届く
「ごめん。」
みゆは私の顔を見て一言謝った。
私は何をしていいのか分からずにただその姿を見つめた。
みゆは顔を赤くさせ、一杯一杯になりながら体を震わせた。
「ごめん。ごめん。ごめん。ごめん……」
そこから堰が切れた様に何度もみゆは私に向かった謝り続けた。
その姿をなんとか止めなくてはならない、そう思うが身体が思うように動かなかった。
「ごめん。ごめん。ごめん。ごめん……」
みゆの顔はどんどん赤くなる。
その姿を見て、身体が熱くなり気付くと身体が勝手に動いていた。
「謝らないで。」
「……!!」
私はみゆの事をぎゅっと抱きしめていた。
この状態にみゆも。何より私自身が驚いた。
私が一言発した言葉からしばらく沈黙の時間が続いた。
言いたいことはいっぱいあるが言葉にならず、ただ強く抱きしめて思いを伝えようとした。
少しづつ頭が整理され、言葉をゆっくり続けた。
「なんでみゆが謝るの。みゆはみゆの道を進んでほしいんだよ。」
「私の道?」
「そう。みゆにはみゆの道がある、それはきっとすごいものなんだよ」
「……ありがとう。」
「本当の事だよ。だからこんなことで躓かないで」
「……こんなこと?」
「うん。私の事なんか気にしないでもっと先のほうに……」
「先って何!!」
みゆは私の腕を振り払い、叫んだ。
みゆは更に言葉を続けた。
「私の先にはごんちゃんがいないと意味がないの!だからここに戻ってきたの!!
なんでわかってくれないの!!!!」
まっすぐな言葉が私の心に刺さった。




