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無言
みゆとりなしばらく見つめあった。
みゆはりなをしっかりと見つめ、りなは一切目を合わせなかった。
時が進むほどに二人はすれ違っていくようだった。
やがて、しびれを切らしたかのようにみゆは突然立ち上がった。
「ごんちゃん、いこう!ここに無理していなくていいよ。」
みゆが私の手を取り引っ張った。
私はみゆのその手を掴んだ。
「みゆ、先に行ってて私はもう少しここにいるから。」
「ごんちゃん!いいよもう……」
「みゆ、大丈夫。まだやりたいことがあるから。」
「……わかった。先に帰るね。」
「社長、もう帰るの?もう少しいればいいのに。」
「りー、ごんちゃんはここにいるんだよ。それは変わらないの。」
「社長……」
りなはそう言葉を残して部屋から出た。
部屋には私とリナだけが残された。
「……何それ」
誰に言うわけでもないりなの言葉がふわふわと宙に浮かんだ。
「こんにちは、りなさん。」
「……」
場が静まり返ったのは私の愛猿の所為だけでなかった。
私は場の空気を換えるべく、一気に話し始めた。
「みゆとはどこで会ったの?」
「……」
「日本語うまいよね。」
「……」
「日本にはどれぐらいいれるの。」
「……」
何を言っても、りなは答えなかった。




