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下校
「本当に大丈夫?」
「うん」
みゆの問いかけに生返事で答えながら私は帰っていった。
頭の中でぐるぐるといろいろの言葉が浮かんでは消える。
家で待ち構えているであろう母親への対策。イラストの存在。
何よりも照の存在が何度も頭の中にこびりついて離れなかった。
考えてみると私は照自身の子をとあまりに見ていなかった。全て自分の都合で動いていた。
反省に次ぐ反省で気持ちが一方的に沈んでいった。
「ごんちゃん。」
「うん。」
「諦める?」
「なにを?」
「vtuberになるの。」
「え?」
その言葉にみゆの顔を見た。
「なんてね。」
みゆは悪戯っぽいい笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「考えすぎだよ、ごんちゃん。軽く考えなよ。」
「……ありがとう。」
その一言で心の靄が少し晴れた気がした。
「あのさ、この後家泊ってもいい?」
「え?え?」
みゆは心持ちいつもより焦ったように言った。
「今日、家に帰りづらくてさ。」
「え?なんで?」
「明日以降の作戦も考えたくて。」
「え?あ?そうか。そうだよね。いいよ。」
「ありがとう。」
「でも、大丈夫なの?」
「なにが」
「家族は心配しないの。」
「大丈夫、後で連絡するから。」
「それなら大丈夫かな。」




