
「え?電話出たほうがいいんじゃない。」
「大丈夫だと思うけど。」
「もしもの事があるかもしれないじゃん。」
「……うん。」




