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別れ

「なんでそんなこと言うの。」


 みゆはシンプルにリナに質問を投げかけた。

 ごんちゃんの演技は凄かったのになんで認めないのみゆの言葉は嬉しかったが、空気が痛々しくていたたまれなくなった。

 しかし、リナはそんなことはどこ吹く風で言葉を続けた。


「私の力があれば、プロの声優を使えるしそれでいいんじゃないの。」

「本気で言ってるの。」

「本気って、当たり前じゃん。」

「……」


 急に言葉が途切れた、

 みゆが怒っているのは誰にでもわかった。

 しかし、そのことに油を注ぐようにリナは言葉を続けた。


「なに怒ってるの?冷静に得になることを選べばいいのに。」

「……。」

「声は大切なんだからもっと大切に選ぼうよ。お金ならいくらでも使っていいって言ってるでしょ。」

「……。」

「そんな黙ってたら分からないよ。もしかして怒ってるの?」

「……なにに怒っているか分からないの。」

「えー。わからないよ。」


 笑ってごまかそうとするリナに対して、ついにみゆは怒りを爆発させた。


「わたしはりーの事が好きなの!!同じぐらいあいちゃんの事も好きだし!!ごんちゃんの事も好き!!

 なんでそんなまことが分からないの!!!

 プロの人だったらそれはすごいかもしれない。面白いかもしれない。でもそれはLucid dreamingじゃないんだよ。私たちがやることがそのまま夢なんだよ。」


 隣で見てみゆの叫ぶ気持ちが痛い程分かった。

 しかし、りなは何もなかったかのように言葉を続けた。


「関係ない話でしょ。」


 みゆはその言葉にショックを受けたかのように押し黙った。


「ごめん。私の所為だよね。」


 雰囲気を変えたく、私は言葉を発した。

 私の言葉にすぐにリナは反応した。


「そうだね。あなたの所為かもね。」


 なにかの余計な言葉起きる前に私は言葉を続けた。


「ごめんね、みゆ。

 それにリナさんもアーイシャさんもごめん。わたし帰るね。

 ごめん。本当にごめん。

 私の事は気にしなくていいからね。」


 私はすぐに荷物をまとめ、走って帰ろうとした。


「ちょっとまって、ごんちゃん。」


 みゆが私の腕を掴んで、話しかけた。

 私はみゆの顔を見て話した。


「ありがとう、みゆ。でも優先度はしっかりしないとだめだよ。みゆはここで楽しく過ごして。」


 みゆの手を振りほどき、私は足早にその部屋から出た。

 みゆとアーイシャとリナが中で揉めていた。

 後ろから声が聞こえてきても私は一切振り返らなかった。

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