話し合い
柔らかくて高級そうな絨毯。重厚で高級そうな扉。場所に圧倒されすべてのものに高級そうと思ってしまう。
もう二度と来るはずない扉の前に私は立っていた。
「みゆ、大丈夫。」
私はみゆに話しかけていたが、ほとんど自分に言うように話しかけていた。
「うん、大丈夫だよ。」
みゆは笑顔でこちらを見ながら言った。
その笑顔を見て一気に緊張が解けた。みゆとどこまでもついていこうと改めて腹が決まった。
「行こう。」
「そうだね。」
みゆの言葉に呼応して答え、その勢いのままみゆはインターフォンを押した。
「久しぶりだね。社長。」
りなはチャイムが鳴り終わる前に出てきた。
一度オートロックを解除するために話をしているのだから、当たり前かもしれないがまるで玄関前で待機しているような速さだった。
「さぁ、入って社長。」
「……入るねー。」
みゆは一瞬眉をひそめたが、すぐにそんなことは無かったかのように中に入っていった。
「どれぐらいぶりだっけ。」
「三週間ぐらいかな。」
「そんなものかー、もっと会っていないように感じたけど。」
「確かに長く感じたかもね。」
「そうだよねー」
りなはみゆと話しながらゆっくりと歩いて行った。私達は前回も最初に通された部屋に案内された。
「それで今日は何の用なの。」
リナは座るなり、みゆに問いかけた。
「アーイシャから聞いてない。」
「聞いてないかな……」
リナはとぼけた様返答した。
「金剛寺飛鳥のイラストを使いたいんだよね。」
「……」
「りー。」
「なに?」
「今の話聞いてた。」
「うーん、どうだろうね。」
「どうだろうねって。」
「……嫌かな。」
りなは笑いながら答えた。
ピリピリとした雰囲気を感じ、私は口を開いた。
「お願いします。イラストを貸して……」
「社長はさ、なんでそんな道理に合わないこするの?」
「道理に合わない?」
「三人で仲良くやればいいじゃん。」
「それは前にも話したけど……」
「何が不満なの?」
「不満とかじゃなくて……」
「不満なんでしょ。」
「りー、不満とかじゃ……」
「不満なんでしょ。」
リナは叩き潰すように言葉を発した。




